平成15年度 第12回総合規制改革会議 議事概要

1. 日時

平成16年3月2日(火)14:30〜15:40

2. 場所

永田町合同庁舎総合規制改革会議大会議室

3. 出席者
(委員)

宮内義彦議長、鈴木良男議長代理、奥谷禮子、神田秀樹、河野栄子、佐々木かをり、清家篤、古河潤之助、村山利栄、森稔、八代尚宏、米澤明憲の各委員

(事務局)

[内閣府]小平政策統括官、河野審議官、福井審議官、浅野間審議官、宮川事務室長、中山事務室次長
[構造改革特区推進室]滑川室長


議事次第

  1. 「規制改革集中受付月間(11月)」の対応方針について(報告)

  2. 新3か年計画の策定状況について

  3. 地域再生、構造改革特区について

  4. その他


議事概要

(1)「規制改革集中受付月間(11月)」の対応方針について

(宮内議長)昨年11月に実施された「規制改革集中受付月間」、通称「もみじ月間」については、提出された全国規模の規制改革要望について、関係する各ワーキンググループにも積極的な御協力をいただきながら、検討を進めてきたところであるが、2月27日にその合意内容について政府の対応方針として閣議での報告がなされたところ。その内容について、事務局から御報告いただきたい。

(事務局)昨年11月に受付けた要望総数947項目について各省と折衝を行った結果、「全国規模で平成16年度までに実施する事項」93項目について、2月27日に閣議報告を行った。
 上記とは別途「全国規模で検討等を行うとされた事項」60項目についても、閣議報告対象の93項目とあわせて「新3か年計画」(閣議決定)に反映させる。
 また、300項目については現行制度下で対応可能となっており、その旨当会議ホームページでも公表している。上記3か年計画に反映させる153項目とあわせて、要望項目のうち約半数については会議として要望に応えることができた。

<質疑応答> (●質問・意見、→質問・意見に対する回答)

●「現行制度下で対応可能な事項」が300項目、「事実誤認」が99項目とのことであるが、その旨はホームページ等で知り得るようになっているのか。

→各省庁との折衝の状況等は、全て当会議ホームページにて公表するとともに、要望者に対しても個別に結果を報告するなどの対応をしている。

●要望の半数近くが「現行制度下で対応可能」又は「事実誤認」であり、誤解が多いようだ。今回のプロセスで改善は期待できるか。

→全国規模での要望の受付も2回目であるが、要望者についても個人や個別事業者など裾野が広がりつつあり、今後も様々な要望があるかと思う。

●各省との調整・取りまとめに当たっては高原主査をはじめ各主査、委員各位から大変御尽力をいただいた。心から感謝申し上げる。

(2)新3か年計画の策定状況について

(宮内議長)「規制改革推進3か年計画」については、現行の3か年計画が本年度末をもって終了することを踏まえ、現在、16年度を初年度とする新たな3か年計画を事務局を中心に策定作業中であると承知している。そこで、計画の概要について、事務局から御報告いただきたい。

(事務局)以下の規制改革事項を中心に新たに政府の計画として策定し、3月中旬に閣議決定の予定。
1)昨年12月の「規制改革の推進に関する第三次答申」に示された具体的施策
2)「規制改革集中受付月間(11月)」で成果の得られたもの(2月27日閣議報告事項93項目の他、「平成17年度以降の措置事項」や「検討のみの事項」約60項目)
3)特区推進本部決定(2月20日)の別表2(全国措置)等
4)現行3か年計画のうち平成16年度以降に何らかの措置・検討がされることとされているもの

<質疑応答>

●1)後継組織(「規制改革・民間開放推進会議」)について、「民間開放」の定義について政令等に盛り込まれると思うが、検討状況如何。官製市場改革等について各省庁と折衝を行う上で制約となりかねないため、重要な問題である。事前に委員が判断できるよう会議に示すべきである。また、後継組織では、所掌事務がどのように広がるのか。
 2)前回会議で報告のあった事務局の民間開放について検討状況如何。幹部として相応のポストに民間人を登用すべきである。

→1)後継組織の所掌事務は内閣府組織令で定められるものだが、現在、「民間開放」の考え方については事務局にて整理しつつあるところ。法技術上の問題等もあり、内閣法制局や各省とも調整の上、またお諮りしたい。いずれにせよ会議の議論を制約するような狭い定義づけにならないよう対応したい。
 2)事務局人事については、民間人登用も含め、現在、関係各方面と調整中。

