国土交通省との意見交換

○宮内主査 大変お待たせいたしまして申し訳ございませんでした。
 それでは、続きまして、残されました時間内で、本日の2つ目のテーマでございます、高層住宅に関する抜本的な容積率の緩和のテーマにつきまして、国土交通省との意見交換を行いたいと思います。
 本日は、大変御多忙の中、国土交通省から澤井都市・地域整備局長、松野住宅局長を始め、御担当の皆様方においでいただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。本テーマにつきましては、資料3−1にございますように、当総合規制改革会議といたしましては、我が国における都市環境、居住環境を大幅に改善するため、また需要創出の観点から、高層住宅の整備に関する規制を抜本的に見直す必要があると考えております。 その中で、特に容積率制限については、その考え方自身を抜本的に改め、インフラに対する負荷という、このような観点からのみ規制を行うことで十分ではないか。したがってインフラへの負荷の小さい高層住宅については、その容積率制限の抜本的な緩和を緊急に図るべきではないかと、このように考えております。
 この点は、当会議の第二次答申でも、平成15年度以降検討するということが盛り込まれているところでございますが、さらなる大幅な前倒しが必要ではないかというふうに考えるところでございます。
 こういう点も参考にしていただきながら意見交換を始めたいと思います。
 まず、国土交通省から申し訳ございませんけれども、10分程度でお考えをお示しいただきたいと思います。

