平成13年12月7日(金)16:00〜17:00
合同庁舎4号館共用第3特別会議室
宮内義彦議長、飯田亮議長代理、生田正治、奥谷禮子、神田秀樹、河野栄子、鈴木良男、清家篤、高原慶一朗、八田達夫、村山利栄、森稔、米澤明憲の各委員
石原規制改革担当大臣、松下副大臣
[内閣府]坂政策統括官、岡本審議官、梅村審議官、竹内審議官、磯部審議官、吉原事務室長、長屋事務室次長、西参事官、松山参事官、松葉参事官、二川参事官
案文審議・決定
その他
「規制改革の推進に関する第1次答申」という案があるが、ご意見あれば。
特段なし → タイトル了承。
副題について、過去の前進の委員会ではつけたこともあるが、ご意見あれば。
特段なし → 副題なし。
それぞれ前回からの主な変更点を説明。その後、質疑応答。
○は質問・意見、●は回答
前回会議ならびに終了後に頂戴したご意見をふまえ、いくつか変更した。
P2、7行目(その規制下にある非営利団体等を含む)追加、8行目「株式会社を含む」追加、下から2行目「コストの合理化や生産性の向上」追加、P3、最下段パラグラフについては前回ペンディングであったがIT本部の進捗を踏まえて記載した。
質問/意見:特になし
広範囲からのヒアリングや関係者から数度にわたるヒアリングの結果、先週の金曜日に一旦確定したが、本日はなお白抜きとしている箇所がいくつかある。この箇所については会議後、議長及び議長代理に相談し結論を出したい。
株式会社問題についてはある種のイズムとされているが、本当はイズムではない。繰り返しになるが全て株式会社にしろと言っているわけではない。医療分野のあらゆる問題はこれまでも唱えられて来たが中途半端であった。今回は中途半端にしないということでやってきた。またIT化をカルテから促進し、医療の標準化をする、そして出来高払いから脱却するという方向性であるが、医療の世界は負担者と支払者が違う世界。この世界の中で市場原理の投入は難しいが、出来る限りの競争原理を入れたいということ。これらは何十年間も議論されてきたが、自分としては全面戦争をしても不毛の議論を繰り返してはいけないと思っている。
株式会社の問題は表現をめぐってなお調整中である。
理事長要件については、株式会社の問題を先送りにされるならこちらを廃止し、その上で本丸に攻め込むということであり、その意味から廃止すべきと明言している。薬については厚生労働省がどうしても踏み切れないということ。本当のところは対立のままであるので、来年度に決着をつけるようにしたい。
前回会議からの変更点は、P15、イ「PFI法を活用した公設民営方式の推進」の箇所。この臨時国会においてPFI法が改正され、いわゆる国・地方の行政財産 については、その貸し付けが禁じられていたが今般PFI事業についてはそれを認めることとなったので、書き振りを修正した。同様の修正をP18、イ「公立保育所の民間への運営委託等の促進」の箇所にも行った。
P25、イ「求人企業から徴収する手数料の上限に係る大臣基準の見直し」のインターンシップ紹介(仮称)を「トライアル雇用紹介(仮称)」と変更。インターンシップ紹介とすると学生のインターンシップと混同するので仮称でもあるゆえ、変更していただけないかと厚生労働省にお願いした結果。P28、ア「派遣期間の延長」2パラグラフに記載のある法律については今般成立したためその法律名ならびに「その確実な施行を図るべきである」と修正した。
P38(2)「高等教育機関によるキャリアアップの充実」中のアとイの双方について細かい修文があった。ダブルメジャー制度の導入については文部科学省が大学に積極的に働きかけるという趣旨の文言を追加し、同様にパートタイム学生制度についても、その積極的な導入が図られるような支援策を考えると修正した。P44ウ「インターナショナルスクール卒業者の進学機会の拡大」の箇所。これは小・中・高校であるが、基本的に前回の文章とは異なり、より進んだ内容で記載した。教育分野全般としては多くの点において文部科学省が譲歩してくれたように思っている。
ワーディングで1箇所を除き、前回の報告通り。P57(6)クリーンエネルギー自動車の箇所。前回は特定していたが修正では「クリーンエネルギー自動車を含む低公害車、低燃費車について」と一般化した形に修正した。
P65税制の話については具体的施策の欄では書くことが出来なかったので、改革の方向性の部分(最終パラグラフ)において「予算、税制を合わせた総合的な取組みを推進していくことが極めて重要である」と記載した。P69(カ)「都市計画・建築規制の説明責任」の箇所については昨日まとまった。内容は都市計画に関し不服がある場合、現在では原告適格などに関し十分な情報提供がなされておらず、都市計画の明確性が住民にとって損なわれているという現状に対するもの。P71(イ)「土地収用法の積極的活用」についても昨日ようやくまとまった。土地収用法については積極的に活用されていないが、特に時期の問題があいまいであり、これに対する内容となっている。