●事務局人事については、是非民間人を幹部に登用して頂きたい。
 後継組織の議長人事に関する昨日の朝日新聞の記事について事実如何。

→議長の人選に関して事務局は関知していない。後継組織の議長は委員の互選により決定されるものである。
 事務局人事については、会議の第3次答申を踏まえ関係各方面と調整中。

●後継組織の所掌事務等に関し事務局には委員の意見を踏まえご検討いただきたい。事務局体制等も含め改めて報告願う。

(3)地域再生、構造改革特区について

(宮内議長)本日は構造改革特区推進室及び地域再生推進室から滑川室長においでいただいている。
 構造改革特区をめぐっては、私どもと共同で実施している「もみじ月間」の成果として、先般「構造改革特区の第4次提案に対する政府の対応方針」を取りまとめられるとともに、「構造改革特別区域基本方針」を策定されたと承知している。また、先週末には、地域再生本部におかれて、「地域再生推進プログラム」を新たに策定されたとうかがっている。当会議として、両本部と密接に連携を図り、それぞれの取組と相まった形で、全国規模の規制改革を推進していくことが重要であると考えている。
 そこで、本日は、それぞれの内容と今後の進め方等について御報告いただき、質問、意見交換の場を持ちたいと考えている。構造改革特区関係、地域再生推進プログラム関係と一括して御説明いただき、その後、一括して御質問、意見交換をさせていただきたい。