○澤井都市・地域整備局長 都市・地域整備局長の澤井でございます。よろしくお願い申し上げます。
 お手元に「『高層住宅に関する抜本的な容積率の緩和』について」という資料と参考資料をお届けしてあると思いますので、これに従いまして、ざっと御説明申し上げます。
 まず、最初の表紙を含めて4枚紙の方をごらんいだたきたいと思いますが、都市計画は色々な場面で議論をされることが多うございます。そうした中で、今の日本の都市計画は厳し過ぎるという意見と、ある意味では緩過ぎるという意見、双方の意見があると承知しております。
 我が国の20世紀の後半の50年と申しますと、御承知のように、大変旺盛な建築活動が行われてまいりまして、ある意味では建造物をつくっては壊すということの繰り返しできたのではないかというふうに思います。
 これに対応いたしまして、都市計画、建築規制の方では、一律に、言わばミニマムの規制をまずかけて、個別によりそれを強化したり、緩和したりすることが適当だというときには個別にそういうことができる、そういうルールをつくって、一律につくらず個別対応ということを基本の構造として、これまで対応してきたところです。
 今後更に総合規制改革会議の御議論も踏まえまして、より世の中のニーズに、これは短期的と同時に、長期的なニーズもあると思いますが、的確に対応できるように私どもも検討を進めていく所存でございます。
 この場合、大切にしたいと思っておりますのは、地方公共団体、あるいは民間の都市再生をお進めいただく事業者の方々、また影響を受けます、国民あるいは住民の方々の、言わば現場レベルの問題意識を大切にしていくということを検討の1つの基本的なスタンスに考えているところでございます。
 最初に1ページから3ページまで、字の資料がございますが、ざっとごらんいただきますと、皆様方は御承知の点が多いと思いますが、今言いました、まず一般ルールとしての容積率規制があるということでございまして、これは個々の敷地単位の建築計画、大きい敷地、小さい敷地、あるいは道路条件はどうかということが、それぞれ全部違うわけでございますが、そういった敷地の特別な状況を踏まえた建築計画を前提とせずに、言わば事前の段階で一般的に決まっているということと、それから公共施設への負荷、あるいは市街地環境の維持という2つの目的があるということでございます。
 こうした規制は、最初にも言いましたが、厳密さや、あるいは柔軟さに欠けるという批判はありますけれども、建築活動が非常に活発であるという我が国においてはふさわしい、簡便な手法として一定の合理性があるだろうというふうに考えております。
 枠外に○が4つほどございますが、2つ目の○をごらんいただきますと、容積率規制は、昭和38年に導入されました。それまでは、住居地域20m、住居地域以外31mという絶対高さ制限で対応してきたわけでありますが、建築技術の確立に伴いまして、高層ビル等、自由度の高い建築物ができるようになったと、そのボリュームをコントロールする手法として導入されたということがございます。
 一番下の○にありますように、一律規制というのは、画一的である反面で緩やかであるという面を有するわけでありますが、地域の状況に応じて、例えば地区計画などを使いまして、もっと狭い範囲できめ細かな規制が行われるべきだという議論もございます。
 2ページをごらんいただきますと、今言いましたような、一定の合理性と同時に、一定の限界を有する一般ルールでございますので、これを補完する緩和の仕組みがいろいろございます。
 ・に一律規制の一面の性格を示してございますけれども、例えば敷地面積が100 平米であろうと、1,000 平米であろうと、同じ規制がかかるわけであります。一方で計画のやり方というのは、敷地面積によって当然違ってくると。それから、住宅・非住宅では、インフラ負荷という意味でも違うと。
 同一の規制を受けている地域の中でも、公共施設の状況も敷地ごとに違うということで、そういったものにあえて同じルールを被せているわけでありますから、個々に見れば厳し過ぎる場合も、緩過ぎる場合もある。合理的でないケースがあり得ると。こういったことを補完するために、特別なエリアを限ったり、あるいは具体の建築計画を見て容積率を緩和する仕組みが、下に○で記してございますけれども、逐年的に追加されてきたというのがこれまでの経緯でございます。
 その中で御指摘の住宅についてでありますが、非住宅よりも手厚い容積率の緩和が行われるようになっております。
 3枚目に、会議の方から御指摘のございます、抜本的な容積率緩和ということでございます。この容積率の緩和という中で、御指摘の内容は私ども理解が不十分かもしれませんが、幾つかのパターンがあるのだろうと思っております。
 1つ目は、最も端的に容積率を全くフリーにすると、住宅に関しては一定の容積率について完全にフリーにする、ノーチェックにすると。
 2つ目には、今ある特例制度では不十分なので、それを拡充すると。
 もう一つ、容積率規制という規制手法をやめて、代わる形態規制で置き換える。
 このような御提案ではないかというふうに考えております。
 イ)にございますが、全くの事前に明示されたルールがなくなりますと、恐らく個々の建築の段階で色々な摩擦が今まで以上に増えるのではないか。
 それから、代替手段を持ち込むとすれば、かえって建築の自由度、容積率は建築の自由度を実現するために導入された規制手法でありますが、逆に今までよりも規制強化になるようなことが予想されるのではないかということで、現在当面は一律的な容積率規制を基本としながら特例制度を活用していく、それの充実を図っていくということが最も現実的ではないかというふうに考えております。
 下の○に即して若干補足いたしますと、事前にルールを明示するということで、あらかじめの合意形成が図られる。あるいは、色々な立場からの予見可能性が与えられるという効果はありますけれども、それがなくなりますと個々の建築ごとにゼロベースからの調整が必要になって、かえって混乱するのではないかという懸念が我々はあります。
 仮に今の事前明示ルールに合っていても、裁判で争われているという事例が最近一部見られるところでございます。
 東京都心3区で建築紛争の実態を見ますと、年間200 件余りございますが、その8割が高層マンション、共同住宅に関わるものであります。
 また、同じく7割が商業地域、これは都心3区で商業地域の面積が比較的に広いということも聞いておりますけれども、商業地域でそういう紛争が多いということでございます。 一番下の○にございますように、最近ではより良好な環境の確保という観点から、今日も目黒区でそういうことを検討しているということが新聞に出ておりましたが、建築物の高さなどについてより厳しい、今までにない制限を導入しようという自治体レベルの動きもございます。
 最初に公共団体、あるいは取り組まれる事業者の方々、また住民の方々の問題意識を大事にしたいというふうに申し上げましたが、今まで申し上げましたこともそれに即して申し上げたつもりでございますけれども、東京都、あるいは関係の区でどんな感じを持っているかということを資料には直接書いてございませんが、若干御紹介申し上げますと、まず、住宅に関してということであっても、容積率を完全にフリーにしてしまうということは、どんな建物がどのぐらいの量できるかの事前の予測を不可能にする。したがって、都市の将来像がなかなか描きにくくなる。都市づくり全体を進める上で非常に困るということと、個々の建築レベルでも紛争が増加することが懸念されると。
 それから、逆に市場の方も、どのぐらいのボリュームのものが住宅として供給されるかが読み切れなくなるので、みんな手控えるのではないかという見方を都の方ではしておられるようであります。
 特例制度がいろいろある、それを使えればいいという基本的なお考えがある中で、現実にそれが進まないのは、緩和の仕組みが不十分だからというよりは、むしろそういうものを使えるようなまとまった土地がなかなかないんだと、東京の場合敷地が細分化されている、あるいは接道条件が非常にばらばらであるということで、勿論そういう条件がそろったところもありますが、まとまった土地が非常に少ないということの方が、よりネックではないかというような感じをお持ちでございます。
 ある事業者の方に聞きますと、今までも容積率はなかなか十分使い切れていない。これは敷地条件が整ったところが少ないということもあるのだと思います。そういう緩和制度が生かせるのは、特定の場所なり場合に限定されるということと、一律規制の容積率がなくなると、なかなか事前に事業採算を立てる上で困る。採算性がつかみにくくなる。更に言えば、先ほども言いましたけれども、周辺との調整の中で更に容積率を下げさせられるというリスクも出てくるのが心配だと。
 容積率規制の代わりに、道路斜線などが強化されると、これまた設計の自由がなくなるのでやりにくいと、むしろ今の道路斜線制限なんかをもっと緩和してもらいたいぐらいだという御意見もありました。
 実は、そういった御意見もありまして、一律の斜線制限ではなくて、昨年の基準法の改正によりまして、言わば性能規定化を図った部分がございます。天空率が一定であれば、斜線ということにはこだわらないという改正もしているところでございます。
 参考資料の13ページをまずごらんいただきますと、先ほど数字で申し上げましたけれども、紛争の数字を整理してございます。都心3区で建築関係の紛争が215 件あって、約八割が共同住宅に係るものだと。
 場所でいいますと、商業地域が約七割を占めている。
 次の14ページに、その紛争の内容でありますが、日照ですとかプライバシー・圧迫感、工事中の被害というのが件数的には多ございますが、更にその下にいきまして、景観・街並みといった辺りが紛争の内容でございます。
 恐縮ですが、その2枚前の11ページと12ページをごらんいただきますと、容積率を数字だけで議論しても何ですので、実際にどういうものかということを我々の方で絵にしてみました。
 1つは11ページの例は、浦安のマリーナイーストという住宅団地でございまして、かなり建て混んでいるように見えますが、これは容積率ベースで言いますと152 %でございます。これを機械的に400 %に、建物の建ぺい部分は同じにして、上に比例的に伸ばしてみますと、下の絵のようになります。率直的に見まして、かなり400 %でも、この建物の下に立ちますと、相当な圧迫感があるのかなと。
 次の絵も同じですけれども、これは計画的・一体的にこういう整備をしてこうなると、だから同じ容積を隣棟関係なんかも最も適切なものにした上でこうなるということでございます。
 もう一つ、12ページの絵は、大川端のリバーシティ、現行容積、これも一体開発ですから、計画上最適に配置をされているという前提の開発でございますが、現行容積が538 %でございます。これを全体を4倍にするということで、今ある棟をおおむね倍にします。それから、同じようなものをもう一本ずつつくるということで仮に絵を書いてみますと、下のようになります。大体2,000 %の市街地というのは、こういうことかなと。これは、棟数を増やさずに一本一本4倍にする手もあるわけでありますが、それは余り現実的ではないだろうということで、そのような絵をつくってみたということで、先ほど11ページの絵について申し上げましたようなことを、下の※印で記してございます。現在の市街地が一体的・総合的に計画されたものであることからこうなりますが、これを敷地を分割して一個一個やっていくと、もっと整然としないものができるということになるわけであります。 そんなことで、いろいろ私どももこれからも検討していきたいと思うのですが、1つお願いがございますのは、是非今申し上げましたような地方公共団体、あるいは事業者の皆様方も是非この会議においてヒアリングで生の声を聞いていただけないかということを最後に申し上げまして、最初の御説明といたします。
 ありがとうございました。

