平成15年6月9日(月) 15:30〜16:20
永田町合同庁舎総合規制改革会議大会議室
今後の進め方に関する意見交換
宮内主査、鈴木副主査、奥谷委員、村山委員、八代委員、米澤委員、稲葉専門委員、福井専門委員
檜木参事官
内閣府 河野審議官
総合規制改革会議事務室 宮川室長 他
○宮内主査 それでは、ただいまから第9回の「アクションプラン実行WG」を開催いたします。
本日は、急な開催の御案内となりまして、誠に申し訳ございませんでしたが、おいでいただきましてありがとうございました。
さて、問題のアクションプランにおける12の重点検討事項でございますが、前回の会合で私の方から5月28日の第11回「経済財政諮問会議」の報告などをさせていただきました。 その後、先週後半から石原大臣が、関係閣僚、すなわち亀井農林水産大臣、遠山文部科学大臣、坂口厚生労働大臣、いわゆる大臣レベルでの折衝が行われているようでございます。
前回のワーキンググループの際にも申し上げましたが、この重点検討12項目につきましては、大変厳しい現状でございます。これを少しでも打破するために、現在、石原大臣を中心に御尽力いただくと、こういう形になっているわけでございますけれども、当会議といたしましては、やはり6月下旬の答申に向けまして、大臣折衝を強力にサポートするという意味でも、各委員、専門委員の皆様方が事務局と連絡を取り合いながら、引き続き細かい点などで各省と折衝を続けていくと、こういう部分がたくさんあると思います。
この点は、前回何人かの委員の皆様から御提案のあったところでありますが、いずれにしろ、来るべき6月下旬の当会議の答申につきましては、政治的な動き、この大臣折衝等と我々の動きとが一緒になるということによりまして、できるだけよい結果、よりよいものが作り上げられると、こういうことになるのだろうと思います。
そういうことで、本日は、まず、先週の大臣折衝の状況や、今後の見通し、また6月下旬の答申に向けたスケジュールなど、事務局の方から御説明をいただいた後、私が今申し上げました点も十分踏まえていただきながら、今後の進め方につきまして、委員、専門委員の皆様方と意見交換を行ってまいりたいと思います。
そして、本日は、実はこの後、4時半から石原大臣にお会いする時間をいただいております。鈴木議長代理と八代委員にも御足労をお願いしておりまして、私とで大臣室を訪ねまして、ワーキンググループでこれから出る御意見を集約して大臣にも申し上げるということを予定しております。そういう意味からも忌憚のない御発言をいただければと存じます。
その前に、本日の議事内容の公開につきまして一言申し上げます。
前回と同様、内部の打ち合わせということで、プレスには公開しておりませんが、本会議と同様に、議事概要は原則、事後的にホームページに掲載すると、こういう予定でございますので、御了解賜われればと存じます。
それでは、ただいま申し上げましたような形で、事務局から先週の大臣折衝の状況、今後の見通し等につきまして、御説明を頂戴したいと思います。
○宮川室長 それでは、事務局でございますが、簡単に御説明いたします。時間の関係もございますので、簡単に御説明をしたいと思います。
まず、農水省との調整というか、折衝でございますけれども、5日の木曜日の夕刻に約30分農水大臣室で行われました。
石原大臣の方から2点の要望ということで、株式会社によります農地取得の話、まずこれを特区でもいいから解禁できないかという話。
それから、第2点目は、既に特区で解禁されております農地のリース方式、これを全国的に拡大をしてほしいと、こういう要望をいたしました。
結論から申し上げますと、亀井大臣の方は、今、米の政策等々でいろいろ議論を国会等でもやっていますということでございまして、本件については、特に農地取得については、今のところなかなか難しいというお話がございました。それからリースの全国展開につきましても、しばらくは特区での状況を是非勘案させてほしいという話がございまして、一応平行線に終わっております。
この辺りにつきましては、石原大臣もこの後の記者会見で同様の趣旨を申し上げて、引き続きこれについては、来週、今週になりますけれども、第2回目の折衝に当たろうということで終わっております。
それから、文部科学省でございますけれども、翌日の5月6日の昼過ぎ2時前後だったのですが、30分ほど文部科学大臣室で折衝を行いました。
