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市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

7-(5) 委託加工品の再輸入に係る関税賦課方式

○ 問題提起者:日本貿易会

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

現在、日本から原材料を輸出し、委託加工をした上で製品あるいは半製品として輸入する際は、当該製品の輸入関税について減税措置が実施されているが、近隣諸国への委託加工が増えているため、特例措置適用について、加工・組立輸出貨物確認申告書等手続が繁雑になっているので手続きを簡素化すべき。

米国では米国産の原材料を使用し外国において委託加工した物品の輸入に関しては、輸入関税は外国での委託加工賃のみに付していることを考えれば、近隣諸国への委託加工の増加に伴い、外国における委託加工賃のみに関税を賦課する方式の導入を検討すべき。

○ 所管省庁における対処方針

関税暫定措置法第8条に規定する加工再輸入減税制度は、我が国から輸出された原材料が、外国において加工され又は組み立てられた後、製品として再輸入される場合に、その製品に課せられる関税のうち、輸出された原材料の関税相当分について軽減するものである。

本制度の適用を受けるためには、原材料の輸出申告に際し、当該輸出原材料に係る「加工・組立輸出貨物確認申告書」(以下「確認申告書」という。)に、同一契約に係る輸出原材料の全てについてその概要等を記載した「附属書」を添付することとされている。

この確認申告書は、減税の対象となる原材料が確かに輸出されたことを確認するためのものであり、輸出申告の都度作成する必要があるが、附属書については、確認を受けた最初の輸出の際に提出すれば、以後同一契約に係る原材料の輸出がある場合には、当初の附属書を提示すればよいこととしている。

なお、附属書は原則としてスタイル別に作成することとしているが、同一統計品目に分類される製品で、その加工賃が同一かつ用尺の差が当該製品のサイズ違いによるものである複数のスタイルのものについては、同一のスタイルのものとして、一枚の附属書にまとめて記載させる簡易な取扱いとしている。

なお、関税暫定措置法第8条に相当する米国の減税制度(米国関税率表第9802.00.80号の規定)においても、関税暫定措置法第8条と同様の減税方式を採用している。

仮に輸入貨物の課税価格の決定方法に係る問題提起ということであれば、我が国は、米国、カナダ、EU等世界の68カ国が採用している「関税及び貿易に関する一般協定第7条の実施に関する協定」に基づいて実施しているところであり、我が国だけが特別な取扱いを行うことはできないものである。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解」