2003.1.30.
安居祥策
委員になって日が浅く、誤解をしている面があると思いますし、ご質問からずれている面もありますが、2ヵ月間の経験から、感想を含め以下の如く考えます。
1.検討課題については、事務局(含む経団連の要望)案で良いと思いますが、次の様な二つの形で整理し、ワ−クのやり方を考えてはどうかと思います。
(1)大きな括りによる分類
(a)官製市場への株式会社による参入(教育、医療、福祉、農業)
(b)外国人の日本での労働制限緩和
(c)個々の規制緩和課題
(d)許認可の要件緩和
(2)難易度による分類
(a)各省との折衝で非常に難しい大きな問題
(b)各省との折衝で解決する問題
2.特に上記の(1)−(a)は(2)でも(a)になると思いますが、この問題はトップ(大臣?)での折衝が必要だと思います。他の項目でも(2)―(a)に入った課題については特別に折衝、WATCH する様な体制が必要かと思います。
(1)−(b)については、将来の人の自由化をどこまでやるかとの絡みがあり、新年度の大きな課題だと思います。(人の自由化の問題は日本の競争力を高めて行く重要な要素であり、又、EPA交渉でも大きな課題であります。)
(2)−(b)に分類された課題については、従来の折衝方式とします。
以上
1.少子高齢化が急速に進む中、高いレベルのサービスとリーズナブルなコストを実現するためには、外国人看護師・介護士の導入が必要。
2.他方、日本語を話せる外国人看護師・介護士の養成には時間もかかり、円滑な導入のための取り組みを開始することは喫緊の課題。
3.多様化する日本の消費者の嗜好に対応するとともに、日本人のヘルスケアのため、外国人マッサージ師に関する市場開放を進めることを検討すべき。
(1)日本の看護師になるには日本の看護師試験に合格する必要がある。
(2)日本の看護師試験を受験するには原則として日本の看護学校/大学を出なければならない。
(3)外国人が日本の看護学校/大学を出て、日本の看護師試験を受験し、看護師資格を得ても、一般的な就労は認められていない。看護に関するビザは4年間の研修のみで(給与を受け取ることは可能)、更新もできないため、4年後は本国へ帰る必要がある。
(4)外国の看護師資格を有していれば、厚生労働大臣の承認を前提として日本の看護師試験を受験できるが、この承認の要件は厚生労働省の内部規則(公表)で「既に日本での就労資格を有していること」となっており、したがって、「海外の看護学校を卒業して当地で看護師になった日本人」や、「日本人と結婚した外国人看護師」くらいしか承認を受けることはできない。
(1)欧米では、フィリピン人看護師・介護士が多く活躍。なお、外国人看護師が米国で看護師資格を得るためには、TOEFL受験及び米国の看護師試験に合格することが必要(州レベルの試験)。欧州では、外国の看護師資格を有していれば、面接等でOKとなるケースもあるとのこと。
(2)フィリピン側も国家機関(POEA: Philippine Oversea Employment Administration)を作り、語学研修・ビザの管理・保険関係の整備等を行っている。
(1)介護に関する就労ビザが無いため、日本で介護士として働きたい外国人は在留資格を取得できない。
(2)単に介護福祉施設で働くだけならば、特段の資格は要求されない。しかし、介護保険の対象となる訪問看護を行う場合、ホームヘルパーの資格か(訪問介護の主な担い手として位置づけられる)、あるいは介護福祉士(特養ホーム等の介護の中心的な担い手として位置づけられる)の資格を有する必要がある。
(3)ホームヘルパーの資格を取るためには、一定の研修を受ける必要がある(1級では、講義84時間、演習62時間、実習84時間、2級ではそれぞれ58,42,30時間)。
(4)介護福祉士として登録されるには、介護の実務を3年以上経験した上で国家資格試験に合格する、あるいは介護福祉士養成のための専門学校等を卒業する、といった方法がある。
(1)出入国管理法上、マッサージ師に対しては在留資格が認められない。(なお、タイ料理のコックに関しては、10年以上の実務経験を前提に在留資格が認められている。)
(2)日本でマッサージの施術を業として行うためには日本であん摩マッサージ指圧師免許が必要。専門学校または鍼灸大学・短大で3年以上の教育を受けた上で、国家試験に合格する事が要件。
(3)タイにおいては、3段階に分かれたマッサージ師の国家資格がある模様。
(4)タイ側からも、日タイ経済連携の一環として、タイ式マッサージ師の受入れについて強い要望がある。