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市場開放問題苦情処理推進会議第5回報告書(平成10年3月17日) [フォローアップ]

3-(11) 輸入衣料品の英文表示の拡大

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:通商産業省

○ 問題提起内容

輸入衣料品を国内で販売する場合、組成表示・家庭洗濯等取扱い方法などの表示のうち、組成の表示は、平成9年10月の告示見直しで英文表示が認められることになっている。付け替えに係わるコスト削減、輸入品の増加、取扱い絵表示のJIS規格のISO規格への整合化の観点から、取扱表示についても、消費者が、理解可能な英文の表示の場合は英文表示を認めるべきである。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 組成表示

衣料品に関する品質表示については、家庭用品品質表示法に基づき、繊維製品品質表示規程により、具体的な表示事項(繊維の組成、洗濯取扱絵表示等)が定められている。

今般、家庭用品品質表示法の見直しにおいて、消費者の認識の度合いを勘案したところ繊維の組成表示については、COTTON、WOOL、SILKの用語表示を繊維製品全般に拡大するとともに、これらに加え、NYLON、POLYESTER、RAYON、ACETATE の用語を追加することにより、これら用語を用いた表示を可能としたところである。今後も消費者の認識の度合いを勘案して検討していく予定である。

(2) 取扱絵表示

家庭洗濯等の取扱い絵表示については、JIS L 0217(繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法)があり、このJIS L 0217は、家庭用品品質表示法に引用され、これに従った表示が義務付けられている。一方国際規格としては、ISO3758(Textiles- Care labeling code using symbols) があり、絵表示だけが規定されているが、現在のところ、評価方法は規定されていないため、家庭用品品質表示法の適切な実施の観点から、国内でこれを導入することは適切でない。

JIS L 0217は、平成7年3月に「基布は白、記号は黒又は紺、禁止を示す×印は赤」という規定をISO 3758に整合させ、色の規定を削除したが、JIS L 0217の国際規格への完全な整合は、現在ISOで検討中の試験評価方法のISO規格ができた時点で速やかに行う予定としている。

なお、通商産業省は、平成7年度及び8年度に国際整合化に必要な作業として、関連する規格の国際規格との整合化状況について調査を実施するとともに、ISO規格に取り入れることが予想される試験方法と我が国の生活実体との調和を目指した調査研究を実施した。平成9年度は、これらの調査研究の成果を基にISOにおける審議に参加しているところ。

(備考)
問題提起者の見解は以下のとおり。
「当面はこの対処方針で了解」


フォローアップ(平成11年11月16日) [報告書]

3-(11) 輸入衣料品の英文表示の拡大

(1) 組成表示

衣料品に関する品質表示については、家庭用品品質表示法に基づき、繊維製品品質表示規程により、具体的な表示事項(繊維の組成、洗濯取扱絵表示等)が定められている。

今般、家庭用品品質表示法の見直しにおいて、消費者の認識の度合いを勘案したところ繊維の組成表示については、COTTON, WOOL, SILKの用語表示を繊維製品全般に拡大するとともに、これらに加え、NYLON, POLYESTER, RAYON, ACETATE の用語を追加することにより、これら用語を用いた表示を可能としたところである。
平成9年10月の繊維製品品質表示規定の改正により、英語の用語の範囲を拡大した。具体的には、繊維素材の定義が共通のもので一般消費者の理解度の高い繊維素材の英語標記を追加した(RAYON,ACETATE,NYLON,POLYESTERの4種の英語標記)。
なお、本規定改正は平成12年9月まで3年間の猶予となる経過規定措置をとっている。
上記のように、平成9年の規定改正は経過措置期間中であり、その定着状況及びその際のトラブルの状況等を見極めて更なる改正の必要性について検討していく。

(2) 取扱絵表示

家庭洗濯等の取扱い絵表示については、JIS L 0217(繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法)があり、このJIS L 0217は、家庭用品品質表示法に引用され、これに従った表示が義務付けられている。一方国際規格としては、ISO3758(Textiles- Care labeling code using symbols) があり、絵表示だけが規定されているが、現在のところ、試験方法が規定されていないこと、又、洗濯機や洗濯習慣が相違すること等の問題から、家庭用品品質表示法の適切な実施の観点から、現時点でこれを導入することは適切でない。
JIS L 0217は、平成7年3月に「基布は白、記号は黒又は紺、禁止を示す×印は赤」という色の規定を削除しISO 3758に合わせたが、今後の方針としては、現在改正を検討中の試験方法を含めたISO 3758規格ができた時点で、速やかに整合化に向けた検討を行う予定である。
通商産業省としては、今後ともISOにおける審議に積極的に参加していく所存であり、本年11月22日〜23日に開催されるISO国際会議(分科会)には、我が国委員も参加し、その場において改正案の審議が行われる予定である。