OTOデータベース HOME

市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

7-(10) 輸入通関手続等の改善

○ 問題提起者:日本貿易会、東京商工会議所

○ 所管省庁:厚生省、農林水産省

○ 問題提起内容

(1) 成田の場合、検疫所・植物防疫所の検査時間は午前9時〜午後9時であり、以降は翌日になる。少なくとも最終便到着分まで検疫所・植物防疫所の受付を行うべき。

(2) 食肉の輸入に際し、動物検疫の実施が荷揚げ地によっては1日1回限りとなっており、通関に際して無用な待ち時間が多い。いつでも検査が受けられるようにすべき。

(3) 生鮮青果物の輸入時、「検査証明書」またはその写しの添付が義務づけられている。この「検査証明書」につき、植物の種類によっては輸入を禁止されている国があり、その場合は輸入許可された際の「検査証明書」添付が原本でしか認められていない。品物が書類より先に到着している場合、通関が遅れ品質劣化を伴うので、植物の種類にかかわらず輸入申告時には「検査証明書」の写しにより通関可能とすべき。

(4) 植物検疫時に害虫が発見され燻蒸になる場合、品質が著しく劣化する貨物(特に航空貨物)のクレーム用の証拠写真を撮影できないケースが多いが、通関業者に限り撮影できるようにすべき。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 従来より主要空港の輸入食品届出窓口については、食品の輸入実態等を勘案して、食品衛生監視員の増員や業務時間の延長を行ってきたところである。

今後、成田空港検疫所の輸入食品検査業務に関して、食品の輸入実態に応じ、業務を行う時間の延長について検討を行い、その結果を踏まえて対応することとしている。

[厚生省]

成田空港等の主要空港における植物検疫については執務時間の延長等、検査体制の整備を行い、平成8年10月末より最終国際便の貨物についても検疫を実施している。

(2) 動物検疫については、定員258 名の家畜防疫官により全国58カ所の指定海空港において輸入される動物・畜産物について、それらを介しての家畜の伝染性疾病の侵入を防止するため、家畜伝染病予防法に基づく輸入検査を実施している。輸入手続については、近年の家畜・畜産物の輸入動向、地方空港の国際化等を踏まえ、これまでにも検査官の増員、執務時間の延長、食品衛生検査等との同時並行処理、検査合格証の現場発給方式の導入等を行い、輸入検疫手続の簡素化・迅速化を図ってきたところである。

これにより、成田、関西空港等の主要空港については、全ての貨物便に対応する検査が可能な体制となっている。また、海港についても、限られた人員の中で広域に分布する検査場所に対応するため、輸入検査前日までの申請と、これに基づく計画的な輸入検査により、輸入手続の効率化・迅速化を図っているところである。

(3) 申請時に提出が必要な輸出国植物防疫機関の発行した植物検疫証明書については従来より、原本の他、検疫証明書のコピーであっても輸出国植物防疫機関が原本と同一である旨の証明を行ったもの及び原本の同時カーボンコピーを受け入れており、必ずしも原本の提出を義務づけていない。

なお、植物検疫証明書については、国際植物防疫条約で書面により発給することが定められているが、我が国としては、平成8年6月の植物防疫法の一部改正において、検査証明書の記載事項が輸出国の政府機関から電気通信回路を通じて植物防疫所の使用に係る電子計算機に送信されたものも認めることとした。

現在、植物検疫に関する国際的な技術レベルの会合において輸出国の政府機関から証明書を電子計算機を使用して送付することの技術的な可能性について情報交換が開始されたところであり、当該会合について積極的に参加していくこととしている。

(4) 輸入者が自らの輸入貨物に対して行う写真の撮影について、何ら制限は行っていない。

[農林水産省]

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
(3) に関して「当面はこの対処方針で了解。」