'01.11.05
医療WG
経済社会環境の大きな変化の中、「真に国民の求める医療制度」の構築が求められる。
そのため、医療の質の向上を図りつつ最大限効率化し、患者本位の医療サービスの実現を目指すこと、患者自身の選択がより尊重される環境を整備し患者にとって満足度の高い医療サービスを出来る限り低いコストで提供できる体制を整備することに資する規制改革を推進する。
医療・医療機関に関する徹底的な情報公開
医療事務の効率化(IT化の推進)
レセプトの原則電子化 等
保険者の本来機能の発揮
直接審査 等
医療の標準化と質の向上
EBM、医療の標準化 等
診療報酬体系
定額払い制度、決定方法 等
医療分野における経営の近代化・効率化
経営に関する規制の見直し 等
その他
中間とりまとめ以降、各関係団体・有識者等へのヒアリングをおこない、最終とりまとめの作成に向けた検討を実施。(日本医師会、四病院団体協議会、日本看護協会、健保連、国保中央会等全10団体及び有識者へのヒアリング実施済)
現在最終とりまとめの案文作成に着手。
八代尚宏
介護・保育等の福祉分野では、高齢化の進展や働く女性の増加という社会環境の変化のなかで、今後、急速に増大する利用者のニーズに対応した供給増加を可能とするような制度改革が求められている。また、同時に、介護や保育サービスの利用者が、低所得層以外にもいっそう広がるとともに、施設における居住環境の改善を含むサービスの質の向上やその多様化も大きな課題。
介護保険の設立や社会福祉法の成立により、行政が必要なサービスを国民に「措置」として与えていた公的福祉は、事業者と利用者との間の「契約」を基本として、利用者の自由な選択に基づくものへと制度上は改革された。しかし、新しい仕組みと旧い措置時代の制度が混在しているなかで、さまざまな矛盾が生じている。公立・社会福祉法人立の介護・保育施設と民間施設との間では、ストックやフロー面の公的助成の格差が大きく、対等な立場での競争が妨げられているだけでなく、それらの利用者間で自己負担の大幅な格差が生じている。とくに、規制に縛られた公立施設の高コスト構造から、限られた予算の制約の下では、サービスの量と質の両面での供給制約はいぜんとして著しい。
政府が事業者の行動を厳しく規制することの代償として大幅な公的助成を行う現行の福祉制度を、情報公開・第三者評価の拡充を進めるとともに、事業者の経営主体の違いに基づく補助金格差を縮小させ、公私の事業者の対等な立場での競争を促進させることで、利用者の選択肢を拡大させる方向での改革が必要。
在宅介護分野では、民間企業を含む多様な事業主体の参入が広く認められたが、特別養護老人ホーム等の施設介護分野では、類似の介護サービスを提供する民間施設について、介護報酬や施設整備費補助の面での格差が残っており、利用者負担の著しい格差をもたらしている。
これに対して、(1)特別養護老人ホームのホテルコスト分の受益者負担徴収(低所得層には別途の配慮)、(2)PFIを通じた公設民営の促進により民間事業者の資本費用の軽減、(3)介護報酬からの資本費用調達、等の多様な面から、利用者負担の均衡化策を検討。
保育行政に関しては、公的な認可基準を満たした保育所には、運営費の大部分が公的に補助されているものの、とくに公立保育所の運営コストは著しく大きい。他方、都市部における保育サービスの供給は制約されており、認可保育所と公的助成なしに受益者負担のみに依存する認可外保育所との間のサービスの質と利用者負担には大幅な格差が存在。
現在、「営業の自由」の下で放置されている認可外保育所における乳幼児など社会的弱者の安全や人権を守るためには、少なくとも現行の指導監督基準に基づく実質的な最低規制を徹底化する必要。そのため、新たに営業を開始する事業者には、市町村の設置許可等が必要。一方で、多様な民間企業の活用を困難としている規制を撤廃し、公設民営の積極的な活用などを通じた質の高い保育所の量的拡大を図ることが必要。
現在の認可施設に補助する公的助成の仕組みを、長期的に利用者に直接補助する仕組みに変換していくことを検討するとともに、当面は事業者と利用者との契約に基づく、在宅も含めた多様な保育サービスの拡充を図る必要がある。これは、実質的な利用者補助の制度である介護報酬や15年度からの障害者支援費等の実現をふまえて、同様な考え方を児童福祉分野にも適用することの検討。
介護保険制度の下で、福祉分野への企業参入と対等な競争を実現するためには、既存の社会福祉法人の運営に対する過度の規制の緩和が必要。例えば、社会福祉法人の情報公開の促進を前提として、剰余金の使途制限や、社会福祉事業と公益事業間の資金移動、および同一法人が経営する複数の施設間での運営費の繰り入れ等の原則自由化。
とくに介護保険事業による運営を基本とし、介護報酬によって存立する社会福祉法人については、従来の公費に全面的に依存した社会福祉法人と比べて、より弾力的な規制の在り方が必要。
措置制度時代に、市町村の行政部門と一体となって、地域の在宅福祉サービスに大きな役割を果たしてきた社会福祉協議会と介護保険設立後に参入した民間事業者との間には、対等な競争条件は成立していない。社会福祉協議会はサービス事業者よりも、その本来の役割である権利擁護に重点。
特別養護老人ホームの個室化と対応して、類似の介護施設である老人保健施設や療養型病床群についても居住条件の改善が必要。また、医療保険と介護保険が重複して適用されるサービスについては、その範囲を明確に示すべき。
