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市場開放問題苦情処理推進会議第5回報告書(平成10年3月17日) [フォローアップ]

5-(1) 海外建築資材(公共工事用輸入資材)品質検査証明制度の改善

○ 問題提起者:駐日韓国大使館

○ 所管省庁:建設省

○ 問題提起内容

公共機関発注工事用海外輸入資材に対する審査証明制度の運用においては、同審査が国際的に通用されるISO認証獲得会社資材と未獲得会社資材間に区別なく適用されている。現在、建設省の外郭団体が品質審査の認定事業を行っているが、工事ごとに審査機関が異なり、相当な時間及び経費が必要となっている。この規制により、韓国又は国際規格の基準は満たしていても、日本国内の公共工事には使用できない場合がある。

審査証明制度の趣旨に照らし、ISO認証を取得した全製品に対し、海外建築資材品質検査と同じ効力を認めるか。又は、品質基準に対する相互認証制度の導入を図るべきである。

○ 所管省庁における対処方針

(1) 公共工事においては、通常、JIS規格またはこれと同等以上の品質を有する資材を使用することが仕様書等で定められているが、本審査証明事業は、海外で生産された建設資材について、当該資材がJISを満足していること及びその資材を生産する工場又は企業の品質管理体制が製品の安定的な供給に対して信頼できるものであることを審査・証明し、これにより海外で生産された建設資材の円滑かつ有効な活用をしようとするものである。

また、平成8年には、審査証明の有効期間を1年間から3年間に延長する等、制度の改善に努めているところである。

(2) 一方、ISO認証(ISO9000シリーズ) は、供給者が需要者の要求事項を満足する製品やサービスを継続的に供給するための体制(品質システム)及びその実施状況等に係る事項を規定したものであることから、本証明事業においてはこの認証を受けた工場または企業で生産された資材について、重複する部分の審査を省略している。

(3) なお、セメントのようにJIS規格は存在するが、JIS製品として生産・納入されていない製品については、JIS規格または同規格と同等以上の品質であることを証明するミルシート(品質保証書)を添付して提出すれば、国内産と同様に使用に付することができる旨を関係機関に通知し、国内産資材の取り扱いとの整合性を図ってきたところである。

(4) JISに関しては、平成8年12月に工業標準化制度の見直しに関する答申の中で、国際規格との整合化の推進が謳われており、現在、JISと国際規格との整合が進められているところである。

(5) なお、下記の項目について、事実と異なる部分もあるので、問題提起者に意見を照会しているところである。

1) 「ISO(9000シリーズ) 認証獲得会社資材と未獲得会社資材間に区別なく適用されている。」と指摘されたが、従前よりISO9000シリーズ認証取得企業の製品については、品質管理体制に関係する項目の審査を省略しており、さらに、平成8年9月より省略する審査項目を拡大している。
2) 「工事毎に審査機関が異なり」と指摘されたが、土木工事に関する資材については、(財)土木研究センター及び(財)建材試験センターで審査を行っており、工事毎に審査機関が異なっていることはない。また、証明の有効期間(3年間)内であれば複数の工事で使用が可能である。
3) 「(審査)相当な時間及び経費がかかっている」と指摘されたが、時間については、審査期間は申請資料が受理された後原則として1ヶ月間である。
4) 「建設省の外郭団体が発注する工事に対しては相変わらず性能検査や品質検査等別途の品質確認手続を要求しているので」と指摘されたが、当方で調査した結果では、該当する外郭団体(公団等)はなかった。なお、要領にも明記されているとおり、建設現場における受入検査等については、当品質審査証明・事業の有無に関わらず発注者の仕様に基づいて行われるものである。


フォローアップ(平成11年11月16日) [報告書]

5-(1) 海外建築資材(公共工事用輸入資材)品質検査証明制度の改善

(1) 公共工事においては、通常、JIS規格またはこれと同等以上の品質を有する資材を使用することが仕様書等で定められているが、本審査証明事業は、海外で生産された建設資材について、当該資材がJISを満足していること及びその資材を生産する工場又は企業の品質管理体制が製品の安定的な供給に対して信頼できるものであることを審査・証明し、これにより海外で生産された建設資材の円滑かつ有効な活用をしようとするものである。
また、平成8年には、審査証明の有効期間を1年間から3年間に延長する等、制度の改善に努めているところである。

(2) 一方、ISO認証(ISO9000シリーズ) は、供給者が需要者の要求事項を満足する製品やサービスを継続的に供給するための体制(品質システム)及びその実施状況等に係る事項を規定したものであることから、本証明事業においてはこの認証を受けた工場または企業で生産された資材について、重複する部分の審査を省略している。

(3) なお、セメントのようにJIS規格は存在するが、JIS製品として生産・納入されていない製品については、JIS規格または同規格と同等以上の品質であることを証明するミルシート(品質保証書)を添付して提出すれば、国内産と同様に使用に付することができる旨を関係機関に通知し、国内産資材の取り扱いとの整合性を図ってきたところである。

(4) JISに関しては、平成8年12月に工業標準化制度の見直しに関する答申の中で、国際規格との整合化の推進が謳われており、現在、JISと国際規格との整合が進められているところである。

(5) なお、下記の項目について、事実と異なる部分もあるので、問題提起者に意見を照会しているところである。

1) 「ISO(9000シリーズ) 認証獲得会社資材と未獲得会社資材間に区別なく適用されている。」と指摘されたが、従前よりISO9000シリーズ認証取得企業の製品については、品質管理体制に関係する項目の審査を省略しており、さらに、平成8年9月より省略する審査項目を拡大している。
2) 「工事毎に審査機関が異なり」と指摘されたが、土木工事に関する資材については、(財)土木研究センター及び(財)建材試験センターで審査を行っており、工事毎に審査機関が異なっていることはない。また、証明の有効期間(3年間)内であれば複数の工事で使用が可能である。
3) 「(審査)相当な時間及び経費がかかっている」と指摘されたが、時間については、審査期間は申請資料が受理された後原則として1ヶ月間である。
4) 「建設省の外郭団体が発注する工事に対しては相変わらず性能検査や品質検査等別途の品質確認手続を要求しているので」と指摘されたが、当方で調査した結果では、該当する外郭団体(公団等)はなかった。なお、要領にも明記されているとおり、建設現場における受入検査等については、当品質審査証明・事業の有無に関わらず発注者の仕様に基づいて行われるものである。