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市場開放問題苦情処理推進会議第7回報告書(平成14年3月18日)

7-(9) OEM供給品の輸入時の申請に係る提出書類に関する告示及び様式の定型化

○ 問題提起者:東京商工会議所

○ 所管省庁:財務省

○ 問題提起内容

ブランド品をOEM供給しているが、海外工場において生産した品物を輸入する際に、輸入品は、ブランド名を有する得意先に販売、納入する旨の誓約書、また、納入先からの同意書の写し、をその都度税関に提出することになっている。

このような手続が周知されていないため、同意書を得意先から提出してもらう際、理解を得ることが難しく、時間も要する。このため、税関はOEM供給品の輸入時の申請に係る手続を告示などを通じて誰にでもわかる形で明らかにするとともに、周知徹底を図るべきである。さらに、負担軽減の観点からOEM供給品の輸入時の申請に係る提出書類である誓約書、同意書の様式を定型化すべきである。

○ 所管省庁における対処方針

1.商標権等の知的財産権を侵害する物品は、関税定率法第21条第1項第5号により、輸入禁制品と規定されており、税関は輸入申告に際して、申告された貨物が商標権等を侵害すると思料するときは、当該貨物が商標権等を侵害する物品に該当するか否かを判断するための認定手続を開始するとともに、権利者及び当該貨物を輸入しようとする者の双方にその旨を通知し、証拠の提出及び意見を述べる機会を与えることとしている。

2.本件について、認定手続に移行すると通関に時間がかかるため、OEM貨物の輸入申告に際してあらかじめ申告貨物が真正品であることを証明する書類が添付してあるときは、税関は当該書類を参考に認定手続を行うことなく、輸入を許可することがある。なお、この書類はあくまでも任意に提出するものである。

3.本件について、任意に提出される種類はいずれの場合も定型のものはなく、申告貨物が真正品であることを証明するものであればよいこととされている。具体的には、権利者、正規ライセンシー等からの受(発)注書、契約書等の写しや権利者からの輸入同意書などがある。

4.輸入申告の際にあらかじめ輸入者が税関に申請品であることを証明する書類の提出は、基本的には、輸入者の判断で輸入申告後に税関が認定手続を開始することを回避するために任意に行われるものである。当該書類は、必ずしも輸入申告に際して税関に提出する必要のある書類ではなく、仮に当該書類の提出があっても権利侵害の疑いがある場合には税関は認定手続を開始することになる。したがって、当該書類は、輸入しようとする貨物の商品説明の一形態であり、特定の書類が提出されれば自動的に税関は認定手続を開始せずに輸入を許可するという性格を有するものではない。

5.また、仮に様式の定型化等を行ったとしても、税関が当該様式以外の書類を受け付けないとすれば、こうした措置は不必要に規制を強化することにもつながることから、自由な様式を認めることにより、提出書類を幅広く受け付ける方が合理的ではないかと考えられる。

(現在の検討状況)
問題提起者は当面この対処方針で了解。