地方公共団体等からの構造改革特区の提案について

平成14年9月12日
内閣官房
構造改革特区推進室

8月30日を締め切り期限として、構造改革特区についての具体的な制度設計の検討に資するため、地方公共団体、民間事業者等から構造改革特区の提案を受付けた。9月5日現在で、249の地方公共団体、民間企業等(うち地方公共団体等公的主体から231件、民間企業・大学等から18件)から426件の提案があった。

提案の中で多い分野は、国際物流関連、研究開発関連、環境・新エネルギー関連、産業再生関連、農業関連、医療関連、生活・サービス関連、教育関連、国際交流・観光関連などであり、多様な特区の提案が寄せられた。その中で、提案の多い代表的なものの例は下記のとおり。(代表的なものを当室でとりまとめたものであり、特定の地域の提案をとりあげたものではない。また一つの特区で下記の複数の分野を組み合わせたものも多いため、提案数の合計は上記の提案数と一致しない。)

1.国際物流関連 提案数29

〔例〕大規模港湾を有する地域において、国際競争力のあるコストとサービスを実現するために、通関・検疫業務の24時間化、民間企業による総合保税地域の運営等を行う特区

2.研究開発関連 提案数69

〔例〕大学や研究機関を核として、それらの知的資産をIT、バイオ等の新規産業に結びつけるために、外国人研究者の招聘や産学連携を進めるための制度整備を図る特区

3.環境・新エネルギー関連 提案数43

〔例〕大規模港湾の後背地等において、リサイクル資源を広域的に集積し、産業としてのリサイクルを促進するために、廃棄物関係の規制を合理化する特区

〔例〕広大な土地を有する地域において、世界に先駆けて燃料電池の実用化を図るために、全国一律の保安規制とは異なる規制を導入することによって、燃料電池の実用化に向けた研究、実証実験等を図る特区

4.産業再生関連 提案数40

〔例〕コンビナート地域等において、既存の工場設備の更新・高度化の促進、雇用の流動化の促進、安価な電力の供給等によって産業を再生させるために、最新の防災技術や国際基準を踏まえた保安規制の導入、民間が主体となった職業紹介・派遣事業等の導入、電力供給の自由化等を可能とする特区

5.農業関連 提案数94

〔例〕農村地域等において、生産・加工・販売一体となったアグリビジネスの参入を促進するために、地方公共団体やNPOが土地を保有し耕作希望者に貸与したり、株式会社が農業経営を行うなど、多様な経営形態による農業を認める特区

〔例〕都市近郊地域等において、都市住民が小規模農地を保有して農業を行うことを認める特区

〔例〕中山間部等において、都市と農村の交流(グリーンツーリズム)を図るために、農家が民宿(ファームイン)や農産物加工・販売施設等を経営することを促進する特区

6.医療関連 提案数25

〔例〕医療研究機関が集積している地域等において、世界最先端の医療を提供し、あわせて先端医療の研究開発を推進するために、外国人医師による治療を可能とし、混合診療を認める特区

7.生活・サービス関連 提案数47

〔例〕大都市近郊地域等において、行政コストを削減し、住民サービスを向上させるために、教育施設、公民館、図書館、下水道、福祉施設、違法駐車取締り等などについて、地方公共団体の施設の民間委託や行政サービスの民営化を進める特区

〔例〕ベッドタウン地域等において、働きながら子供を育てやすくする環境を整備するために、幼稚園、保育所を一体のものとして民間が主体となって事業を行うことを可能とする特区

8.教育関連 提案数44

〔例〕地域の特性とニーズに応じた多様な教育を提供するために、公設民営や民間資本・NPOなど多様な主体により、小中高一貫教育や外国人・社会人等の教員への採用、全て英語で行う授業や学年の枠を取払う等多様な教育カリキュラムを認める特区

9.観光・国際交流関連 提案数57

〔例〕国際空港の周辺等において、外国人がビジネスをしやすい環境を整備して外国からの投資を促進するために、外国人研究者等の在留期間の延長等の特例を設けたり、外国人の弁護士・医師等が外国人向けサービスを行えるようにすることを可能とする特区


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