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市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

6-(2) CATVに係る電線地中化費用の明確化及び道路占用申請手続の簡素化

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:建設省

○ 問題提起内容

(1) 国道等を横断、もしくは縦断してCATVの電線ケーブルを地中化する場合、その工事に要する費用が分かりにくく、地中化に参加するか否かの判断ができない。建設省告示の算定式に基づいて費用を算出する方式は分かりにくいので、占用希望者が分かりやすい基準に変更し電線共同溝工事の際の道路管理者の告示でその費用が明示される方向に改正して欲しい。

(2) 電線の地中化及び道路の占用については「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」及び「道路法」に従い申請書が必要であるが、道路管理者は、国、都道府県、市町村と分かれており、かつ地方自治体が国から管理委託を受けているケースもあって提出先が場所により異なる場合があるので複雑になっている。

また、電線共同溝の工事による道路の占用については、道路法上の工事計画書、電線共同溝法の占用許可申請書のほか、工事費用負担額の算出に必要な資料、当該電線の概要を示す書類及び図面、その他参考書類及び図面等多数の書類を提出しなければならないので、道路管理者が国であるか、自治体であるかの明示とともに、申請書類の簡素化少数化を図って欲しい。

(3) 電線共同溝の占用期間は現在CATV業者は5年となっているが、今後第一種電気通信事業者の免許を取得してCATVケーブルを利用した電話サービスを行う場合を想定した占用期間の延長をして欲しい。具体的には、第一種電気通信事業者の免許を取得したCATV業者がCATVケーブルによる電話サービスを行う場合の占用期間は第一種電気通信事業者の10年を適用して欲しい。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 電線共同溝を整備する際の建設負担金の額(工事負担額)は、電線共同溝を道路管理者が整備することにより電線管理者が払う必要がなくなった費用、すなわち、電線管理者が単独で地中化する場合に必要となる額であるとしている。

建設負担金の算出式は、将来の掘り返し費用などを考慮しつつ、数式で一般的に表現すると「電線共同溝の整備等に関する特別措置法施行令」(以下「施行令」という。)第2条に定められた式となるが、基本的な考え方は単純明快であり変更の必要はないと考えている。

また、電線共同溝敷設後であっても、電線共同溝にケーブル追加の余地があれば、新規と同様の費用負担でCATVケーブルを追加設置できる。

なお、道路管理者が占用予定者に対して建設負担金の額を明示することについては、現状においても道路管理者から占用予定者に対して行っている(施行令第4条)。

(2) 道路法においては、道路管理者は道路の区域決定及び供用開始の際に公示され、かつ一般の縦覧に供されている。さらに、国道の一部についてその管理を都道府県知事又は指定市の長が行う場合があるが、国が直接管理している国道は政令上明示されている。

また、電線共同溝を整備する場合、道路管理者は電線類地中化協議会において関係の公益事業者等から意見聴取しているが、このとき(社)日本CATV連盟等の関係事業者等からも意見を聴取し、電線類地中化五箇年計画を策定した後、電線共同溝整備道路を指定し、その旨公示している(その際、道路管理者は明示されている。)。

電線共同溝の占用申請書及び添付書類は、その建設及び管理上必要最小限の書類としている。なお、CATV施設の道路占用については、その申請書の添付書類について、道路の占用の場所、占用物件の構造等を明らかにした図面その他必要最小限のものとすること等道路占用手続の簡素化措置を図っているところである。(「有線テレビジョン放送施設の道路占用許可申請書の添付書類について」平成8年6月28日付け建設省道路局路政課長通達)

(3) 道路占用の期間は、占用物件としての適格性を確認する上で必要な最長期間として定められているものである。CATVの占用期間については、申請者負担の軽減等の観点から道路法施行令の改正(平成7年10月25日公布、政令第363 号)により「3年以内」から「5年以内」に延長されたところである。

電線共同溝の占用期間については、道路法の占用許可と異なり期間の上限に係る規定がなく、通常、電線共同溝の耐用年数までの占用を認めることとしている(申請者が耐用年数よりも短く期間を限定して申請したときには、その限定した期間を占用期間とする。)。

第一種電気通信事業の許可を受けたCATV事業者に対する占用期間を10年以内とすることについては、現実にそれらCATV事業者による電話サービス事業の実績がない現段階においては、軽々に判断できない。CATV事業者による電話サービス事業の推移を見つつ、道路占用の実態等を踏まえて、その占用期間の在り方について検討することとしたい。