○宮内主査 ありがとうございました。本件は私どものワーキンググループ、住宅・土地・公共事業ワーキンググループで既に議論がされているテーマでございまして、当ワーキンググループの主査でございます八田委員から、まず口火を切っていただければと思います。

○八田委員 御説明ありがとうございました。この参考資料にもございますように、容積率に関しては、さまざまな特例措置が設けられて、経年的に弾力化されてきたというふうに思います。
 また、第2次答申では容積率を何のためにやるのかという目的がはっきりしていないことが基本的な問題だということを私どもが御指摘しましたところ、「その目的を明確化して、性能規定化した大改革をいずれやる。ただしすぐというわけにはいかないけれども、やはりその方向で考えている。中期的な課題にしたい。」というお答えでした。またこのことが2次答申でも盛り込まれております。
 したがって今回、私どもが御要望するのは、大々的な性能規定化を今の段階でやっていただくということではなくて、その一部のできそうなところは前倒ししていただけないだろうかということです。
 これまでの都心における容積率の規制の目的は都市のインフラに対する負荷を軽減するということがあったと思います。その中でも最も重要なのは通勤の鉄道の混雑緩和のための利用客の抑制です。例えばそれが大きな目的だとすると、居住用ビルに事務所用ビルと同一の容積率規制をしていたのは不必要に強すぎる規制だったといえます。まず居住用のビルをつくることは、そのような通勤の施設に対する負荷を増やすどころか、むしろ軽減します。
 それから、ガスや電気に関しても、事務所と住宅は、使う時間は全く違います。電気なんていうのはむしろ都心で朝早く使われた方が、実際問題として現在における都心における早朝の電力需要の急激な伸び、急伸性を和らげるという効果がある。
 したがって、こういうことを考えますと、今まで都心で居住用のビルに対してオフィス用の容積率を当てはめてきたことが、全く不必要に都心の居住を制限してきたという面があります。それが日本の名高い通勤地獄の原因の大きな要因だったのではないか。ということは、都心における居住用の容積率を緩和してできるだけ多くの人が都心に住めるような状況をつくりたいというわけです。 勿論それに際して、それが別なインフラに対する負荷をかけるようなことがあってはいけません。しかし、少なくとも幾つか資料の3−2で御提案した居住用の容積率の緩和策ならば、インフラに余分な負荷をかけずに可能なのではないかと思います。
 例えば・では、4ha以上の再開発地域、これはかなり大規模な再開発地域ですが、そういうところでは事務用はともかく、居住用・店舗用については、容積率を完全に自由化したらどうかと提案しています。ある程度の広さがある再開発地域においては、いい街をつくって、いい再開発をしたら、それは高い値段で売れるわけですから、開発業者は、いい環境をつくります。もし先ほど写真でお見せになったように、大変な圧迫感があるというようなものは、開発業者自体がつくらないでしょう。地域外に影響が少ない居住用の容積率は、開発業者の選択に任せればいいのではないかということが基本的な考えです。
 次の2は、都心部の商業地域において緩和を図られたいということです。商業地区においては、現在既に、用途別容積型地区計画では、住居用であれば、ある基準を満たせれば基準の1.5 倍の容積率を認めているというわけです。ところが、ここには2つ問題がございます。まず、現在の制度では、全部住居用にするならば1.5 倍を認めるが部分的に居住用にするのならばそうではないということです。むしろ元来の性能規定の考え方からいったら、オフィスビルの容積が基準の容積に満たない限り、混合ビルの容積率は1.5 倍にしてもいいのではないでしょうか。すなわち、一部オフィス、一部住居の場合にも1.5 倍にしてもいいのではないでしょうか。
 次に現在の居住用容積率緩和策は、住宅を優遇する結果、オフィス用のビルがその分減少していくという弊害を持っています。したがって、混合用の建物を建てた場合に、仮にオフィス用の容積率が基準の容積率を満たさないならば、あらかじめ都市計画で指定した地域内でその未使用の容積率を移転してはどうでしょうか。もう一つは、そうやりますと容積率を移転できますから、住宅用のビル、あるいは混合用のビルを建てるところは、実際にはオフィスを建てるところが補助金を得るような形になります。 したがって、今よりも都心の居住用のビルの建設が進みます。すなわち、もう既に1.5 倍を認めている地区について、全部住宅を建てるなら1.5 倍を認めている地区について、その元来の精神に戻って合理的な改正をしてはどうかということです。それによって混合用途が促進されるということだけでなく、住宅を優遇するとどんどんオフィス用のビルが減っていくという弊害を避けることができます。以下のように少なくとも1と2の提案を実行しますと、今の長距離通勤の問題にかなり抜本的な解決になるのではないかと思うのですが、2つの提案について御意見を伺いたいと思います。