これにつきましては、文部科学大臣に対しまして、石原大臣の方から3点のお願いをいたしておりまして、1つは、株式会社等によります学校経営、特に公設民営の話を中心にお話をされました。
これにつきましては、やはり公設民営という問題は、非常に教育の根幹に関わるので、是非包括的な委託も含めて、中教審の場で議論をさせてもらいたいというお話で、これも打ちかけになっております。
幼保一元化につきましては、これはいずれ総理の官邸の方からの指示もあるので、少し進展が見られるのではないかということで、多少根出しのような話がございましたが、文部科学大臣の方から、これについては、ちょっとまた時期を置いてお話をさせていただきたい、今日はちょっと詳しいことはお話しできないということでしたが、石原大臣いわく含みのあるお言葉があったということでございます。
第3点目は、6項目の中には入っておりませんけれども、学部、学科の設置の自由度を高める話でございましたが、これについても完全に自由というのは、なかなか世界的に見ても難しいという反論がございまして、これについても打ちかけになっております。これについても、来週もう一度やろうということになっておりまして、近々に時間をセットして第2回目の折衝をさせていただきたいというふうに考えております。
それから、厚生労働大臣でございますが、これも金曜日の夕刻5時40分からだったのですが、30分ほど厚生労働大臣室で議論をいたしました。
これは、アクションプラン12項目のうち7項目でございまして、順に議論をしていただきましたけれども、いずれも打ちかけになっております。
特に議論がございましたのは、医薬品の関係でございまして、これは対象の3分の2ぐらいが医薬品の問題で費やされたわけでございますが、非常に個別の安全性の問題等々ございまして、坂口大臣の方からなかなか難しいのではないかというお話がございました。
あと、時間の関係もありましたので、かなりお互い論点を言いながらも、余り突っ込んで議論という感じではなかったのですけれども、いずれにいたしましても問題提起をし、例えば株式会社につきましては、鴻池大臣の特区との問題もありということで、大臣からも自由診療以外について制約を付けさせないことを自分も国会答弁させてもらったという紹介、それから混合診療につきましては、大臣の方から混合診療、特にメリットの辺りの説明をし、是非これはお互い知恵を絞ってやっていきたいという話等々をお話しされました。
厚労大臣の方は、正直申し上げまして、やや建前に終始しておりまして、議論についてはお互いかみ合わずということでございまして、7項目すべてについて打ちかけという状態で、これも来週是非議論をしようということで終わっております。
今週の予定でございますけれども、実は二次折衝につきましては、明日夕刻を考えておりまして、まだ時間がかなりきちんとセットはできておらないのですが、仮置きということを申し上げますと、文部科学大臣が4時前の辺りで30分程度と、それから農水大臣につきましては、5時半から30分程度、厚労大臣も6時15分ぐらいから30分程度ということで、一応仮置きということで、大臣折衝の時間を確保したという状況でございます。以上でございます。
○宮内主査 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、皆様から今後の進め方と意見交換をさせていただきたいと存じます。御自由に御発言いただきたいと思います。
八代さんどうぞ。
○八代委員 文科省と大臣と議論されるときに、文科省が、例えば中教審でこういうことは議論させてほしいといったときに、仮に、それを認めると、今度は特区が中教審で審議中にはできなくなる危険性があるわけですので、そういう点は特に石原大臣の方はイエスということは言われなかったということでよろしいわけですか。
○宮川室長 石原大臣の方は、中教審の議論に対しましては、中教審で議論をするというよりも、まずは早くやるということで、議論は議論として、まずは高等学校を中心に特区で少し議論をしてみたらどうかと、議論というよりも、解禁を考えてみたらどうかということで、余り中教審の場で議論をするということでお話をされたというよりは、まずは穴を開けろという感じでお話をされておりました。
○八代委員 それから、先ほど宮川さんから派遣の話がなかったのですが、今、厚生労働省で私も入れていただきまして、医療分野における規制改革の在り方に関する検討会というのが動いておりまして、今週の12日、それから来週の18日でほぼ意見を集約する予定になっております。ここでは事前面接が可能な紹介予定派遣についてだけでなく、一般の派遣についても何らかの条件付で認められないかどうかが焦点となっています。
