平成13年9月10日(月)14:00〜15:40
合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
宮内義彦議長、飯田亮議長代理、生田正治、奥谷禮子、河野栄子、佐々木かをり、鈴木良男、高原慶一朗、村山利栄、森稔、八代尚宏、米澤明憲の各委員
石原規制改革担当大臣、渡辺内閣府大臣政務官
[内閣府]坂政策統括官、岡本審議官、梅村審議官、竹内審議官、磯部審議官、吉原総合規制改革会議事務室長、長屋総合規制改革会議事務室次長
「改革工程表」について
自由討議
その他
当日の朝開いた主査会議でのご意見も踏まえ、以下の趣旨を発言した。中間とりまとめとしてまとめたものをすべて改革工程表にのせ実行すべきというのが我々の立場。規制改革は政府の最優先課題であり、重点6分野は相対的に改革が遅れてきたが、雇用や需要の拡大に効果が大きい分野。早期にできそうな、各省と調整がついたもの、つきそうなものを中心に説明。6分野以外の新たな分野(IT等)を含め、年内に意見をとりまとめ、民間でできることは民間に任せるという原則に沿った改革の実を挙げるという話をした。
その後、塩川財務大臣からは産業界が待望しているので是非早く取り組んでほしいと、民間議員の牛尾議員からは雇用拡大のため医療から教育までの4分野については関係省が速やかに取り組むことが大事で、そのため閣議等にのせる進行を考えてほしいとの発言があった。私も成案を得ているものについては前倒しをして閣議決定をしてほしいと発言し、ご理解を得た。
規制改革会議としての考え方を直接小泉総理大臣に申し上げる機会が今日明日に設けられる。そのなかで、再度、中間とりまとめを最大限尊重すること、実施をできるだけ前倒しすること(例えば原則1年間前倒し等)、あるいは重点6分野以外についても本会議で積極的に検討するので、それらについても閣議決定等へ持っていくことを直接お願いしたい。
6月26日に経済財政諮問会議の基本方針が閣議決定されたが、その具体的なフォローアップについて各省に対して8月末からヒアリングが行われ、各省において検討がなされている。そのヒアリングを受けて、先週金曜日(9月7日)の閣議にて総理より以下のような指示があった。
国民にわかりやすい形で「改革工程表」を明らかにする。
補正予算で措置する事項を含め先行改革事項を「改革先行プログラム」としてとりまとめる。
補正予算の編成について準備を進める。
また、明日(9月11日)の経済財政諮問会議の議論も受けて、今週金曜日(9月14日)に改めて総理より以下のような具体的指示がある。
公共投資等による単なる需要追加策は厳に排し、(1)産業・チャレンジャーなど雇用を生み出す制度改革、(2)セーフティネットの充実策、(3)構造改革を加速させる緊急性の高い施策、に絞り込む。
これを受けて、今後、補正予算が決まる10月の中下旬までに各省が検討する。
(●は質問・意見、→は回答。以下同様)
9月末から10月にかけて、中間とりまとめに関連の深い団体からのヒアリング、一般的な意見・要望のヒアリング。その後、大きな流れとしては、会議としての意見をとりまとめ、今年度末までに政府としての3か年計画の改定につなげる。重点6分野については、各WGにおいて更に各省と詰めてもらう。重点6分野以外の3か年計画のフォローアップについては、必要に応じて新規の重点分野について焦点を当て、それ以外のものについては、統一的なフォーマットに基づき年末現在のデータで年明けに作業をしたい。
● スピードが遅すぎるのでは。改革先行プログラムだけでも早くできないか。
→ もちろんできるものは先にやる。改革先行プログラムは補正予算とリンクしており、10月中旬に出来上がる。
● 雇用創出につながるものは一覧表にでもして直ぐやればいいのでは。
→ 改革先行プログラムに係る検討においても雇用対策は重要であり、中間とりまとめのなかでも雇用創出につながるものは特に早くやるべきであると働きかける。14日の総理からの指示も同様の内容となるよう大臣からもお願いしていただく。
● 中間とりまとめとしてまとめたが、直ぐには役に立たない上滑りのものではだめである。具体的に役に立つものとなるよう強力に注文をつけないといけない。