(滑川室長)構造改革特区の方から説明する。
 構造改革特区で、民間、あるいは地方公共団体からこれまで4回、提案を募集してきた。また、最近は規制改革会議と共同で提案募集ということをさせていただいている。
 構造改革特区の現状については、「規制の特例」ということで、今申し上げた提案をフォローする、ということでそれを実現していく、ということである。昨年11月の第4回提案募集までやってきているが、その中で、特区で実現した規制特例は176、全国実施は250ということになっている。第4回の数字だけを取り上げると、特区は17、全国実施が33の計50ということになる。
 また、「特区計画」ということで、特区の場合は特例を作ったことを具体的に実施していただき、課題その他を検証していくという作業、あるいは地域活性化につなげていくという作業がある。この特区計画については、昨年10月に申請を受け付けたところであるが、現在までのところ、236件の認定をしており、今般、1月に4回目の認定申請を受け付けているが、100件以上の申請が来ている、という状況にある。
 次に、第4次提案募集への対応であるが、先ほど申し上げたとおり、50の追加を行った。うち特区は17である。
 第4次提案で具体化された規制改革分野であるが、例えば教育分野では、「市町村が教員の特別免許状を授与することができる」というのがある。これは、これまで都道府県の教育委員会から市町村に授与制度が降りる、ということである。この他、「行政財産である漁港施設の民間貸付」というようなものも出ている。まちづくりとしては、全国対応であるが、土地区画整理事業地、あるいは土地開発公社の課題について応える、ということで、総計50件の規制改革項目が出た。
 今後の特区制度の課題については、3つの課題を考えている。
 特区制度はこれまで色々御提案をいただいてきているところだが、民間事業者の方からの御提案がまだ3割ということで、更に民間事業者の方々に特区制度を御利用いただき、また、御活用いただくことが必要であろう、と考えており、タウンミーティングその他の機会を通じて、更に広報活動を進めてまいりたい。そうした中で提案の厚みを増してまいりたい、というのが1点目。
 2点目であるが、特区は実際に昨年の4月から動いているが、この中で、特区の特例措置を活用した事業が上手く進んでいるのかどうか、ということについて調査をしていくことが大事ではないか、と思っている。もし、特区の特例措置の活用が上手くいかない、ということであれば必要な対応をしていくことが求められる。例としては補助金の返還の問題があったということを指摘しているが、昨年から評価委員会も立ち上がっており、そこで問題解決をするために色々な御検討をいただく中で、必要があれば新たな規制改革の実施についても御議論をいただく、ということかと思っている。また、規制以外にも、今言ったような補助金の問題というのもありえるので、これについては地域再生本部とも連携してまいりたい。
 今後の課題の3つ目であるが、全国展開というのが課題となってくる。先ほど御紹介のあった構造改革特区基本方針については、今回改定させていただいたが、ここでは、特区における評価の進め方をこれまでの評価委員会での議論等を踏まえ、盛り込ませていただいた上で決定しているもの。
 そのポイントであるが、1点目は基本的な理念として、昨年の骨太にも示されたとおり、特段の支障がない、とされた特例措置については、速やかに全国の規制改革につなげる、ということ。弊害があるかどうかについては規制所管省庁から御説明いただく。2点目は、特区で未実施、または実施の少ない規制の特例措置については是正及び新たな規制改革の実施を検討する。3点目は、関連する規制等に問題がある、ということで円滑な事業の実施が妨げられている場合はそれについても検討していく。以上3点を基本として評価をしていただく。評価に当たっては、昨年立ち上がった八代先生に委員長をお願いし民間10名の委員で構成されている評価委員会において、今申し上げたポイントについて御検討いただき、推進本部に評価の報告をいただくこととなる。評価の具体的基準については、全国で実施する場合には、弊害との関係をどう考えるか、弊害がある場合には予防措置を確保した上で特区で更に検証していく、等、いくつかのケースに分けて具体的に評価をしていただくということを考えている。スケジュールについては、4月から本格的な評価を実施していただき、8月を目途に意見を取りまとめていただく、ということを考えている。以上が構造改革特区の最近の動きである。
 次に、地域再生構想について。地域再生については、昨年10月に地域再生本部が発足、12月に基本指針を決定し、地域からの提案を受けながら、国の地域支援施策の改革・改善を行うということで対応してきたところ。
 1月に地域から民間事業者を含めて673の構想、具体的支援措置数に直すと1,500件余の御提案をいただいた。このうち、約半数あまりの782件については、現行制度で実施可能という回答をいただいた。更にその上で今回新たに対応するということで140件余の対応が決まったので、これを先週「地域再生推進のためのプログラム」として決定したところ。また、地域からの色々な提案・要望に応える意味で、既に地域再生に資するということで9法案を今国会に提出・あるいは提出予定となっており、こうした法案による改革も地域再生を支援するものと考えている。
 今回の地域再生プログラムの主な取組としては、補助対象施設の有効利用ということで、転用の弾力的容認あるいは増改築の際の支援で、特に要望の多かった廃校を例に挙げているが、こうしたものの活用。2つ目は地域主導による公物管理。3つ目はアウトソーシング。4つ目は地域雇用ということで市町村が本格的に地域雇用に取り組むという状況になってくるので、ワンストップ相談窓口の創設により地域のそうした活動を更に支援していく、ということ。それから、地域再生に関するノウハウ等の支援・窓口であるが、地域再生伝道師ということで、相互発信の拠点を作っていく。あるいは、地域再生支援チームということで、地域と国の地方支分局等との横断的な議論の場を設置して活用していこうということ。更に、地域の基幹産業の再生であるが、特に建設業の新分野展開については各省協力して取り組むというような体制を作っていくこととなっている。地域活性化のための大きな施策である地域観光ということで、「一地域一観光」を進める意味で、標識の統一、エコツーリズムといったものを推進していくということが盛り込まれている。また、地域再生実験ということで、ここではバイオマスなどの例を出しているが、こうしたものについて、地域の特性を活かして取り組んでいくということが考えられている。それから、支援施策の連携・集中ということで、地域再生計画を作るところに対して重点的に支援するという施策を推進していくということを考えており、そのためにも政策金融等の利便性の向上も図っていくということが考えられている。
 なお、この中でアウトソーシングについては我々としても非常に重要なテーマであり、1つの柱として取り組んでいる。今回も一定の成果が見られたと思う。特に、内閣府で昨年アウトソーシングについて調査をしており、35項目程度の課題を取り上げたところであるが、そのうち、対応困難とされた17項目を中心に優先課題として取り組んだ。ただ、今回地域から要望があったのは戸籍、住民票、電気工事士免許の3項目しかなかった。そのうち、戸籍、住民票についてはいわゆるプライバシーとの関係で困難ということであった。また、内閣府の調査の中には、国民健康保険や介護保険などについて、一部既に外部委託可能なものもあるが、いわゆる制度運営全般についても議論する、という話がある。こういう話になると、実は地域再生のみの論点では論じきれない制度的な課題もある。我々としても提案を受けて今後とも検討してまいりたいが、今回新たに設置されるとうかがっている総合規制改革会議の後継組織におかれても御議論いただければ幸いであると考えている。これについてはまた事務局同士で相談させていただきたい。以上、御報告させていただく。