P71オ「交通渋滞の緩和」については前回ご報告できなかったので説明をすると、(ア)については現状の道路の掘り返しは1日あたりの工事時間・工事距離を短くすることで、その日の渋滞を少なくしようとしているが、その結果、工事期間が非常に長くなり工事コストも大きくなってしまっている。従って1日の混雑コストではなくて、全体のコストを勘案するように運用すべきとしている。(イ)については民間の会社が駐車違反を見つけるというサービスを想定しているが、駐車違反の取締りについては基本的には警官が最終的に行うものであるので、「補助的な仕事」を積極的に進めるべきとしている。(ウ)についてはオフピーク時に運賃を安くし、通勤客を増やすというものであるが、鉄道事業者がそういった策を採用したくなるようなインセンティブを与える料金規制を検討すべきとしている。
競争政策についてはP77アとイが記載したような形でまとまった。前回ご報告したものと趣旨についてはほとんど変わらない。
法務については2箇所調整がついていなかったが、まとまった。1つはP80イ「隣接法律専門職種の活用等」、もう1つはP81(3)「私法上の事業組織形態の検討」であるが、内容の趣旨について変更はない。
金融については「てにをは」は一部あるが、変更はない。
P92 実施期日を入れた箇所のみ変更した。
基本的な内容に変更はないが、P97の前文の趣旨を説明すると今回の答申では小売の自由化を完全に行うための必須なやり方を書いたものであり、実行されればこれで完成となるが、現在ちょうど総合資源エネルギー調査会電気事業分科会の場での検討が始まろうとしている。当方としては検討が終わった後で物申しても意味がないため、検討にたがをはめ、これ以外の選択肢はないという趣旨で書いた。ただし、当方もその他分野の検討を開始したのも遅く、審議時間も十分でなかった。また関係者のヒアリングも行っていない。その意味で、方向をゆるめることなく進めるということをはっきりさせ、中身を3か年計画にきちんと盛り込み、そして分科会の場で検討・検証を行い結論を得るべきであるとしている。本来自分としては、他の審議会の引用をしたことは皆無であったが、今回現に審議されようとしているものを円滑にさせて行くとの目的からこのような前文を付けた形とした。そうでなければ出来るものも出来なくなるという認識からであり、この前文を書くことについてはいろいろと言われたが、自分としては99%までこの答申内容にしたがったもので実現されていくと確信を持っている。
ガスについては変更なし。
(5)「高速道路における自動二輪車二人乗りに係る規制の取扱い」の箇所については最終結論を得る時期を「平成15年度中の可能な限り早期」とし、若干の前倒しに含みを持たせる表現振りとなっている。内容については予定通り。
前回ご説明した内容と全く変わりない。
若干前回のものと違うが、資料のように提示をしている。
「おわりに」の部分についてはご意見をふまえ、下から3行目「その受益者である生活者・消費者の一層の理解が得られるよう〜」と追記している。
○ 初めて会議に参加し、関係省庁と折衝して考えたことを述べたい。省庁と意見が対立した場合にどうするかという問題である。役所として悪気はないのだろうが、いつまでも返事をしないとか、ダメだダメだと言われ続けることにより、抜け落ちるとかといったことがある。これでは当方が要求していることの中で、例えば先方課長レベルで応じたいといったことだけが盛り込まれてしまう。したがって基本的な方法を来年度からは改めた方が良い。これには予算折衝のようなプロセスを使うのが良いのではないか。すなわち中間取りまとめの際に大臣がおっしゃったようなプロセスが必要だと思う。課長レベルで折り合いがつかなければ、上にあげて局長クラスと交渉をする。これでもダメなら次官にお越しいただいて大臣が両者の意見を聞いて先方の大臣とお話いただくといったプロセスを来年は前もってスケジュールを立ててやれば生産的に話が進むのではないかと思う。
それから省庁とぶつかる原因としてはいくつかに類別できる。例えば「憲法問題があるからダメだ」というもの、これは大臣のレベルでお考えいただき政治的にご判断いただくべきものだろう。次に「法律を改正したばかりであるからまた変えるのは難しい」というもの。もう少し下のレベルでは「他の審議会でも議論しているからやめて欲しい」、「他の法律も全部変える必要があるから大変」といったものがあった。課長レベルではもっともな断る理由と思う。こういったものへの対処についても前もって考えていけばと思う。
あえてもう一つ、委員が他の審議会の委員を兼ねている場合についての処しようについても長期的に方針をお決め頂ければありがたい。すなわち個人個人に任せるのか会議としてどういう風に解決をしていくのかといったことである。
● やり方については来年度ゆっくり議論できるだろうし、議論をする必要があろう。
○ P91【農林水産業】について、今からでは遅いので来年になろうが、農協の問題には触れないのか。
● 主査がおられませんが、自分としては触れないと言うタブーはないと思うが。
○ 法人化を含めて農協が一番の顔になっていると思う。
● 主査の問題意識としてはあろうが、先程来話に出ているように全体として時間がない中、とりあえずここでは触れないとした。
○ 来年は触れるということか。
● その可能性はあると思うが、とりあえずここでは触れないということ。
○ ところで、最初のタイトル案のことであるが「規制改革の推進」では弱い感じがする。出来れば「規制改革を断行するための第1次答申」では如何か。
● 先ほどこれでご賛同いただいたかと思うが、もし他に何かご異論、ご意見あれば。強い言葉はいくらでも使えるとは思うが...
