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市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日)

8-(2) 外国会社の日本における発起人及び代表者の定住要件の緩和

○ 問題提起者:在日ベルギー・ルクセンブルグ商業会議所

○ 所管省庁:法務省

○ 問題提起内容

商法においては、日本において外国会社を設立する際には、設立者のうち少なくとも1人は日本の定住者でなければならないと定められている。こうした規定は廃止すべき。

○ 所管省庁における対処方針

外国会社は日本において継続して取引を行うときは、日本における代表者を定めその住所又はその他の場所に営業所を設けて、営業所設置の登記をしなければならないと定められており(商法第479 条第1項、第480 条第1項)、その登記においては、日本における代表者の氏名及び住所をも登記することとされている(商法第479 条第3項)。日本における代表者については、少なくとも1名は、日本に住所を有するものでなければならないものと取扱いがされているが、発起人(設立者)については、登記事項ではなく、そのような制限はない。

問題提起者は、この取扱いについて、日本における代表者と発起人(設立者)とを同一に解し、外国会社の日本における代表者(問題提起者は、「設立者」というが、発起人にはそのような制限がないことから、日本における代表者を指すものと考えられる。)のうち少なくとも1名は日本に定住している者、すなわち日本人でなければならないことを意味すると解しているものと考えられる。

外国会社の日本における代表者のうち少なくとも1名については、日本に住所を有する者でなければならないとされているのは、日本において継続して取引を行うにもかかわらず、外国会社の営業所に使用人しか常勤しておらず、代表者は海外に居住しているとすれば、取引の相手方にとって不測の損害が生ずるおそれがあることなどから、国内における取引の円滑と安全を保護することができなくなり、また、日本における代表者に対する過料事件等の裁判の実行性が確保されないことによるものである。

しかし、外国会社の日本における代表者については、日本人であることを要せず、外国人であっても差し支えない。したがって、日本における代表者を複数置いたとき、その全員が外国人であっても何ら問題はない。

なお、このことは、内国会社の代表者についても当てはまるものである。

以上のことから、この取扱いを変更する必要はないものと考える。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解。」