○原田都市計画課長 都市計画課長でございますが、今、八田先生からお考えをお聞かせいただきまして、総じてまず申し上げますと、基本的な考え方の部分では我々とかなり共通している部分があるというふうに思います。ただ、多少、主として方法論とか、技術論の部分で、多少気になる点が幾つかございますということでございます。
 共通しているという部分を申し上げますと、今、八田先生の御説明にはございませんでしたけれども、グランドデザインに基づいてというお話でございまして、我々も将来的なトータルな姿をきちっと示して、それに基づいて街づくりを進めていくことはそのとおりだと思っておりますし、更に特に都心部、商業地域等々で、住宅と非住宅とが適度なバランスで保たれているような街を実現していくということもそのとおりだと思います。
 今、もう一つ公共施設の整備の話、多少この中にも入ってございましたけれども、我々もプロジェクトを進めるに当たって公共施設をつくりますけれども、過度な開発者負担というのは是正されるべきであるというふうに思っております。
 もう一つ、容積率の話がございましたけれども、これは細かいことは抜きにいたしまして、先ほど八田先生のお話は、4ha以上であるとか、あとそれ以下のものについて容積率緩和のインセンティブに差を付けるべきではないかというお考えだったのだろうと思いますが、我々も開発条件の違いによって、容積率の緩和に差を付けていくというのは、基本的な考え方として十分あり得る話だというふうには思っております。
 多少気になる点ということで申し上げますと、これは従来からワーキング等々で申し上げていることなのですけれども、今お示しの考え方の前提として、住宅から発生する交通量、例えば発生交通量という意味では住宅についてはゼロ、あるいは今の指定容積率は非住宅だけを念頭に置いた容積率設定だというようなことを前提とした制度設計がされているのではないかというふうには思いますけれども、これは従来から申し上げていますように、オフィスと住宅では発生交通量の単位は違うと思いますけれども、住宅自身から発生する通勤・通学でありますとか、住宅に伴いますスーパーだとかコンビニ等々による色々な発生交通量は、オーダーは違うにしても、無視できないものではないかということが1つございます。
 それから、もう一つ先ほどのグランドデザインというお話で、我々も内容が十分理解してないかもしれませんが、やはりグランドデザインということからすると、ある地区を念頭に置いて、やはりきちっとしたできるだけ詳細な事前のルールをグランドデザインということで決めるということは、先ほど局長も申し上げましたように、予見可能性を与えると。
 その事前のルールを前提にしてその緩和とか、何とかがあると思いますけれども、少なくともある地区についてグランドデザインという中で、ある程度の詳細な事前ルールというのは不可欠ではないかというふうに考えております。
 まとめ的に申し上げますと、これは多少意見が違うのかもしれませんが、先ほど八田先生からも御紹介いただきました、用途別容積型地区計画制度でありますとか、あるいは特定街区、あるいは昨年つくりました都市再生特別措置法による、都市再生特別地区、これは特に区域を限って既存の規制をすべて白紙に戻すという制度でございますので、そういう現行制度を通じても今、御提案あったことは相当程度やり得るのではないかという感じを持っております。 とりあえず以上でございます。

○八田委員 1つは、例えば4ha以上の大きな開発の場合に、スーパーやコンビニに対する交通量というのはその中で解決できるでしょうし、あるいはスーパーやコンビニを義務づけるというようなこともあり得るかもしれない。
 それから、それが本当に大きな問題ならば、グランドデザインと呼ぶか、グランドデザインと呼んでいつまで経ってもやらないというのは一番困りますから、ミニグランドデザインでもいいですが、そこでもってスーパーなどが近いということを条件にするということもあり得ます。同じマンションのタワーの中にスーパーがあるところは幾らでもあります。そういうことで実際的に交通量が本当に発生する恐れがない場合には実効的にここで提案したようなことは可能なのではないかというふうに思いますが。