介護職の業務範囲等の見直し、とくに訪問介護について、介護福祉士やホームヘルパーが行える医療類似行為の範囲や、登録の更新制度等、介護職の資質向上を図る措置。
保育士の国家資格化や短時間勤務の保育士配置の弾力化。
平成13年11月5日
清家 篤
能力開発プログラムの見直し
職業紹介規制の見直し
募集・採用における制限の緩和・差別撤廃
派遣労働者に関する規制の見直し
有期労働契約に関する規制の見直し
労働基準法等のありかたの見直し
社会保険制度等のありかたの見直し
雇用労働以外の働き方に関する雇用政策のありかたの見直し
「中間取りまとめ」以降の各種団体等からの要望を確認、厚労省に検討要請。
「3ヵ年計画」(13年3月)、「中間取りまとめ」、「工程表」に記載された内容の進捗状況を厚労省よりヒアリング。
1.の内容についての専門委員による専門的調査検討。
3. で行った専門委員からの調査検討結果をうけて、WGとしての報告案についての議論。
「中間取りまとめ」でつめた内容を基本に、「3ヵ年計画」、「工程表」に記載された項目も含めて規制改革が着実に進展するよう厚労省と折衝するとともに、各種団体等からの要望の中で実現できるものも含めて「最終意見」を作成する。
以上
2001年11月5日
主査 米澤明憲
「中間とりまとめ」で論点となった以下9つのテーマに関し、委員・専門委員で分担し、週1回のペースでWGを開き集中討議の上、論点整理ペーパーを作成した。
5月から累計13回WGを実施。
11月以降関係団体ヒアリング、文部科学省他関係省庁と折衝予定。
(1−1)大学の設置認可の準則主義化
ア 大学の設置等にかかる認可に対する抑制方針の撤廃
イ 大学の設置等における校地面積基準、自己所有比率規制の廃止
ウ 工業(場)等制限制度等における大学等に対する規制の廃止
(1−2)第三者による継続的な評価認証(アクレディテーション)制度の導入
(1−3)学生に対するセーフティネットの整備
(2−1)学部におけるダブルメジャー制度の導入
(2−2)パートタイム学生制度の創設
(2−3)社会人教育控除制度の創設
(3−1)競争的研究資金の拡充と国立大学における教官積算校費の廃止
(3−2)大学における教員評価の導入
(3−3)国立大学法人(仮称)における教職員の非公務員型の選択
(3−4)奨学金制度の整備充実と学習支援体制
(4−1)コミュニティスクールの設置に向けた法制度整備
(4−2)現行法下のコミュニティスクール「モデル校」の実践
(6−1)学校選択制度に導入推進
ア 保護者や児童生徒の希望に基づく就学校の推進
イ 学区外就学への変更要件の明確化
(6−2)学校運営の改革と情報発信の推進
ア 校長による教員配置に関する具申の義務化
イ 各学校における自己点検制度の徹底と公表
ウ 学校や教員による情報発信の推進
以上
平成13年11月5日
土壌汚染につき、調査手続き・浄化責任・費用負担の明確化のための立法措置が必要
京都議定書の批准に向けた総合対策の樹立が必要。天然ガスパイプラインの普及が必要
企業による自主的取組(環境会計・環境報告)の普及・推進が必要
都市環境の改善のため、ヒートアイランド現象の解消・緩和が必要
自然との共生を目指す国家戦略を策定する必要
都市における環境アセスメントのうち、事業者に過大な負担となっているものがあるのではないか
土壌汚染地の調査・浄化の義務者、費用負担等
温暖化防止のための総合対策。天然ガスパイプライン普及のための規制見直し
企業の自主的取組へのインセンティブの付与、外部監査のあり方
ヒートアイランド対策実施体制の確立
自然との共生を目指す国家戦略
地方規制との関係
委員・専門委員からの報告プレゼンテーションをもとに、WG内で議論。WGとしての意見のとりまとめ。
随時関係省庁からのヒヤリングを実施し、最終案に向けてとりまとめ中。
平成13年11月5日
村山利栄
関係団体(経団連、不動産協会、全宅連、不動産流通経営協会等)からのヒアリングを実施し、具体的要望について精査。
関係省庁(国土交通省、法務省、総務省)からのヒアリングを実施し、「中間取りまとめ」以降の検討状況の把握、論点の明確化を図るとともに、具体的方向性を示す形で検討を依頼。
意見取りまとめに向け、検討項目ごとに担当を決定し、案文作成作業を開始。
不動産市場の透明性の確保
不動産関連情報の開示
不動産鑑定手法の見直し
透明かつ公平な媒介契約の在り方の検討
借家制度の更なる改善
現行短期賃貸借制度の廃止
地籍調査の積極的推進
都市に係る各種制度の見直し
集団規定の性能規定化の検討
容積率に係る制度の合理化
多様な主体がまちづくりに参画できる仕組みの導入
合意形成ルールの明確化等による市街地再開発事業等の迅速化
市街地再開発事業の施行区域要件の見直し
公共用地取得の積極的推進
指導要綱行政の見直し
道路占用・使用許可の運用改善の検討
ピークロードプライシング導入による交通渋滞・通勤混雑の緩和
マンション建替えの円滑化
区分所有法の建替え要件の見直し
再建建物への権利の円滑な移行のための制度の導入等による建替えの円滑化
既存不適格マンションの建替えの円滑化
中古住宅市場の整備
中古住宅の検査制度、性能表示制度の整備
マンションの維持管理等に係る履歴情報の第三者機関への登録
その他
工場等制限制度の在り方についての抜本的見直し
都市の将来像に関するグランドデザインの策定 等
関係省庁ヒアリングを引き続き精力的に行い、具体的方向性について合意に至っていない項目等について、更なる議論及び検討の要請を行うとともに、意見取りまとめに向けて案文審議を行う予定。
以上