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市場開放問題苦情処理推進会議第7回報告書(平成14年3月18日) [本部決定]

1-(2) 食品検査機関の民間への開放

○ 問題提起者:名古屋商工会議所

○ 所管省庁:厚生労働省

○ 問題の背景

 食品衛生法第15条3項の規定により、厚生労働大臣は、輸入届出された食品等のうち、生産地の事情その他の事情からみて、食品衛生法違反のおそれがあると認められる食品等に対し、厚生労働大臣が指定した検査機関の行う検査を受けるよう輸入者に命ずることができる。
 検査命令を受けると、輸入者は自ら費用を負担して、指定検査機関で検査を受けなければならない。検査結果は、厚生労働大臣を経由して輸入者に通知され、その結果、輸入者は当該食品等を輸入することが可能となる。
 検査手数料は、食品衛生法第15条6項の規定により、政令で定める額(検査の項目ごとに14万9,400円)を超えない範囲内において、指定検査機関が厚生労働大臣の認可を受けて定める額となっている。また、指定検査機関は、食品衛生法第19条の4の規定により、民法第34条の規定により設立された法人(社団法人及び財団法人)に限定されている。

○ 問題提起内容

 検疫所から輸入食品の検査を求められた場合、厚生労働省の指定検査機関に依頼して検査を受けなければならないが、この指定検査機関は社団法人または財団法人に限られている。
 指定検査機関は民間の参入が制限されているため競争原理が働いておらず、例えば検査にかかる期間や費用が検査前に提示されないなどサービスが低水準であり、また検査費用も高い。
したがって社団法人及び財団法人以外の民間を含む検査機関も指定検査機関として認めるべきである。
 また、本件については、平成12年3月のOTO対策本部決定に基づき、公益法人以外の民間検査機関についても食品衛生法上の検査機関の指定対象とすることも含めた検査機関の在り方等について厚生労働省において検討が進められていると承知しているが、その検討状況を併せて御教示いただきたい。

○ 検討結果

 平成12年3月のOTO対策本部決定においては、民間の検査機関を食品衛生法上の指定対象とすることについて、平成12年中に結論を得ることになっていた。しかし、平成14年2月現在においても、公益法人要件の撤廃という方向性は得られたものの、今後の対応については、抽象的であり、かつ具体性に欠けている。早急に民間の検査機関を参入させる措置を講じることにより、検査機関間の競争を促し、検査料金の低廉化、検査期間の短縮など検査サービスの質の向上を図るべきである。

 以上を踏まえ、所管省においては、食品衛生法の指定検査機関について、以下の対応を取るべきである。

 食品衛生法上の指定検査機関を民間にも開放するように、法律改正等必要な措置について具体的な内容を明らかにし、法律改正について、できる限り今国会中に、遅くとも次期国会では提案することを目指すべきである。


OTO対策本部決定(平成14年3月20日) [報告書]

1-(2) 食品検査機関の民間への開放

食品衛生法の指定検査機関に関し、以下の対応を取る。

ア 食品衛生法上の指定検査機関を民間にも開放するように、法律改正等必要な措置について具体的な内容を明らかにし、法律改正について、できる限り今国会中に、遅くとも次期国会では提案することを目指す。

なお、これについては、3月末閣議決定予定の行政委託型公益法人等改革の実施計画を踏まえたうえで、適切に対応する。