<質疑応答>

●今、御説明をいただいた地域再生本部の主な取り組みの中の「地域主導による公物管理の実現」と「アウトソーシングの促進」については、規制改革会議の官製市場のところでも重点的に取り上げたもので、この中身はかなり重複しているのではないか。
 それから、地域再生推進プログラムの「地域再生の実現に向けた考え方と今回の取組の概要」のところで、「こうした取組を進める際には云々」というところで、財政諮問会議や都市再生本部とかと密接に連携を図り云々という風に書いてあるのだが、ここに何故か規制改革会議の後継組織の名前が入っていない。
 今、滑川室長の方からは、入っていないにも関わらず実質的にはよく連携をとってやる、と御説明があったのだが、そうであれば、何故あえて規制改革会議の名前が入っていないのか。これは滑川室長ではなく規制改革会議の事務局に是非お聞きしたい。
 例えば総合規制改革会議の後継組織が、官製市場の問題を取り上げようとした時に「ここに書いてないため、それは諮問会議とか地域再生本部と議論すれば良く、規制改革会議の管轄ではない。」と言われるリスクが高い。何故ここに規制改革会議を加える、ということを求められなかったのか、ということを是非事務局の方にお聞きしたい。

→御指摘については、次期改定の際には必ず改めさせていただきたい。ちなみに、先般の経済財政諮問会議において、金子大臣の方からも、このあたりのアウトソーシングの話等々について、是非制度面については総合規制改革会議でやるべし、というお話もいただいている。このあたりについては関係者では御了解いただいている、ということである。

●確認だが、改定というのは特区と同じように何回もやるのか。

→我々は提案を受けて議論をするというプロセスを考えているものであるので、そうした中で議論は出てくると思っている。タイミングその他については、今申し上げることはできない。

●印象的なことを申し上げて大変恐縮であるが、地域再生推進のためのプログラムの11ページや12ページを見ると、建設業で「経営革新」という書き方をされているが、それに対するケアであるとか、中小企業のファンドを創設するとか、民間を使ってやればいいものを官のお金を使って創業制度融資をするとか、いう風になっている。こういうものを見ると、例えば地方議員などのプレッシャーがあってこういうことになったのか、違った形で保護するような形のニュアンスがあるような印象を持つ。規制改革という流れの中で出てきた話であると思うが、内容が変わってしまわないようにするチェックはどのように行うのか。

→基本指針を作ったときに申し上げたとおり、従来型の財政措置を講じない、という基本的な考え方をもって対応してきている。今回は、規制に限らず、幅広い、いわゆる国の支援施策の改善・改革という観点からであるが、そういうものを通じて地域の支援をより効果的・効率的にできるようにしたい、ということである。そういう意味では、基本的には構造改革を通じた地域の活性化・再生という考え方に立っているつもりである。
 もう一つ申し上げるとすれば、このプログラム自身が、これから皆さんにやって差し上げます、というものではなく、こういうものを元にして、地域が自分で考えて何をやるか、その際にこういう支援策、ということを念頭に置きながら地域独自で、地域の資源を活かして考えていただきたい、ということ。そういった意味では地域そのものが主体として、対応していくというつもりなので、大きな構造改革という中で進めてまいる、ということであろうかと考えている。

(4)その他

(事務局)前回の会議における議論、すなわち「これまでの成果のPR等、本年度末までの広報の在り方」については、主として大きく2つ(細かくは3つ)の方法があったように認識。1つはPR関係であり、これは2つに分かれる。すなわち、議長からお話のあった国民向けのPRをどうするかという点、それから、議長代理からお話のあった専門家向けのPRを行ったらどうかという点。3つ目としてはいわば資料編纂、すなわち事務局に保存してある諸資料について、分かり易くきちっとまとめる必要があるのではないかという点。以上3つである。
 第1の「国民向けのPR」については、本日机上配布させていただいた「規制改革で豊かな社会を」という広報資料、現時点ではカラーコピーの段階であるが、これを内閣府でまとめ、印刷しつつあるところ。内容は、規制改革推進3か年の成果を中心に選定した事項であるので、当該広報パンフレットをとりあえず参考資料としてとりあえず5,000部印刷し、広く国民に配布しようと考えている。加えて当会議のホームページに掲載することを考えたい。
 第2の「専門家向けのPR」については、3月中下旬を目途に、マスコミ向けの懇談会を開催させていただき、3か年の総括をさせていただきたいと考えているところ。その際、当会議3年間で取り組んだ内容の説明資料を用意することを考えたい。
 第3の「資料編纂」については、規制改革における代表的項目については例えば「○○の事項については、前身である規制改革委員会でご提起いただいた後、当会議で議論が深まった」といったことが分かるように、いつ・何を議論したか、措置されたか等、いわば規制改革の歴史辞典といったものをとりまとめていくことを考えてみたい。
 なお、委員先生方におかれて規制改革関連の論文等を発表されていらっしゃれば、事務局で収集・整理をさせていただければといった点も考えているところ。

