2003年3月
雇用と市場の拡大による活力ある経済社会の実現に向け、また、利用者の選択肢を拡大し、質の高い多様なサービスを享受できる豊かな国民生活の実現を目指すため、「規制改革」を推進する。
○ 「規制改革推進のためのアクションプラン」に基づき、当会議としては、6月の「重点検討事項に関する答申(仮称)」までは、あくまで当プランの実行(「12の重点検討事項」の実現)を第一の目的とし、このために、当会議の有する政策資源を集中的に投入する。
○ 当プランの実行過程においては、経済財政諮問会議、構造改革特別区域推進本部との一層の連携強化を図る。
○ 以下の新規WGを設置し、新規テーマの検討を行う。
海外からの投資・人材の受入れを推進するため、投資・人材に関わる規制改革を行う。(「国際経済連携」(仮称)WG)
事後監視を徹底し、成果主義の「規制改革」を実現するための制度見直しを行う。(「基本ルール・基盤整備」(仮称)WG)
○ 「構造改革特区」制度を十分に活用することにより、「官製市場」(医療、福祉、教育、農業など)分野について、規制改革を加速させる。
○ 新技術・成長の見込める分野等やビジネスニーズを洗い出し、網羅的かつ、きめ細やかな対応を図ることとする。(事業活動円滑化WG)
○ その他の従来の個別分野については、既存WGを可能な限り「統合・大括り化」した上で、効率的・効果的な検討を行う。その成果については、6月を目途に、例年どおりの「中間とりまとめ」を行う。
○ また、「来年度が当会議としての最後の1年」であることを認識した上で、各省で検討されている状況が当会議の提言している方向性に合致しているかにつき、当面網羅的・徹底的なフォローアップを行うこととし、それらの的確な実現に向けた集中的な審議・折衝を行う。
○ 「12の重点検討事項」について、「遅くとも2年以内の実現(新たな法制度等の施行完了)」を目指し、本年6月の「答申」に向け、経済財政諮問会議及び構造改革特別区域推進本部とも一層の連携を図りつつ、総合規制改革会議及び規制改革担当大臣が有するあらゆる権限・機能等(各省に対する、(1)資料や説明の請求、(2)公開討論、(3)ハイレベルの折衝、(4)勧告権の行使など)を行使して、集中的な審議・折衝を行う。
○ 大まかなスケジュールは、以下のとおり。
3月5日…第1回会合(その後、概ね週1回のペースで開催)
3月〜4月…各省及び各団体との「公開討論」「資料や説明の請求」等
5月〜6月…「ハイレベル折衝」「勧告権の行使」等
→ 併行して、経済財政諮問会議における集中審議(各大臣出席)
6月末…「重点検討事項に関する答申(仮称)」決定
→ 併行して、経済財政諮問会議の「骨太の方針2003」決定
○ 我が国における雇用機会の創出、競争の促進等を通じた一層の経済活性化を実現するため、海外の企業・優秀な人材の受入れ、観光誘致を抜本的に推進するため、対内直接投資や人材の受入れ、国際交流、FTAの推進など各国との経済連携を促進するための規制改革を積極的に推進。
○ 「金融」、「教育」「観光」「法務」「都市」、「医療・福祉」、「農業」など、幅広い分野を対象とする。政府関係国際機関、地方公共団体、各国大使館、観光協会などからのヒアリングなどを積極的に実施。
※ なお、本WGで検討を行う事項については、他のWGとも関係するものも多いので、主査同士で連携を取りつつ、整理を行うことが必要。
(1)規制改革・競争促進のための基本ルール・基盤整備
○ 我が国における真の意味で活力ある経済社会を実現するためには、個別分野ごとに、「主体間の競争を促進するためのルール」としての「情報開示」「第三者評価」「監視」「紛争処理」などに関する制度・体制を整備し、市場監視を強化することが重要。他方、これに加えて、規制改革の推進に伴う包括的な取り組みとして、パブリックコメント制度やノーアクションレター制度(特区法においても導入)など既存の制度の点検も含め、新たな規制の制定や既存の規制の見直し等に係る「分野横断的な基本ルール・基盤整備」を行うことが喫緊の課題。