● スケジュール表を変更して、重点6分野のうちできるものは早くやるということを明記してほしい。また、各省との合意内容が漠然としており、羊頭狗肉の策がでてくる可能性もあるので、具体的なフォローの仕方も盛り込み、担当主査との連絡を密にしてもらいたい。
● まとまるものは早くまとめるのは当然だが、まとまらないものはどうなるのかという点が欠落しているので皆が疑心暗鬼になっているのでは。
→ できるだけ各省と議論をしできるだけ成案を得るということに尽きる。我々としては、出したものは言いっぱなしに終わらせず、ぎりぎり枝葉は少し我慢しても幹の部分は実行させるよう努力するということ。総理に再度申し上げるという話も皆様からのご指摘を踏まえたうえでの努力の形であるので、どうかご理解を。
● IT、エネルギー、運輸、その他について。
通信分野の最も大きな問題はNTTの在り方。昨年度の見解で明確な方向を出したが、最後にIT戦略本部が出てきて政治的な決着となり不満。NTT各社間の競争を促進するため、資本関係の完全分離又は持ち株会社の廃止、支配的事業者規制が必要。また、電力事業についても同様の問題があるが、ハード、ソフトの分離も検討すべき。先日竹中大臣が出席された際に、IT戦略本部と当会議とどちらでやるのかと質問したが、この6か月議論が途絶えていることから、基本方向を明確にしてほしい。
電力線で大容量の通信が可能となる方式の技術的可能性が検討されつつあるが、電柱・管路の開放等公正有効競争を確保できるよう検討すべき。
放送分野については、デジタル放送時代においては、地上波にいたるまでNHKの受信料を契約料システムにすべき。公共放送としてNHKが担うべき役割等を明確化すべき。
通信と放送の融合については、ハード、ソフトを分離するのかどうかという基本的な問題がある。
周波数については、低利用周波数帯の返還手続、オークション制度導入を含む割当方式の再検討等により有効活用を図るべき。周波数利用の柔軟化として、通信と放送共用免許などについても検討すべき。
郵便事業の民間開放の問題は、規制中の規制である。総務省で議論される問題かもしれないが、当事者が開放ルールを作るのは如何なものか。他の検討機関との関係をどう考えるべきか。
エネルギーについては、電力自由化は超高圧で止まり3分の1の効果しかない。更なる自由化のために実施状況のチェックと促進策が必要。ガスにおける競争促進策等も必要。
運輸分野については、需給調整規制廃止後の効果の検証、タクシー分野での緊急調整措置の内容の適否等、混雑空港での離発着枠配分における新規参入者に対する優先措置の拡大等が必要。
法務関係については、司法制度改革推進本部における実施作業の監視、資格関係については、3か年計画の実施状況の監視、競争政策については、公正取引委員会の在り方の検討、競争政策改革の実施状況の監視が必要。
● 分野横断的な改革として、(1)公共サービス供給面における民間活用のための政策手段の多様化、(2)社会的セーフティーネットの再構築、(3)市場機能を守るために必要な規制の構築という三つの側面から検討することが必要。
● 改革工程表と改革先行プログラムについて、中間とりまとめをアドホックに取り上げても国民も株式市場も納得しない。中間とりまとめ以外の項目についても10月までに各省庁と更に協議して具体的施策としてまとめ上げたほうが良いのでは。
● 中間とりまとめはそれなりに各省とやった結果のもの。そのまま盛り込んで欲しい。大臣と議長の腕力に期待。
→ 同様の趣旨を総理に申し上げる。できるだけ努力していく。また、IT関連の規制、制度、競争政策については、IT戦略本部としても当会議と連携をとる方針と思う。担当の竹中大臣に協力する旨申し上げ、IT戦略本部の意向を伺いたい。
● 参考資料の議事概要には、事前に委員のチェックが必要。
→ スケジュールについてはのんびりしているとの誤解を与えないよう注意して外部に出す。
第8回9月18日、第9回9月20日、第10回10月1日と関係団体等からヒアリングを行う。第8回、第9回は中間とりまとめに対する意見聴取で、記者を入れての公開ヒアリングとする。
● 専門委員もヒアリングに参加できるのか。
→ できる限り参加していただきたい。
以上
(文責 総合規制改革会議事務室)