○原田課長 ちょっと説明不足だったかもしれないのですが、先ほど申し上げましたように、4haがいいかどうかは別にしまして、ある相当なまとまりで色々な施設がその地区の中で完結的にできるとか、あるいは一体的な色々な設計が可能だというケースにおいては、先生のおっしゃるようなことは十分に考えられると思っております。そのための制度として、むしろ先ほどちょっと申し上げましたけれども、特定街区とか、都市再生特別地区はまさにそうなのですが、ほかの色々な条件があるにしても、容積率について言えば全く上限なしの青天井というのがいいかどうか別ですけれども、都市再生特別地区の中で色々な計画要素も加味しながら、容積率については決めていっていただければ、恐らく色々な意味で対応可能なのではないかとふうな感じはしていますけれども。

○森委員 今、面白い事例として御提示いただきました参考資料の11ページ及び12ページなのですが、結局この11ページの方は、400 %という容積率レベルであっても、15階ぐらいの感じでしょうか、この程度の建物が中心である限り非常に過密感が出てくるという、もっと高くすれば、もっと容積率を入れても過密感が出てこない、あるいは、隣棟間隔が十分取れるのではないかということを示していますね。
 もう一つの方は、今度は高くても、住宅ばかりを建てて、地上部分、低層部を十分に面的に活用していないと、そういうところに容積を入れられないというケース。つまり用途を単純化してしまって、住宅だけ建てるということによるある種の問題の形を示していると思うのですが。
 3つ目は、このケース、いずれも公共施設ですね、つまり街路とか公園といったものの比率が非常に低い宅地についてだけを計算していると、やはり街区における容積率と、地域における容積率というような考え方を取るべきなのだろうということについて、まだ十分に考えられていないのではないかというふうに思います。
 特に低層部分には、本当に100 %の建ぺい率であっても、太陽を必要としないようないろいろな用途、オフィスもある意味でそうですし、コンベンションとか、あるいは色々なもののストック、都市施設なんかを入れる場所とか、ショッピングとか、そういうものはその中に入りますし、勿論パーキングや何かはその下に入ると思うのですが、そういうものとのミックスユースでいろいろやると、劇場や何かもそうでしょうが、つまり明るさを必要としない種類の施設がたくさんあると。そういうものと混合して、総合的に容積を考えれば、1,000 が1,500 でもそうびっくりすることはないし、表参道の安藤先生の建築では地下に容積のうち60%が入っていると、そういう建築の仕方もあるということだと思います。
 特に今度改めてお願いしているのは、日影規制ですね。この日影規制というのは、高く建てると、言ってみれば無限大に影響範囲が広がって、計画地区内にとどまらないわけです。これがあるために、結局超高層化できないということで、非常に実質的には容積を抑え込む効果を上げていると。これは日本にしかない制度だと思いますので、これを何とか廃止したいと。
 つまり一定距離、大規模建築でやった場合に、それから街路や何かが十分にあった場合に、光が及ぶ地域は相当程度離れるわけですから、そうすると影も薄い、明るさ率にほとんど影響ないというようなことになります。日影だけは絶対天与の権利であるかのごとく扱われて、いろいろな緩和がほとんどないということですね。つまり相手が承知しても法律は認めない。日影が及ぶ範囲に補償してきてもやらせないというほどきつく規制されていますが、これは多いに弾力化していいのではないかというふうに思うのです。
 そうすることによって、空をもっと使えるようにすれば、1,000 %、1,500 %レベルの容積率であれば、タワー部分も相当の間隔をもって、隣棟間隔を保障しながらつくれるし、ましてや低層部に相当の容積を積み込むことによって、更に大きな容積も実現している例は外国にもたくさんあると思いますし、そういうふうに高度利用することによって、あるいはミックスユースにすることによって色々な都市の中のアクティビティを容易にして、かつ省エネルギーというような形が実現できると、効率が高いスペースが得られると、そういうふうになるのではないか。
 ですから、今まではせっかく利用できる規模にしても、絶対の容積率を1,300 なら1,300 を超えないというふうに抑えるということによって、高度利用を妨げてきたのですけれども、そういう意味ではもっと弾力的にという、大規模であってかつミックスユースであって、かつ周辺の環境条件、公園、河川、街路、その他の条件が違えばもっと弾力化してもいいのではないかというふうに思いますが。

○宮内主査 どうぞ。

○澤井局長 11ページ、12ページの絵に関連して申し上げますと、この絵はちょっと説明不足かもしれませんが、12ページの一番下の※印のことを実は言いたかったわけでありまして、一時規制をなくしたり、あるいはどんと緩和すると、結構大変だろうなというつもりでつくっています。
 だから、基を計画開発したものですら、それを倍にしたり、4倍にしたりするとこうなる。それを一個一個ばらばらにやったら、ちょっと見当が付かないということを申し上げたいわけで、今、森委員おっしゃるような、個々の敷地なり、あるいは地区なりの依存できる外部の環境も含めて、接道条件とか空間条件とか、また中の計画の仕方で、立体的な観点も含めた用途の配置とか、勿論建物の配置ということを考えて、真ん中にぐっと高くして、周り、足元をもっと空けるということができる場合には、これは一律規制の世界ではなくて、運用の仕方はいろいろと御議論あるのかもしれませんが、特例の活用によって色々なことができるし、またそれについてもし合理的なニーズがあれば、我々も色々な見直しはしていかなければいかぬと、その世界であればそう考えております。
 ただ、完全自由化という御議論もあるやに伺いましたので、そういうことを今の一律規制から更にそっちに行くと、少なくともこの絵のようなことになるのではないかと、もっと悪いものになるのではないかということを申し上げたいということであります。