もう一枚、本日欠席の八田委員から、私が依頼されまして、今、事務局から配っていただきました、アクションプランにおける容積率緩和に関する事務的な展開というメモがございますので、これについては読んでいただければいいわけなのですが、容積率緩和の問題につきましては、大臣折衝には入っていなかったはずですね。
石原大臣は国交省には行っておられないわけですね。それにもかかわらず、事務局ベースでなぜかもう容積率についての規制改革会議の答申の最終案ができてしまって、石原大臣と扇大臣の承認も得てしまったというようなことらしいのですが、仮にこれが事実であるとすれば、非常に遺憾なことです。そもそもこの問題は非常に複雑であって、専門家である担当主査が全く関与しない形で案文がつくられるということすら問題でありますけれども、それをまた事務局が、逆に言えば、決めてしまったというのもよく理解できないことです。しかもそれを八田委員が抗議したら、月曜日に八田委員に国交省の局長のところに行けというようなことなのですが、これもやはり八田委員の言うとおり極めておかしいので、こういう問題については、そもそも事務局ベースで交渉したものを全く白紙に戻し、かつアクションプラン、あるいは住宅都市ワーキンググループどちらでもいいですが、こちらに国交省の人が来ていただいて、改めて八田主査他の委員と協議するべきではないかと思いますが、この辺については、ほかの委員の方の御意見も伺いたいと思います。以上でございます。
○宮内主査 福井委員どうぞ。
○福井専門委員 八田主査、八代委員のおっしゃるとおりだと思います。
○奥谷委員 こういった形で、例えば、今回は八田さんのワーキンググループですけれども、ほかのところでもこういったような形になっていくと、ここの規制改革会議の存在の意義がなくなるというか、会議をやっても意味がないということになるのではないでしょうか。厳重に抗議するべきだと思いますけれども。
○村山委員 私も賛成です。厳重に抗議していただければと思います。
○宮内主査 これは事務局から何か御説明ございますでしょうか。
○宮川室長 まず、先ほど八代先生がおっしゃられました派遣の話は大臣折衝の場では、坂口大臣の方から労働者派遣については議論をしているのだと、特定の診療分野に限ることなく、どれでもやっていけるようにしたいと、こういう御発言があった旨をお伝えしたいと思います。
それから、八田先生の問題意識でございますけれども、正直申し上げて経緯としてはここに書いてあるとおりでございまして、ただ澤井さんのところに出向いて交渉するように云々というところは、正式には、事務局は今、国土交通省に話をしておりますので、これはこういう返事ということではないということでございます。
ただ、いろいろ御批判の点につきましては、こういう事実があるという中で、またいろいろ御相談をさせていただきたいというふうに思っております。
○宮内主査 今の各委員のお話、国土交通省との折衝を1つの例といたしまして、その他の項目につきましても同じようなことがありましたら、当会議といたしましても、鼎の軽重が問われるということにもなりますし、存在意義は那辺にあるかということにもなろうかと思いますので、事務局の動きにつきましては、担当主査との綿密な連携、連絡ということを是非努めていただきたいと、このように思います。
あと、御意見はございますでしょうか。
それでは、次に、前回ちょうど出た御提案でございますけれども、八代、福井、お二方から出ました資料でございます。要は、12の項目につきましての議論は出尽くしており、その出尽くした議論の内容をきちんとまとめるべきではないかということでございます。
これは、この案ということで出していただいておりますが、この会議の公開資料として広くマスコミを含め、国民に見ていただくと、そして勿論これは今後の大臣折衝につきましても使っていただくというような形で案をつくっていただきました。
これにつきまして、御説明いただくというまでもないと思いますけれども、こういうものを当会議といたしましては、当会議の資料として使うということでいかがかという御提案でございます。
