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市場開放問題苦情処理推進会議第6回報告書(平成12年3月16日)

7-(7) 特恵関税の運用の改善

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:大蔵省

○ 問題提起内容

特恵関税率が適用される毎年度の数量枠には限度があるため、年度末に近い時期には数量枠が満了していて商品によっては特恵関税が適用されないケースも多い。具体的には、パーティクルボードなどの建築用の内装・仕上げ材であるが、建設業においては年度末が工期末となることが多く、こうした建材の需要は工期末に近い時期に多く発生する一方、年度末の時期には特恵関税が適用される毎年度の数量枠が満了していて特恵関税が適用されない。

こうした建築用の建材については、特恵関税の数量枠が年度末においても残存するよう、枠の運用方式を改善すべきである。

○ 所管省庁における対処方針

建築用の建材については、特恵関税の数量枠(建材に関しては限度額を指しているものと思われる。)が年度末においても残存するよう枠の運用方式を改善すべきであるとの問題提起内容であることから、年度途中で特恵税率の適用を受けることができなくなる日別又は月別管理品目であると予想される。これらの品目は、年度末においてもその年度における輸入額が限度額を超えていなければ特恵税率を適用することはできること及び限度額を超えても一定期間は特恵税率を適用した輸入申告等が可能であるとのメリットがある。

問題提起のように年度末においても枠が残存する(限度額を超えない)運用方式としては、事前割当方式があり、これは、割当てを受けた者がその限度額の範囲内で計画的に特恵税率の適用を受けて輸入することができることとなる。しかしながら、本方式は、年度中における特恵税率の適用額の累計が限度額を超えることはありえないことから、年度を通じての特恵税率の適用額は、日別又は月別管理方式をとる場合に比し、結果として少ないものになってしまうこととなる。

また、事前割当方式は、構造改善に関する事業を推進している本邦の産業において生産される物品と同種の物品で特恵税率を適用することにより当該産業の構造改善に関する事業等に支障を及ぼすおそれがあるものに限定してその対象としているものである。

以上のことから、現状の日別又は月別管理方式が輸入者にとっては有利なものであると考えられる。

なお、本問題提起においては特に言及されていないが、限度額を拡大又は撤廃するとした場合には、物資所管官庁との調整が必要である。

(備考)
問題提起者は当面この対処方針で了解。