○松野住宅局長 住宅局長でございますが、日影規制につきましては、建築基準法でございますので、私の方からお話申し上げますが、日影規制もいいところ、悪いところ当然あるとは思いますが、少なくともかつて日影規制のないときの時代を私は経験しておりますが、その紛争のすさまじさ、件数というのは大変なものでございました。これをもう一度ルールのない時代に戻すというのは大変大きな社会的な問題を惹起するのではないかと思います。
 それから、先ほど今のやり方が、日影が超高層ではなかなかできにくいとおっしゃいましたが、現在の方式は高い超高層のものを建てれば建てるほど日影は遠くに行きますけれども、その通過が非常に早くなりますので、非常にクリアーしやすくなるわけです。あの日影規制のお陰で超高層が建てにくくなっているということではなくて、むしろ建てやすくなっているというのがあの規制の仕方でございます。
 それから、確かに低層住宅地では、これまで1階レベルで日影を測定すると、それから中高層住宅地は2階レベルで測定するというルールでございましたが、昨年の基準法改正で、東京では1、2階は店舗・事務所というのがありますので、もう3階以上が住宅地の空間だという場所もあるだろうということで、3階レベルでの日影測定も可能なような改正をいたしました。
 現在、東京都で各区に意見照会をしながら、その実際の場所をどう決めるかという作業をしておりますので、その点についてはある程度改善されるのではないかというふうに考えております。

○森委員 たしかに今のお話で改善が進んだということは認めますけれども、やはり1棟の場合はいいのですが、こういうふうに総合的な開発をしようということになりますと、やはり規制にかかってしまうと、超高層を並べることができないということになりますので、やはり今のレベルでは困るのです。
 それから、確かに何m以上というのはいいのですが、やはり地域によってはもう30mレベルまではオフィスでいくということになれば、そのレベルまではいいではないかとか、もう少し弾力的にやってもいいのではないかと、つまり2階レベルとおっしゃいましたけれども、2階って何mなのか、ものによっては随分違いますので、業務地域などはもう2階でも20m、30mという建築もあると。

○松野局長 今おっしゃったレベルは、ちゃんと2階レベルというよりも、法律ではちゃんと決めてありまして、低層住宅地では1階相当の1.5 mレベルと、中高層住宅地では2階レベルというのは4mというふうに決めてありまして、ちゃんとその基準は明確にしております。
 それから、幾つか並べたときに問題が発生するというお話は、確かにそれは複合日影と言いまして、両方の住宅、あるいは3棟並んだときの日影が非常に分厚い日影になって、住宅地に及ぶ場合に問題が起きるというケースです。
 しかし、これは住宅地にそれだけ濃い光が落ちること自体を、それでいいではないかというわけにはなかなかいかないわけです。社会的なコンセンサスがそれだけ本当に、住宅地に住んでおられる皆さんが。つまり日影規制というのは、東京の都心3区ではかなり商業系が多いものですから、日影規制そのものをやっていないところの方が圧倒的に多いわけです。7割ぐらいはもう条例でも日影規制をやっていないわけです。
 ところが、住宅地に日影が落ちる場合は反射的に規制がかかるわけです。これは、確かにそうしておかないと、住宅地の人が商業地に超高層でばかでかいものを建てられたときにどうしてくれるんだという議論が起きますから、これは反射的に規制がかかるようにしてあります。
 そこのところは、やはり規制の仕方として、言わば日影というものは日照をコントロールするのではなくて、日影排出規制をやっているわけですから、そこの仕組みはどうしても変えることができないだろうと思います。

○八田委員 個別にやろうと思いますので、できたら容積率のことで今日は時間を使いたいと思います。

○森委員 関係が非常に強いものですから、もう少し言わせていただきたいのですが、つまり大都市の中で、日影規制が冬至のときに2階建てでも何でもみんな及んでいるんですね。それをそこまではいいとか何とか言っている場合は、もう明るさ規制に変えた方がいいということだと思うのですね。特にさっきの遠く離れているときには、もう影は非常に薄いということで、曇っているとけしからぬと言っているようなもので。

○松野局長 ですから、遠く離れて早く通過するところはもう規制をクリアーしているんです。

○森委員 並べて建てると、複合日影ではあっても、その限りはこういうわけでもないということだし、ましてやどこの地域でもと言っているわけではなくて、しかもそれを受忍してもいいと相手が言っている場合でもいかぬという、そういう規制は必要ないと。

○松野局長 ちょっと言葉足らずだったのですが、港区でも住宅地と言えども400パーセント以上の容積率指定をしているような、高度利用する住宅地では日影規制は適用されておりません。条例からの適用除外です。したがって、しかるべき環境を守るということを、言わば都市計画も含めて建築基準法の条例の世界でも、コンセンサスのあるところに条例で指定をしているわけでして、これをいきなり大都市だから日影規制は要らないとか、日照は要らないのではないかというわけには多分いかないだろうというふうに思います。