清家さんから、一部問答集につきまして御意見が出ているようでございますけれども、全体といたしまして、いわゆる議論になりました論点を整理するという意味でまとめていただいたわけでございますけれども、これにつきまして何か御意見がございますでしょうか。
○奥谷委員 清家さんのこのメモなのですけれども、かなり公共職業安定所を、何て言いますか、独立行政法人化するとか、民営化するということにこだわっていらっしゃいますけれども、基本的には、これは別に公的職業紹介があって構わないわけで、そこはどこがやるかということが、必ず国がやらなければならないという必要性はないわけで、そういったことを問うているわけであって、何かハローワークに固執しているみたいなところを強くお書きになっていらっしゃいますけれども、当規制改革会議ではそういったことを言っているわけではないと思うのです。あえて国がやる必要がないことはやることはないということ、無料職業紹介のセーフティーネットはあって当然のことであって、そういうことを言っているので、この清家さんのメモはちょっとよくわからないのですけれども、御本人がいらっしゃればもっとわかるかもしれませんけれども、我々が言わんとしていることは、公共職業安定所の存在が、あえて国がやらなければならない必要性はないということを強調してほしいということだと思います。それだけです。
○宮内主査 どうぞ鈴木さん。
○鈴木副主査 私も去年、この問題を官製市場でやったのですけれども、無料職業紹介の規制緩和の推進を強調すべき、これはおっしゃるとおり賛成です。けれども、今回の議論の中では、公共職業安定所というのは、一体今のような形態でやっていてよいのかというのをアクションプランの中で中心課題に置いて議論をしてきたわけです。だから、私としては、今、奥谷さんが言われましたが、同じような意味合いで、これを言ってはいけないと清家さんがおっしゃっておられるのか、それとも中心ではないと言っておられるのか。私は中心ではないという清家さんの認識を述べてられていると受け取りますけれども、そういう点で、ここは両方とも議論したが、こちら側も議論しているということであって、議論してはいけないという意味に私としては理解しておりませんので、その点を申し上げておきます。
○宮内主査 これだけの短いものにすべての議論を書くことは無理なので、要は12の項目について、先方のお考えと、我々の考えとの相違点はどこかということがおおむねクリアになっていると、それを我々として参考資料として出すということでお作りいただいたわけですので、今おっしゃるように、一つずつの項目について全部の議論を言い出すと大変なことになると思いますので、概ねこういう議論であったと。これでよりよく我々の検討している内容、省庁とのがちんこになっている内容がわかっていただけるということであれば、公開してもいいのではないかという、そういう趣旨でございます。どうぞ福井さん。
○福井専門委員 そういう御趣旨で誠に結構だと思いますが、若干補足を申し上げれば、ここで整理してある内容は、今までのやりとりや資料の応酬の、言わば事実に関するものです。事実としてこういう議論や資料のやりとりがあったということを整理した資料としては、これがおそらく最初のものだと思います。
コンパクトになった資料について過不足なく論点が盛り込まれているという意味で、こういう資料が世に出て、これに対して国民の各層がどういう意見を持つのかという反応を得ることは大変意味のあることだと思いますので、是非そのようにしていただければと思います。
併せて単に公表でホームページに載せるというよりも、積極的にこれについて国民各層からパブリックコメントを寄せてほしい−関係団体でも結構だし、一般市民でも結構なのですけれども、ポイントとしてはこういうことがある、必要なら例えば参照で何年何月何日の議事録のホームページを見てくれということを書き加えれば、なお親切だと思いますけれども−そういう形で広く、この議論について、一体一般国民はどう考えるのかということを、はっきりと教えて差し上げるべきではないかと思います。
○宮内主査 稲葉さん、どうぞ。
○稲葉専門委員 流れとしては、それで結構だと思うのですけれども、ちょっと感想から申し上げると、私は鈴木副主査と一緒に二十何年前、まさにこの部屋で行革をやっていたんですけれども、そのころの各省庁の対応と比べても、随分質が低下したというか、きちんと仕事をしていないという印象を非常に強く受けます。