<質疑応答>

●「規制改革で豊かな社会を」のパンフレットについては、既に印刷段階とのことであるが、中身に不満がある。特にコミュニティスクール(事例06地域運営学校の法制化)の箇所は、ほとんど改革がなされていないという印象を与えている。こちらで書き直すから反映できるか。

→個別にご相談させていただきたい。

●今まさにご意見が出たように、このように多くの金をかけてパンフレットを作るという際に、なぜ事務局は関係委員に相談されないのか。例えば、事例とする15項目をどう選ぶかということは会議のポリシーに相当関わってくることである。中身(に対する不満)については今のご意見の通りである。
 そもそも、当総合規制改革会議は普通の審議会と異なり委員主導ということで、これまで成果を挙げてきた。事務局が作ったものを委員がただチェックする他の審議会と同様であればこれ程までの成果は得られなかっただろう。しかし、最近は事務局によって特に普通の審議会と同様の運営がなされているという印象を強く持っている。文句を言われないように委員に伺いを立てるということではなく、委員の知恵を活用するために相談するということをお願いしたい。
 それから、事例である15項目から抜け落ちているもので、取り急ぎ重要なもので思いつくのは、随分長い間議論してきた結果として成果が挙がった「医療の広告規制」である。また、職業紹介の件においてはパンフレット中では手数料の件しか記載がないが、そもそも、ポジリストで限定されたものしか出来なかったものが、ネガリストになり現在のような範囲まで自由化された。それを手数料の話だけでいわば矮小化されて良いのだろうか。
 パンフレットからは、どうも事務局は総合規制改革会議が出来てからの成果ということにこだわられているように見受けるが、当会議の流れは前身の規制改革委員会と一体的につながっており、したがって、どのようにすれば一番インプレッシブに規制改革の効果を訴えられるのかと考えれば、やはり委員の知恵を活用しないというのは非常に残念なことではないか。

●私自身も、本パンフレットの事例において都市再生問題や建築関連の問題が全然出てこないのは不思議に感じる。例えばマンションの建替法や用途規制問題等、随分議論したにも関わらずどうして事例として挙げられていないのか。これでは都市再生問題はほとんど規制改革に取り組んでいないような印象を受ける。

→ページ枠との関係もあり、比較的消費者の立場で理解しやすい項目を重点的に事例として取り上げたという趣旨。もし総合規制改革会議でPR資料が必要であれば改めて事務局で考えさせていただく所存。当面、「国民へのPRの実施」という前回会議のご議論に対し、政府の広報として作成した当該パンフレットを当面使用するという趣旨ゆえご理解賜りたい。

●委員の皆さんの意見をもう少し取り入れて改訂するということは出来ないのか。

→印刷の当該パンフレットはこれとして、おっしゃるご趣旨であれば考えたい。

●せっかくの機会でもあり、出来るだけ委員のご意見を頂戴して、出来る範囲で取り入れていただければと思う。

●しかし5,000部は既に印刷しているとの由。どうするのか。

→PRには様々な方法があるように思う。また、今回の当該パンフレット5,000部は5,000部で使用させていただくが、今回賜ったご意見の通り(増刷時等の)改訂を行うことは可能であり、また、ホームページに掲載するものについては委員の皆様のご意見を十分反映させていただきたい。

●当該パンフレットについてはデザインも含めて良くない。こんな形で世に配布されると委員のセンスも疑われることになる。

→当該パンフレットは内閣府の資料であり、内閣府の事務局の責任の下で作成させていただいたということで、決して総合規制改革会議の名に傷をつけることではないということでご理解賜りたくお願いしたい。

●総合規制改革会議の名称もパンフレットの中に表示があるので、委員として容認したということになる。

●5,000部出来上がったものに間違いがあるわけではない。したがって、それはそれで配布いただくとして、ホームページに掲載あるいは増刷時においては 委員よりご意見をいただく、ということでまとめさせていただきたい。
 当該パンフレットについては総合規制改革会議事務室との表示もあるので、委員のご意見については出来るだけ取り入れるようお願いしたい。

以上

(文責 総合規制改革会議事務室


内閣府 総合規制改革会議