○森委員 例えば、2階建てまでの住宅地域という、そういう高度制限がかかっている地域というならまだわかるのですが、4階ぐらいのマンションや何かを建てて、住居専用地域だと言っている地域に対して、更に今の日影規制というものを守る必要があるのかということで、そうでない地域って、23区で少なくとも山手線とかの中にはありませんので、そういうところでそういう規制をまだ守るのだという姿勢を取る必要はないのではないかと申し上げたいと思います。

○宮内主査 それでは、八田さん。

○八田委員 そうしたら、具体的に容積率の話に戻りますけれども、例えば今の制度でもってできるのではないかというふうにおっしゃったのですけれども、例えば用途別容積型地区計画の場合に、実際問題として住宅が6割だったらば1.5 倍にはできないと。ここのときの根拠、これが必ずしも明確ではないのではないかと思うのです。
 それから、今、容積率の移転を認められているような地区の中では、こうやって住宅ができる度に減っていく事務所用の容積を移転できるというようなことにするというのも、現行では認められてない。こういうことについてできない理由というのは、どういうことでしょうか。

○原田課長 例えば、容積率の上限ということに関して言いますと、多少分けて議論した方がいいと思うのですけれども、法令できちっと容積率の上限の設定の仕方について、法令できっちり決めているケースが1つと、もう一つは、法令では決めてないけれども、我々国の運用として多少こういったものをお勧めしますということで国の運用でルールを決めているケース、それから、法令の運用を含めて国は何も言っていない、公共団体が独自の考え方でルールを決めているケースというのがありまして、例えばということで申し上げますと、用途別容積型地区計画につきましては、法令上は1.5 倍と言っているだけでございまして、少なくともその1.5 倍の限度の中で、住宅の割合との関係でどういうふうに容積率を設定するかということは、少なくとも法令では言っておりません。
 ただ一方で、確かに我々は運用で多少住宅の割合を見ながら限度を決めるようにと、これはどちらかというとそういうことが望ましいという類いの話で、運用では言っていることも事実でございますので、先ほど局長が申し上げましたけれども、そういう運用の世界で多少改善するところがあるのかどうかということは、公共団体とか事業者の方々の意見も聞きながら検討はしてみたいというふうに思います。

○八田委員 そこにきちんとした理由があるなら規制したらいいと思うのですけれども、そうじゃないために長距離通勤をみんなが強いられて、都心の居住が非常に高くて、普通の人じゃまず無理だという状態というのは非常に不健全だと思うのです。
 理由があるなら勿論規制すればいいけれども、こういう場合には、理由が非常に見付けにくいと思います。
 もう一つ、先ほどの森委員がおっしゃったことについて言えば、広いところについて先ほどの写真のように混み合った形にするか、それとも日が当たらない建物のところは、建物をそこに建てて、実際的に入ってくる人にとって好ましいものをつくるか、それはやはり自由度を与えるべきで、事業者が決められればいいことです。始めからそれができないという規制をつくっておくのは理由がないのではないかということなんです。つまるところそういうことなのです。

○澤井局長 今の仰せの点は、端からできなくしているつもりはなくて、先ほどの絵はあくまでも一律規制を2,000 とかで一般化するともっと酷くなるということを一番言いたいということは、さっき申し上げたとおりでありまして、あのエリアで色々なことを計画的に一体的にやる分には、色々なことができるようにするのが合理的であり、また今の制度でも相当程度それができるだろうと思っています。
 だから、それはそれできちんとやらないといけないと思います。そういういいプロジェクトこそ、これからどんどん起こしていくべき時代だと思います。

○八田委員 都市再生の特区にしても、基本的には自治体が規制をかけ得るわけです。住宅に関してインフラの負荷をかけない場合には、これは全くの別制度にするんだということの方が長時間通勤を防ぐためには、社会的に便益のある規制なのではないかと思うのです。自治体が特区内で住宅に関して容積率規制をしてはいけないというしばりが必要なのではないかと思います。

○原田課長 確かに都市再生特別地区も都市計画でございますので、最後の姿を見るといかにも公共団体が色々な民間事業者の意向と関係なく、自分で土地柄を見ながら勝手に決めるというように見えるかもしれませんが、併せて、都市再生特別措置法では、民間事業者の提案制度というのを入れておりまして、民間事業者の方がそれなりの開発計画をお持ちになって、その開発計画をベースに都市再生特別地区の容積率の最高限度はこういうふうに上げてくださいとか、そういった提案をしていただくという仕組みをつくっておりますし、これは運用でございますけれども、我々は基本的に都市再生特別地区の運用は、民間事業者の提案を待ってやるのを原則としてほしいと、まさにそのための制度ということでつくったわけでございまして、そういう民間事業者の提案と合わせて、この都市再生特別地区の運用がされれば、多少それは全部が全部とは申しませんが、先生の御指摘のような点はカバーできているのではないかというふうに思っていますけれども。

○森委員 関連で、都市計画サイドと住宅サイドと、多少御意見がいつも違って困ることがあるのですが、都市サイドの方はトータルのエリアの容積率でいいではないかと。建築サイドの方は、やはりその敷地の最高容積を超してはいかぬというふうな指導がありまして、結局はそっち側が勝ってしまうというケースが多いのですが、今後はそういう点はもっと弾力的になって、例えば街区を加えてこちらにまとめた場合、2,500 になっても構わぬよというような御指導がいただけるようになるのでしょうか。