何が最大の問題かというと、今、議論が出尽くしたと言われて、確かにそのとおりなのだけれども、議論のベースになる実態の把握を余りしていない。特に消費者なり国民の実際の行動とか、要望というものを把握しない。
これは何回かいろんな形で質問したのですけれども、回答が、この間の6月3日付、4日付とあったのですが、全然答えていない、そういうものは把握していないで済ましていることが多いのですけれども、それで済ましていいのかどうか、行政の責任から見て問題がある。つまり、把握していないものだから、実態に基づく議論ができなくて、観念論でもって擦れ違い、遮二無二に腰を引いて引き分けにもち込もうという、こういうことが許されていいのかどうか。この中にも幾つか実態を把握していないということは述べてありますけれども、そこのところは是非強調して、今、福井さんがおっしゃったように、その辺についての国民の声を寄せていただきたいと思うのです。
例えば、一昨日ですか、事務局から送っていただいた資料を見ても、薬局の問題が一番硬いというのですけれども、これなんか国民に一番わかりやすい問題で、例えば消費者行動、すっかり変化してしまっているのです、買物行動は。私が住んでいる地方でも、24時間営業あるいは深夜営業のスーパーなどがいっぱい増えていますから、買物の時間が夜遅くにシフトしている。その中で薬屋のコーナーだけ閉まってしまうので、それに対する不満が非常に多いわけなのですけれども、そういうことを全然把握しないで副作用、副作用と言っている。しかし、副作用で国民が心配しているのは、医者からもらった薬の副作用なので、薬局で買う薬の副作用ではないわけです。
あるいは、文科省の学科の問題にしても、回答を見てもその合理性が全然わかりませんでした。混合診療の話でも、こういう問題で苦しんでいる人たちがいっぱいいるということを全然把握しないまま議論をしているわけです。株式会社の参入の問題でもそうですね、余りここでも議論はしなかったかもしれないけれども、今の学校法人という形での資金の集め方の中に、むしろ不適切な面もあるわけなのですが、そういう実態と、我々が提案している話とどっちが適切かということの比較が、本当はされるべきなのです。とにかく実態を把握しないまま議論しているということの問題点を是非クリアに明示して、国民の皆さんからその辺についての意見を集めていただきたいと思います。
○宮内主査 それと本資料につきまして、公開資料として使わせていただくと、我々の総合規制改革のつくりました資料として使わせていただくということでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○宮内主査 では、そのようにさせていただきます。
○宮川室長 清家先生から御意見をいただいているのを踏まえた上で、今の御判断ということで、要するに清家先生から後で御確認の話がよく事務局に来るものですから、この点については、こういうのを踏まえた上での御判断ということでよろしゅうございますでしょうか。
○宮内主査 皆さんにポイントについて全部書き込んでくださいと言うと、膨大なことになると思いますので、清家さんの御意見もございますけれども、全体としてこういう議論であったというふうに皆様が御了解いただいたということでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○宮内主査 では、そのように扱わせていただきます。
それでは、次に、私が作らさせていただきましたペーパーをちょっとごらんいただきたいと思います。
これは、御意見をたくさんちょうだいしたことも含めまして、皆さんの御意見を私なりに集めさせていただきまして、今後の答申の作成に向けまして、全体の進め方、各項目につきまして、留意すべき点、ポイントをまとめさせていただいたという資料でございます。6月に答申をつくるということでございますけれども、目下のところは大臣折衝、それからまた総理大臣を含めました政治判断というところに行くプロセスにつきまして、そういうプロセスにあるわけでございますけれども、その中で、答申の作成ということにつきまして、考え方を少し書かせていただきました。
1ページ目の、まず、答申の案文でございますけれども、これは(1)番に書かせていただきましたように、担当委員による原案の早急な作成と、そのフォローアップをお願いしたいとするべきではないかと。
