2002年4月15日
八代尚宏
「規制改革」については「総論賛成・各論反対」の壁が厚く、長い時間を要すること。
社会的規制分野については、社会的な影響が未知数であることを根拠とした反対論の強さ。
これに対応するために、特定の地域について、個々の規制改革の「社会的実験」が不可欠。
特区方式では、他の地域との比較で、通常では見え難い規制改革の効果が明らかになり、 全国への適用時期を促進する効果も期待できること。
これを通じて地方自治体間の競争が促進され、地方分権の本格的な進展にも貢献。
地方自治体の立案に基づく、公的な「規制免除」の請求を、内閣府が受理する仕組み。
国からの補助金や租税特別処置等の財政的な手段に依存しないこと。
規制改革特区に関連する事業の責任は、国ではなく個別の自治体が負うことを明確化。
自治体は個々の事業の実施に必要な「規制除外したい規制」を総理に申請、認定を求める。
この免除の対象となる規制を予め列挙しない通則法を内閣府で立法化。
総理の認定基準としては、(1)他の自治体への被害、(2)国の収入の減少、(3)条約への影響、 (4)自治体の義務免除、(5)安全・衛生等の最低基準を損なわないこと、等一般的要件に限定。
総理の認定が得られれば、それを条件として、個々の自治体が必要な条例を策定。
「ビジネス特区」(会社法、土地用途制限、外国人居住・就労規制等の緩和)
「国際医療特区」(世界から医師・研究者招聘、企業による病院・研究機関の一体的運用)
「先端農業特区」(バイオ企業等による生産から販売までの一貫したブランド農業経営)
「自由教育特区」(公立・私立を問わず義務教育段階から自由な教育カリキュラムの形成)
「雇用訓練特区」(外国人を含む多様な労働者を対象とした弾力的な雇用・訓練システム)