○ なお、従来の「事後チェックWG」での検討事項のフォローアップは本WGにて行う。
○ 「構造改革特区」制度を活用することにより、「官製市場」などの分野について、規制改革を加速させる。これにより、新規需要や雇用の創出を図る。
(1)構造改革特別区域推進本部に対する協力等
○ 4月の特区法の施行開始、6月の第二次募集に関する基本方針の改定と第三次募集などに対して、総合規制改革会議として、これまでと同様、公開討論の開催等を通じて、構造改革特別地域推進本部に対して最大限の協力を行うとともに、関係省庁の動きを監視。
○ 本年夏を目処に設置される「評価委員会」との密接な連携。
(2)「官製市場」改革の具体的推進
○ 「国や地方公共団体が独占して行っている行政事務」の中で、第2次答申で指摘した19分野のフォローアップも含め、民営化・PFI・アウトソーシング等の手法により、可能な限り民間への移譲を推進。
○ また、「第二次答申」(「官製市場」の問題意識)に盛り込んだ「政府内の推進体制の一元化(例えば内閣官房に推進母体を設置するなど)、推進計画の策定」等についても、その具体化について検討。
○ 教育・福祉分野において、国・地方公共団体・学校法人・社会福祉法人とその他の民間事業者との公的助成面でのイコールフッティングを妨げている「憲法89条」(公の支配に属さない慈善、教育、博愛事業への公金の支出等の禁止)の法解釈について専門家を交えて検討。
○ 昨年の「第二次答申」に引き続き、新たな技術・成長の見込まれる分野を中心に、経済団体等からの経済活性化に資するビジネスニーズ(手続き簡素化、解釈明確化など)に対して、網羅的、きめ細やかな対応を行う。
○ 経団連などからの個別要望事項への対応について、以下のような構造改革特区推進室の手法にならい、当会議としても早期にルール化を行う。この際、構造改革特区推進室との連携も図りつつ、要望の網羅的な把握に努める。
一定の受付期間を定めた集中的な要望の発掘
要望事項の一覧性を確保するための分野別・担当各省別整理、及び、これに対する各省とのやりとり等を含めたHPへの掲載・公開
折衝結果の要望元へのフィードバック 等
○ 以下の8のWGにおいて、個別分野毎の検討を早急に開始し、その成果を6月末の「中間とりまとめ」に盛り込む。(福祉WGは医療WGと、環境WGは住宅・土地・公共工事WGと合併)
○ また、「来年度が当会議としての最後の1年」であることにも鑑み、各WGにおいては、当面6月までの間、網羅的・徹底的なフォローアップを行う。その際、これまで答申等を行ってきたにもかかわらず、当会議で提言した方向性と各省が検討している方向性・スピード感とで相違のある事項についての徹底した検証を行う。なお、新規に取り組むべきテーマについても、積極的な発掘・提案に努めることは従前どおりである。
4月までに項目を洗い出し、5月以降、それらの完全な形、前倒しでの実現に向けた集中的な審議・折衝を行い、6月の「中間とりまとめ」に反映させる。
○ 「中間とりまとめ」以降、12月の「第三次答申」に向けて、こうした検討をさらに進めるとともに、これらを通じて明らかになった新たな問題点の指摘し、これらへの提言を行う。
○ なお、仮に、同じ事項について複数のWGで検討されることとなる場合には、双方のWGにおいて、密接な連携を取ることが必要。
IT (各個別分野のIT関連事項のフォローアップ等)
法務・金融・競争政策(動産担保制度、多様な資金仲介ルート・金融手法の確立、公取委の機能強化についてのフォローアップ等)
教育・研究(コミュニティスクールに向けた制度整備についてのフォローアップ等)
医療・福祉(電子レセプトのオンライン化促進などのフォローアップ等)
雇用・労働(労働基準法・派遣法・職安法のフォローアップ等)
農林水産業・流通(農協改革のフォローアップ等)
エネルギー・運輸(電力・ガス小売り自由化のフォローアップ等)
住宅・土地・公共工事・環境(借地借家法・定期借家権の見直しへの対応、不動産価格情報開示に関する制度整備のフォローアップ、廃棄物リサイクル問題のフォローアップ等)