当ワーキンググループの担当委員と事務局とが密接に連絡・相談しながら、交渉の出発点としての答申の原案について、これから始まる第2回目の閣僚折衝の前後までに考え方をまとめておくと。また、閣僚折衝の進展に併せまして、項目ごとに担当委員と事務局とが密接に連絡相談しながら案文をかためていくと。ですから、案文は最後まで固まらないということでございますけれども、そのとき、どこに我々の動きを見ながら、事務局と案文をつくるということが必要ではないかと思われるわけであります。
それで、こちらが考えていることが全部通るということができましたら問題ないわけでございます。しかし、仮に主張が100 %合意できなかった場合、こうした未合意部分などを次回のプロセスにおける規制改革のベースとするために、別途残された課題として、当会議として記載するということが必要だろうと思います。
残された課題についても、閣僚折衝の進展に併せまして、案文作成の一環として委員を中心に、これもつくっていただくと、そういうまとまったものだけでなく、課題についても細かく書き込んでいくということを委員の皆さんにお願いすべきではないかということでございます。
それから、ボトムラインと書いてありますのは、以前に皆様方とお諮りいたしました。当会議といたしまして、12の項目をどこまで我々としてははっきりさせたいかという、我々の主張のボトムラインと言いますか、ここまでやれれば非常にうれしいと言いますか、成果が上がるという点をつくったわけでございますけれども、これを大臣にも再度申し上げると、ちょっとしつこくなるかもわかりませんけれども、申し上げるとともに、答申決定までに、大臣折衝プラスαがあるかもしれませんけれども、それまでこれを確保すると。
ただ、それが確保されない場合、これをどうするかということでございますけれども、確保されない場合など、当会議の主張と異なる結論にならざるを得ない状況に陥った場合には、あえて答申の得られた成果に記載するというよりも、残された課題と、今後の課題というところで当該項目について次回のプロセスにおける実現を目指すと、こういうぐらいの覚悟を持って、ボトムラインの確保をまだあきらめずにやるということが必要なのだろうというふうに思います。
3つ目は特区で話が進んでいるものがございます。そういうことで、特区の推進本部が本来目指すべき基本的に方向に合致するものでなければ、合意していただいていいのかどうかという問題が出てくるとかと思います。
そういうことで、特区本部の足かせにならないように特区推進本部とも、特区に問題を持ち込むという問題につきましては、十分協議する必要があるのではないかと、こういう点を踏まえながら、勿論大臣折衝にもこういう点について再度注意を喚起させていただくということとともに、各委員がこれからまとめていただく答申の案文づくりにつきましても御留意いただくということではなかろうかというふうに思うわけでございますけれども、こういう考え方につきまして、御意見をちょうだいできればと思います。米澤さん、どうぞ。
○米澤委員 ボトムラインの内容というのは、前回でしたか。それはこの12項目以外ですね、ボトムラインの内容ですけれども、それは公開されていないですね。
○宮内主査 これは、ここで議論をいたしましたのをまとめたわけでして、これは公開すると交渉ができなくなるということですので、これはひょっとしたら非常に高い、政治的な状況から見て高いのかもわかりませんけれども。
○米澤委員 わかりました。そういう趣旨ならば。
○宮内主査 そういう趣旨で、しかし旗は下ろしたくないということなのです。
○米澤委員 勿論、そうなのですが、その内容が、この中で知っている方と、知らない方がいらっしゃるということですかね。
○宮内主査 はい。
○米澤委員 わかりました。
○村山委員 済みません。確認させてください。そして6月までに合意できなかったものに関しては、残された課題として案文に載せるわけなのですね。それは6月以降12月までの協議の中でまた持ってきて継続するという形になるのですか。それともここでもう残された課題になったものは、12月までずっと残された課題という形に。
○宮内主査 いや、私の了解では、残された課題は、この中間答申を出した次の日からやるべきことなのだろうと、しかし、これが当会議の存続期間中に完成できるかどうかわからないけれども、課題としてやはり引き継いでいくという意味で、特に1年間はもう話題にしないとか、そういうようなことは頭に入って。
