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市場開放問題苦情処理推進会議第5回報告書(平成10年3月17日) [フォローアップ]

1-(3) 海苔輸入手続きの改善

○ 問題提起者:駐日韓国大使館

○ 所管省庁:農林水産省・通商産業省

○ 問題提起内容

乾燥海苔は、「日本海苔輸入組合」が輸入業務を独占的に取り扱っており、複雑な輸入手続や高額な手数料等、事実上輸入制限的効果が生じている。したがって、以下の改善措置を講ずべきである。

(1) 同組合と締結した輸入海苔売買に関する基本契約書の原本及び写本を所管省庁に提出する義務を撤廃する。

(2) 両国政府が輸入量を決定し、両国の輸出入商社によって同範囲内での自由な取引ができるようにし、同組合は、全体的な輸入量の確認だけを行うようにする。

○ 所管省庁における対処方針

干し海苔については、国内生産量及び生産額が100 億枚、1,000 億円前後で推移するなど、我が国水産業において重要な地位を占めているところであり、このため、国内の海苔需給に混乱が生じないよう輸入割当制度の対象としている。この制度の下、毎年の商取引としての具体的な輸入については、輸入業者、流通業者、加工業者等の民間ベースで市場動向や品質、価格等を勘案しながら韓国側輸出業者と協議の上行われているところである。

したがって、このような状況の下、海苔の輸入が円滑に行われるためには、今後とも民間ベースでの議論を十分尊重していく必要があると考えている。

また、海苔の売買の方法についても、そもそも商取引慣行に属するものである。

さらに、本件については、民間ベースでの協議の場で議論されているとともに、駐日韓国大使館からの問題提起及びその後提示された見解の論点も含め、平成10年1月15〜16日に開催された日韓水産物貿易協議の場で取り上げられ議論が深められたところであり、引き続き当該会合の場で議論を進めていくことで了解したところである。


フォローアップ(平成11年11月16日) [報告書]

1-(3) 海苔輸入手続の改善

本件については、1999年1月及び9月に開催された日韓両国政府間の水産物貿易に関する実務者会合における議論を踏まえ、1999年2月に以下の内容を含むのりの輸入手続きの変更を行い、同年3月に開催された同協議の場において韓国側に説明したところ、韓国側は我が国の取り組みを多とし、当方としては、本件については解決したと認識している。

(1) 輸入のりの売買に関する基本契約の原本及びその写しを所管省庁に提出する義務を撤廃した。

(2) 輸入割当限度数量の範囲内で自由に取引ができるようにした。(具体的には1999年公表の輸入割当数量については、これまでの輸入実績、輸入の伸び、国内の受入状況等を総合的に勘案した実際の日本の海苔市場の需給実勢に応じた数量として、69百万枚(前年度輸入実績比33%増)を設置した。また、新規参入を希望する商社に対して、自由な取引が志向されるよう先着順割当枠を創設した。)