経済財政諮問会議との連携及び来年度の進め方に関する意見

2003.2.3
鈴木良男

1.全体方針など

○ アクションプランなどを通じた諮問会議との連携については賛成。最終年度として、重点的に取り組む事項については、20項目程度に絞って、諮問会議と協力して総力を挙げ、あらゆる手段を講じないと成果は出ない。これらの事項共通に、「全国において2年以内に措置する」といった明確な実施期限を付した上で、成果を出すことが、ポスト総合規制改革会議の円滑な立ち上げにも繋がる。

○ 「重点検討項目」については、6月までに、基本方向については必ず目途を立てることが重要。基本方向に従った具体的結論が出れば6月に中間答申を行う。6月までに具体的結論が出ない場合でも、結論が出たものから随時答申を行い、12月をデッドエンドとする。その間、特区は特区担当大臣が、全国区は宮内議長と規制改革担当大臣が、担当大臣による勧告権の行使や大臣同士の直接折衝を含め、あらゆる手段を行使していただきたい。この間、どうしても調整できない時には、総理自身が6月に基本方向を決定していただきたい。これらのスキームについては、2月12日の諮問会議で、できれば総理から強い指示が頂けるとありがたい。

○ 2〜3月は総合規制改革会議、4〜6月は諮問会議と、あまり分けて考える必要はない。当会議で2〜3月の1か月の集中審議で結果を出すのは相当難しく、大臣の勧告権の行使なども含め、4月以降も、諮問会議(総理)の指示を受けた形で、実務的には当会議が主体となって、その取組を継続していくこととなろう。

○ このように、当会議としてはアクションプランの実施に実務的には主体となって、積極的に取り組む必要があるが、昨年のように「各省庁事務方と話しても何も決まらないという状況」だけは回避する必要がある。「各大臣は、各省庁事務方と規制改革会議委員との議論を尊重するとともに、その議論を阻止しないように」ということを徹底して頂きたい。

2.アクションプランに盛り込まれるべき「実施手法」(特に大臣の勧告権)

○ 規制改革担当大臣の勧告権の行使が重要。3月までに必ずしも行使する必要はないが、これを推進のためのメインの手段と位置付けるべき。事務局作成のペーパーでは、(注)で触れているが、(注)ではなく、正面に据えるべき。

○ 一昨年の医療分野での閣議決定事項に象徴されるように、過去に決めるまでは良かったが、決まったのに進捗状況が芳しくないものが多い。昨年12月(当初は3月の予定)になって初めて実現した「レセプト審査の保険者への開放」の件だけでなく、例えば、「医療のIT化」でも平成16年度達成率50%、平成18年度70%などという厚生省の目標が、このままでは達成できるとは思えない。こうした「不完全措置事項」についても網羅的にフォローし、場合によっては大臣の勧告権行使をお願いすることもありうる。

3.アクションプランの対象となる「重点検討事項」

○ 事務局ペーパーに記載されている「第2次答申の構造改革特区部分の前文に記載されている18事項」を基本とすることには賛成するが、経団連要望とか、「水先案内人」「公有水面埋立地」などは、個別WGを早く(場合によっては4月より前から)立ち上げることによって別途対応するべき。これに関連して、当会議の委員全員を「重点検討事項」に貼り付ける必要もない。

○ 「特区が先行する」のは良いが、各省庁がこれを「試行である」と主張して、「その結果を見てから」という理由で全国展開を遅らせる事態に陥ることは、特に避けるべきである。これを牽制する意味でも、「特養ホーム民間参入の全国展開」、「農業民間参入の全国展開」を早急に行う必要があり、これらを「重点検討事項」に入れるべき。

○ 医療分野で、「医薬品の一般小売店販売」は、国民の利便性の向上、経済的効果の点からみて、「重点検討事項」に入れるべき。

4.目標設定、評価

○ 目標設定の対象は、重点検討事項と同じく、20項目程度でよい。

○ 諮問会議に対する報告と諮問会議による厳格な評価が、3か月毎に行われるべき。それにより絶えず進行状況が監視・管理されているという緊張感を醸成することが、当会議にとっても、相手方省庁にとっても大切。

5.その他(来年度の当会議の進め方など)

○ 「官製市場改革」の中の「官民役割分担」については、少しタマを絞ってでも、「官製市場WG」として、来年度も継続し、火を消さない方がよい。

以上


内閣府 総合規制改革会議