○村山委員 いわゆる下半期というものは、残された課題と、前半はちょっと取りかかれなかったし、時間もないのでということで、まだ置いてある玉がいろいろなところにあると思いますけれども、それをワークさせていただくということでよろしいわけですね。
○宮内主査 私はそうすべきだと思っております。
○八代委員 株式会社による農地取得の解禁というところなのですが、これは何も株式会社に限ったものではないということですが、先ほどの対照表で見ても、当会議の考え方というのは、むしろ農地利用規制の適正な運用をするべきであるということです。そうした必要な規制を強化すべきであるということについて、かなり向こうと議論をした覚えがございますので、何が何でも株式会社を入れれば問題は解決するということではなくて、今の農地転用や耕作放棄のリスクをむしろ抑制するように現行の規制の適正な運用化によって経営形態にかかわらずイコール・フッティングを図るべきであるという趣旨に、そこを明解にしていただきたいと思っておりますが、いかがでございますか。
○宮内主査 おっしゃることと同じことを。
○八代委員 そうなのでしょうけれども、ひたすら規制緩和という誤解が極めて農業関係者には強いために、こちらの対照表とトーンを合わせた方がいいのではないか。それだけでございます。
○宮内主査 わかりました。その辺りはもう少し、御趣旨はよくわかります。
○福井専門委員 全体を通じてで、可能であればということなのですが、先ほどの対照表にも、調べればすぐわかることをあえて調べないまま推移しているという項目が山のようにあるのです。それは、答申のどういう記載事項になじむのかどうかということの検討が必要ですが、要するに容易に調べればわかることをあえて調べないまま推移していることについては、ちゃんと調べた上で実証的判断、今回は仮に片が付かなったにしても、近い将来実証的な根拠に基づく判断を下すべきであるという趣旨の総論的なメッセージを何らかの形で可能であれば入れてはいかがかと思います。
○宮内主査 稲葉さん、どうぞ。
○稲葉専門委員 それと関連するのですけれども、ボトムラインまでいかなった話が残された課題になるということは、そういうやり方があると思うのですけれども、合意して、このボトムラインよりもう少し上ぐらいのところで盛り込まれても、まだこの会議が提起したことに比べればギャップがあるわけですね。そのギャップの中に、まとまらなかった原因が実態も把握していないので、国民が判断のしようもないものもあるわけですから、全体としての残された課題と、明記していく残された課題がちゃんと切り分けられるようにと言いますか、残された課題以外は、今のままでいいのだという、各省庁に安心感を与えないようにお願いしたいと思います。
○宮内主査 書き方ですね。どうぞ。
○河野審議官 事務局から1、2点でございますが、1つは2ページの(1)のところですけれども、6月下旬の答申の決定のぎりぎりのタイミングまで大臣に折衝を続けていただきたいとございまして、当然のことなのですけれども、ちょっと事務的な見通しを一つ申し上げておきますと、今回の重点事項は、諮問会議の重点事項としても取り上げられているわけでございまして、今回の成果につきましては、諮問会議の今のスケジュールでいきますと、今月の23、24日辺りを想定して答申なり、それから閣議決定というものを目指して作業を進めておりまして、当然それまでの間に、与党との内容の調整も必要という段取りになっております。
それから、規制会議の答申も、そうした諮問会議のスケジュールと併せつつ、6月の下旬にまとめていくということになっていくと思いますので、そうしますと、事務的な見通しといたしまして、実は6月下旬と言いながら、事実上、そうゆっくりした感じで進められないということでございますので、大臣レベルの第2ラウンドの交渉と前後しつつ、答申の文言等も整理をしながら御相談しなければいけないと思っておりますので、そうした時間の制約の中で一つ議長ともよく御相談しながら、調整についてさせていただきたいということでございますので、一つその点をよろしくお願いしたいと思います。
それから、今、お話しいただいている議長がお出しになっておられますペーパーなのですけれども、実は第1ラウンドの状況を宮川室長からも先ほど報告させていただいたところでありますけれども、私も一部は陪席をさせていただいておりますが、各省大臣との折衝というのは、非常に意見が対立平行の状態でございまして、率直のところ今後第2ラウンドの折衝を通じて、どこまで答えが引き出せるのかというのは、大変難しい課題を背負っておると、こういう状況であろうかと思います。
