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市場開放問題苦情処理推進会議第6回報告書(平成12年3月16日) [本部決定] [フォローアップ]

3-(6) トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会報告

○ 所管省庁:経済企画庁

○ 問題の背景

(1) けん引式の大型トレーラーハウスは、我が国においてあまり普及していないことから、法的位置付けが明確ではない。車輪等を有しており道路上を移動することが可能であることからこれを「自動車」とみなす考え方や、一定期間定着して使用されることから「建築物」とみなす考え方がある。このうち自動車としての取扱いに関しては、道路運送車両法において規定されている。一方、建築物としての取扱いに関しては、既に、トレーラーハウスのうち、規模、形態、設置状況等から判断して、随時かつ任意に移動できるものは、建築基準法に規定する建築物には該当しない旨、平成9年3月、建設省通達により周知された。

(2) 平成10年のこれまでのOTO案件の総点検を行う過程で、上記通達の発出は評価されるものの、それだけでは、トレーラーハウスの設置場所と設置目的に関する位置付けの解釈が、依然として事業者や担当者の間で異なり、法の適用等について現場で争いが生じるとの指摘がなされた。

(3) これを踏まえ、平成10年12月のOTO対策本部決定により、検討会を設置して平成11年中にOTO推進会議に対し報告を行うことが決定された。平成11年2月、OTO関係省庁において「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」が設置され、平成11年12月、OTO推進会議に対する報告が行われた。

○ 報告の内容

(1) 検討会において緊急に対処すべきとされたのは、トレーラーハウスはキャンプ場において、全て建築物となるか否かという問題であった。現行法制下では、トレーラーハウス自体は即座に建築物とみなされるわけではなく、その利用形態等によって、識別される。

(2) トレーラーハウスに関する建設省通達の運用上において生じた混乱は、都市計画法における市街化区域において、通常の「建築物」の場合ならば用途地域による制限が生じる用途に、「キャンプ場で利用されるトレーラーハウスは建築物ではない」との論拠で、当該用途に供そうとした事業者が存在したことが発端となっている。

(3) 市街化区域内において、トレーラーハウス等を利用して各種業務を行う場合には、それが許される用途地域において、建築物として建築確認をとった上で、各種業務を行うべきである。「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」報告書を、地方公共団体をはじめトレーラーハウス等の関連団体等に対し送付等を行うことにより、トレーラーハウスに関する建設省通達の趣旨を、再度、周知徹底する。

(4) 今回の調査の結果、「我が国においては、トレーラーハウス等の使用例は比較的少数にとどまっている」ことが明らかとなり、新法制定等は時期尚早であって、当面は既存法の枠内で対応することが適当である。 (5) 我が国では平成10年現在、宿泊施設を持ったRVの保有台数はまだ約23万台であり(米国では1998年現在、年間約45万台のRVを出荷)、そのほとんどが自走式RVである。国内にあるキャンピングトレーラーのうちの最近は殆どが輸入されたものである。日本では、15歳以上のオートキャンプの参加率は、全人口の約6%であり少なく(米国では推定年間約5,280万人が参加)、年間の延べ宿泊数は平均1.6日とかなり短い(米国は約10日)。また、オートキャンプは90年代以降急速に普及・拡大したが、キャンプスタイルとしては、“車+テント”が主流である。

(6) 「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」については、引き続き存続させることとし、今後も必要に応じて、OTO推進会議に対し、その検討内容について報告する。

○ 検討結果

新しい製品に係る既存法令の適用については、常にグレーゾーンがあるものであり、トレーラーハウスを利用したキャンプに関する、現時点においては予測し得ないトラブルが、今後、発生する可能性は否定できない。当面は、トレーラーハウスについて新規の立法や公的な基準等の制定は時期尚早であるかもしれないが、トレーラーハウスに関する法的研究は引き続き行われるべきである。

以上を踏まえ、所管省庁においては、トレーラーハウスに関する建設省通達の運用の段階における混乱を未然に防止するとともに、今後、トレーラーハウス市場の健全な発展を図り、輸入が促進されるような環境を整えるため、以下の対応を取るべきである。

「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」報告書は、地方公共団体をはじめトレーラーハウス等の関係団体等に送付したとのことであるが、今後も必要に応じ送付する等、再度、周知徹底を図り、引き続きトレーラーハウスに関する建設省通達の運用の段階における混乱を未然に防止することに努めるべきである。また、本検討会は、引き続きOTO対策本部関係省庁連絡調整会議において存続させることとし、今後も、必要に応じてOTO推進会議に対し、その検討内容について報告すべきである。


OTO対策本部決定(平成12年3月21日) [報告書] [フォローアップ]

3-(6) トレーラーハウス等の規制のあり方

トレーラーハウスに関する建設省通達の運用の段階における混乱を未然に防止するとともに、今後、トレーラーハウス市場の健全な発展を図り、輸入が促進されるような環境を整えるため、以下の対応を取る。

・「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」報告書は、今後も必要に応じ地方公共団体をはじめトレーラーハウス等の関係団体等に送付する等、周知徹底を図る。また、本検討会は、引き続きOTO対策本部関係省庁連絡調整会議において存続させることとし、今後も、必要に応じてOTO推進会議に対し、その検討内容について報告する。


フォローアップ(平成12年12月7日) [報告書] [本部決定]

3-(6) トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会報告

「トレーラーハウス等の規制のあり方に関する検討会」報告書を、必要に応じて報道関係者、トレーラーハウス輸入業者、商工会議所等の関係者に送付した。また、OTOのホームページに上記報告書を掲載した。