第12回総合規制改革会議 議事概要

1. 日時

平成13年11月5日(月)17:00〜19:40

2. 場所

合同庁舎4号館共用第1特別会議室

3. 出席者
(委員)

宮内義彦議長、生田正治、奥谷禮子、佐々木かをり、鈴木良男、清家篤、高原慶一朗、八田達夫、村山利栄、森稔、八代尚宏、米澤明憲の各委員

(政府)

渡辺大臣政務官

(事務局)

[内閣府]坂政策統括官、岡本審議官、梅村審議官、竹内審議官、磯部審議官、吉原事務室長、長屋事務室次長


議事次第

  1. 重点6分野の検討状況について

  2. 意見のとりまとめ方針について

  3. その他


議事概要

1.重点6分野の検討状況について

各分野についてそれぞれ報告(資料参照)があった後、質疑応答。○は質問・意見、●は回答

<医療>

―質疑―

意見なし

<福祉・保育等>

―質疑―

意見なし

<人材(労働)>

―質疑―

○ 募集・採用における制限の緩和撤廃に関して、公務員の初級・中級レベルにおける採用の年齢制限、例えば子育ての終わった能力のある女性の中途採用等の撤廃ついては検討したか。

● 検討した。中間とりまとめの素案段階で入っていたが、総務省人事局、人事院からの意見で最終的になお検討する課題ということになり、載せられなかった。記憶が定かではないが、初級、中級職については、一般の企業と同じように、新卒で採用し、中でスキルアップしていくという方針であると聞いた気がする。公務員がそういうことを率先してやるべきことは同意見。社会保険制度等のところも、配偶者の手当等の制度についての見直しも民間部門で進められているので、今後、男女雇用参画の中で公務員についても進めるべきと考えたが、総務省人事局、人事院からは反対があった。こういう点については公務員から率先して、変えていくべきとは個人的に思っている。

<教育>

―質疑―

○ セーフティネットの整備について、これから少子化等、競争によって学校がつぶれる可能性があるため、学生に対して整備するのはもっともであるが、それ以前に、教員のセーフティネットの整備ができていない。前の規制改革委員会で取り上げていたが、大学の私学の教員が雇用保険に入っていないという理不尽な話がある。厚生労働省は入れようとしているが、文部科学省はお金がかかるとして反対している。セーフティネット論として絡めて議論してもらいたい。反論として、退職金を積み増ししているからとは言うが、現在の雇用保険のカバー範囲は訓練給付制度等他にもある。学部におけるダブルメジャー制度はいいが、学部学科設置の自由化も必要であり、それが出来れば、自然とそういうことが可能となる。

● 学部学科設置の自由化については、大学設置認可の準則化の中に入る予定である。雇用については、私も存じ上げないので勉強させていただきたい。

● 私学教員の雇用保険の問題は、人材のWGの中間とりまとめで取り上げている。

○ 「小中学校の設置基準の明確化と要件緩和による私立学校参入促進」とあるが、「小中学校の設置基準の要件の緩和の明確化」とするべき。今、公立学校の1/3が学級崩壊で適切な授業が行われていないといわれる中で、私立を大いに作って競争的な状況を作っていくことが重要。私立学校が小学校で1%、中学校で3%にしか満たないことが続いている不思議さを何とかしたい。このレベルでは足りない。抵抗が厳しいのではなく、何とかすることが大事である。

● 当然、要件緩和を提言する。一部、項目の表題が違っているかもしれない。文部科学省は、明確化はするといっているので、当方は要件の緩和を主張していく。

<環境>

―質疑―

○ ダイオキシンの話があったが、食品の安全性については、環境分野に入るのか。

● 理由がつけば取り扱って良いが、6分野に無理にこだわる必要はなく、その他分野で取り上げればいいのではないか。

<都市再生>

○ ヒートアイランドについて歯止めをかけるべき時期にきている。環境アセスも合理化し、土地の流動化に役に立たせるべき。環境WGで関係団体等と打ち合わせると、結局ネックになっているのは、広域の都市計画・マスタープランがないという点である。本来あるべき、諸外国に多く見られるグランドデザインがない。緑地帯に関する考え方、東京で言えば区単位くらいの問題だが、そういうところに関係省庁の思いが至っていない。そういう方向に持っていって、その大きなフレームワークの中で、個別事項に持っていければ効果も大きいし効率化もできる。都市再生と接点の問題であるが、取り上げていただければありがたい。

● 是非、都市再生でも検討したい。アセスの問題については、アセスプロパーの問題もあるが、都市計画できちんと対応することによって、合理的に緑化を図ることで解決できることが非常に多い。

● 環境アセスに関しては、指導要綱行政とも関係してくる。国の分は大きいので関係してこないが、都道府県の環境アセス規定が非常に細かく、指導行政に深く関わっている面がある。

○ 今の説明の税の議論だが、どうしてか。規制緩和委員会から規制改革委員会に格上げされるとき、補助金行政も議論して欲しいということがあった。税は、国家の収入を得るためだけではなく、色々な意味で規制的なものになっている。エネルギーのC重油課税は実質上の輸入禁止課税になっており、規制そのものである。過去は、なかったから取り上げなかったのであり、もし、あるのであれば積極的に取り上げるべきである。

○ 同意見。中間とりまとめで、例えば、事業所税の撤廃も書きたかった。税のことを書けば、閣議決定時に影響があるやに聞いている。税を抜かすと画竜点睛を欠くことになりかねないと危惧している。

● ご発言の例のような全く禁止になっているというものは、たしかに規制の問題であるが、税の問題に関しては、総理の諮問機関として税制調査会がある。税そのものを論ずるのはこちらの仕事ではない。ただ、規制改革の見地から税の話が必然的にでてくるのは、説明としては書けると思うが、我々のマンデートは規制であって税ではない。

○ 環境に関しては、環境税をやらないと進まないのがでてくる。規制改革に対して、どうしても税の部分が必要だということは言っていいわけですね。

○ 税金という経済手法をうまく使わなければ国はうまく動かせない。規制改革との関係で税を使うことについてペンディングとなると何もできない。何%の税を導入しろということは言えなくても、経済的手法が必要で、税を導入するという方向性も示すなと言われると困る。審議会ごとに方向性が多少違っても良いと思う。自分の与えられた問題について、それが必要であればそれは言うべきだし、言わせて貰いたい。

○ 税調があるからといっていたら、かえって税調自体が世間のニーズを把握できないのではないか。税が解決されることが期待されると書けば、税調がそれを視野にいれて、税調自身のノウハウが増えるのではないか。

● 実際に、それぞれいろんなところで審議会・諮問委員会が行われている。例えば、都市再生について都市再生本部、環境についても循環型経済社会に関する専門調査会があるように、それぞれ関係する。当会議でやっていることは他の会議でやっていることとも重なっているので、当会議では規制改革の視点からやるべきである。ご指摘のあった、関わってくる税についても議論はあってしかるべきだが、答申に盛り込むことについてはどうかと思う。議論することは、やぶさかでなく、当然である。環境の問題を考えたときには、ヒートアイランド以前に緑地の保全という問題があり、都市部で緑地がなくなっている大きな原因は相続税だという問題もある。そう考えると、税の問題は議論する上で避けて通れないのではないか、と個人的には考える。

● 例えば環境の話で、税を含んで経済的な手段について書くということは全く構わない。

2.意見の取りまとめ方針について

まとめかたについて、各委員から意見が出されたが、内容等は非公表とされた。

3.その他事務連絡

(閉会)

以上

(文責 総合規制改革会議事務室


内閣府 総合規制改革会議