○澤井局長 そこは、都市計画の一番大事な担保手段が建築規制ということで、完全に制度的にもリンクしていますし、それは立法論としてそういう論があるとは思わないのですが、現場でもしそういう食い違いが、都市計画で許容されているものが敷地単位の建築確認になるとだめだということがあるとすれば、それは誠におかしな話だと思いますし、どういう現象を御指摘になっているのかわかりませんが、もしその辺の不合理があれば、きちっと両局長1人のつもりでやりますので。

○松野局長 多分今おっしゃっていたのは、複数の建築物があって、全体を1つとして扱えばクリアーできるじゃないかというケースですね。それは、従来は一団地の総合的設計という制度がありまして、これも新築のときに全体の計画を見てプール計算できるというのと、それから、既存建築物も含んで一体計算できるよう、連担建築物制度というのもつくりましたので、それから都市計画の世界で容積を移転できるエリアを決めて扱うという都市計画制度もつくりましたので、かなりのところはそれでクリアーできるのかなというふうには思います。

○森委員 その辺、かなりのレベルが、シカゴへ行くと2,500 とか3,000 になるのですけれども、東京だと1,500 は超えられないとか、そういう話が必ず出てくるので。

○松野局長 上限の扱いの話ですね。法制度上は、上限はないのですけれども、色々な制度、特定街区にしろ、都市再生特別地区にしろ、その現場での運用のお話だと思います。

○宮内主査 まだいろいろ御議論があろうかと思いますけれども、御予定いただきました時間が終わりましたので、また引き続き意見交換の機会を持たせていただきたいと思います。
 私どもの問題意識といたしましては、この容積率という言葉1つで申し上げましたけれども、結局日本の大都市圏というのは世界に冠たる大都市圏であり、千万、何万という人がこの中心部に動くと、戦後60年になろうしているのに、もう全く先進国とは思えないような生活環境を、その中の非常に多くの人に強いていると、これはやはり生活の質から考えると、あり得ないことを都市住民に強いているわけでございます。通勤地獄という言葉で申し上げましたけれども、苦渋だけでなく時間、社会的ロスというのはもう膨大なものでございます。それにも関わらず都市の中心部には非常に大きな空間、もっとうまく利用したらいい生活ができるだろうと、その空間の利用が十分ではないという実感が我々住んでいる人間に非常に多いわけで、それを裁量行政という形で国土交通省が全部自分たちで裁くというようなことばかりでいいのだろうか、大規模であればちゃんとやるよということでなく、もっと一般的にもう少しここの中心に集まるような施策という一般論としての施策があり、それが過度にならないようにある一定規模以上になると、それは当然行政との考え方を入れながらいくという、この両面によってやはり都市生活というものの質を上げないと、21世紀の都市間競争、世界の都市間競争では日本は圧倒的に負けるというような危機意識も持っておるわけでございます。
 したがいまして、ちょっと観点が違う攻め方で容積率というふうに申し上げましたけれども、もっと大きな都市住民の生活というものもあるのだということも御認識の上、今後御議論を更に進めさせていただければというふうに思うわけでございます。
 今日は、御予定いただきました時間を大変オーバーしまして。

○澤井局長 一言よろしいですか。今、仰せの点につきましては、基本的には私ども全く同じ考えでいるつもりでございます。ただ、これまでの都市計画建築規制行政を振り返りますと、冒頭にも申し上げましたが、容積率規制の在り方によって今のような職住遠隔の都市ができたということよりは、むしろ戦後昭和30年代ぐらいからの圧倒的な大都市集中によって都市が外に広がりまた上にも広がり出したという旺盛な建築活動なり都市活動を、最低限これ以上悪くはしないという意味で線引きがあり、容積率がありということで、ミニマムを維持するということにもう最大の意義を継ぎ込んで国も自治体もやってきたというのが20世紀後半だと思います。
 ようやく今そういった外への拡大を始めとしまして、ボリュームの拡大というものがかなり落ち付いてきましたので、これからはむしろそういう外から抑え付ける都市計画建築規制ではなくて、今、主査仰せのような質の高い都市活動なり暮らしができる、そういう街づくりをするというビジョンをしっかり描いて、それを実現するにはどうしたらいいかという方向に大きくかじを切らなければいかぬし、私ども少しでもそれを始めたいと思っています。都市再生というのは一言で言うとそういうことではないかと。
 そういう中で、先ほど来言っております一律のコントロールということはベースとしながらも、いいものをどんどんやっていただけるという仕組みについては、これからもいろいろ工夫をしていかなければいかぬ部分もあると思っています。今が最善だと決して思っているわけではありませんが、ただ大概のことができるようになってきたなという気も一方でしているものですから、一種、公共団体、あるいは事業者の皆様方の法的安定性のようなことも一方で考えながら、しかしやるべきことはやっていきたいということでございますで、これからも御指導を賜りたいと思います。

○宮内主査 ありがとうございました。お考えの方向性が一緒だということは認識いたしました。いいものをつくりたいという思いはいっぱいあるのですけれども、その前に我々が死んでしまうということも、時間という要素がございますので、その辺もお考えいただければと思います。大変失礼いたしました。
 長時間ありがとうございました。以上をもちましてヒアリングを終了させていただきます。


内閣府 総合規制改革会議