○ 推進という言葉は使い古された言葉でインパクトがないように思う。
○ 確かに推進という言葉は使い古された言葉であるが、当会議としては中身が問われるわけで、国民からすれば規制改革はどうなったんだという目があり、それに対してこの中身があるわけだから落ち着いた表現で良いように個人的には思う。断行を掲げている会議もあるが、当会議の答申の性格と断行という言葉は少し違うような気もする。
→ 了承。
○ 医療の部分については未解決のものがあるが、それを待って答申を決定するのはタイミング等もあり難しかろうと思うので、その部分の対処については僭越ながら議長に一任いただくということでよろしければ、それをもって答申を決定したいと思うが。
→ 了承。
○ 発表する際に、議長談話と言う形でアピールをするものを出してはという話があったことから「答申にあたって」というペーパーを用意している。国民に対するメッセージというのは少々大げさかもしれないが、国民に対して当会議としてはこういうことを考えているんだということを記述してある。
→ 事務局(読)
○ 先ほどのご意見を踏まえ、「〜施策を断行されるよう提言する次第」と訂正させていただきたいと思う。以上のようなものを発表させていただくことについてご意見あれば。
→ 特段なし、了承。
○ それでは長い間、寝食を忘れ仕事を放り投げてやっていただいた委員のみなさま、事務局のみなさまの文字通り寝食を忘れたご協力により、ここに答申が作られたことに対して心よりお礼申し上げます。また政治的な意味合いで非常に難しい中を力強くご支援いただきました石原大臣、松下副大臣ならびに渡辺政務官みなさまのバックアップがなければ出来なかったのも事実であり、この席をお借りしてお礼申し上げます。
松下副大臣は、農業の分野において党内での意見調整に大変ご尽力いただきました。私は特殊法人の問題でなかなか節目しか出席できなかったことをお詫び申し上げますが、委員の皆様方におかれましては、5月の初会合以来7月の中間取りまとめ、そして9月からのワーキンググループの審議、各省折衝等お忙しい中お時間を割いていただき、このような素晴らしい答申をまとめていただきまして心より感謝申し上げます。小泉総理の諮問機関の委員でいらっしゃる皆さまが小泉総理掲げる構造改革の最先端、最重要課題である規制改革につきましてここまで短時間で深く堀り下げていただいたことは大変素晴らしいことだと思っております。この後は松下副大臣ともども政府としてはこの答申を最大限尊重して、いよいよ1月からの通常国会に法案が提出できるよう、準備を始めていかなければならないと思っております。そして3か年計画に着実に反映させていかなければならないと考えております。また、先ほどの農業の分野で農協の問題が落ちているといったように答申で盛り込めなかった問題や新たな問題等についても各委員の方々にいろんなお考えがあることを審議を通じて私としても感じております。今後そうした改革をさらに進め「生活者・消費者の一層の理解が得られるよう更なる努力を傾注して」私としましても経済活性化が実現することが私たちの本当の使命ではないかと考えています。重ねましてどうぞこれからもご指導よろしくお願い申し上げます。
石原大臣を助けてこれからも進行していきたいと思います。これからがスタートであって、どんなことが起こるかいろんな予想もしながら、まさに断行という覚悟で気合を入れて行きたいと思いますので、どうぞいろいろご支援よろしくお願いします。
(閉会)
以上
(文責 総合規制改革会議事務室)