その中の対応といたしまして、大臣が折衝するに当たって、ボトムラインという書き方をなさっておられますけれども、実は我々としても非常に実は困難な内容を含んでおるというふうに考えておるところでございまして、今後、石原大臣も我々も折衝の前にいろいろな事務的な説明等をさせていただきながら、最大の御尽力をいただいているわけでありますけれども、その中で大臣なりにいろんな課題を把握し、いろんな方向性を見据えながら議論をされるということであると思います。その中で、今までの経過は我々の認識といたしまして、諮問会議なりこの会議での場等で、今まで議長を中心に12項目の実現について最大限の御尽力をいただいておって、極力それに沿ったそれに実現、成果を上げていくというのは当然のことでありますけれども、それは会議での議論を一応やっていただいた上で、あとは政治レベルの判断にゆだねるということでありますので、率直に申し上げまして、大臣に余りこれがボトムラインですということで、いろいろな会議として率直な思いをお伝えいただくのは当然だと思うのですけれども、そこは会議の思いを受け止めた上で、最大限の努力をしていくということでありますから、このボトムライン、これからもう線を割ると落第圏であるということになると、これは大臣としても大変苦しい立場になるのではないかというふうに事務局として懸念いたしますので、その辺のお計らいを一つよろしくお願い申し上げたいと思います。
○宮内主査 決してこれで大臣を追い込むという気はありませんで、我々会議として何とかここまで確保したいのだということを、再度、せっかくの機会ですから申し上げさせていただきたいと、そういうペーパーと受け取っていただいた方がいいと思うのですけれども。
○河野審議官 先ほど議長もボトムラインとおっしゃられつつ、ここまでいけばいいかなというニュアンスもおっしゃっていましたけれども、そこらの考えも含めて、大臣に思いをまずお伝えいただくということであればあれかと思いますけれども、非常にこれがここまで取れないともう落第ですよと、文言を読む限り、私は率直に言ってそういう感じがいたしますので、そこのところは一つ十分御配慮いただければと思います。
○宮内主査 それは大変誤解を与えただけで、これを、ボトムラインを希望ラインとしたらまためちゃくちゃになってしまうので、やはり我々としてはここまでは何とか、この6月の答申に向けなくても、ここまではやはり適切に早い機会にやりたいのだという本当強い希望のあるラインだということであって、ここで大臣を窮地に追い込むというようなことは、我々の会議の目的でも何でもありませんし、そういったことは考えておりません。
今、おっしゃった意味を踏まえて、資料にさせていただきたいと、このように思います。
○鈴木副主査 今と関連するのですけれども、ボトムラインだからこれ以下はだめという、そういう問題ではないと思うのですね。だけど、私も今までやってきて、現実に話し合いは相手があってのことでやっているのだから、こちら側のボトムラインどおりに必ず確実になるとは限らないわけですよね。そういうことで、改革という問題については、私はやはり一歩でも二歩でも前進しているものだったら受け入れていくという姿勢でやってきたわけです。ただその場合に注意しなければいけないことは、少し改革がかったものがあるからというので、それでOKというと、そのネクストステップがまた数年先に先送られてしまうという問題がありますね。こんなことは、大臣はとっくに御承知のことだろうと思うけれども、要するにそういうことも考えて、一歩でも二歩でも前進だったらそれでもよろしいというところには微妙な限界があるということ。
それから、むしろ後退である、あるいは現状のままであるというような答申を言葉の上で飾ってつくろうとするのだったら、むしろはそれはやめておいた方がよい、今言ったような意味で有害無益ということになりますのでということ。そこら辺のところのことを大臣は十分心得られた上でおやりになることと当然信じておりますけれども、我々もこの問題を数年間やって、そしてどこに問題点があるか承知をしておりますから、さっきも宮内議長が言われたように、仕方がないところについては、一回我々仲間うち、つまり大臣を含めて我々の仲間内で、何も会議を開く必要はないのだから、どうだろうという、そういうところをきちんとしてやっていただいて、みなが納得するような結論になっていくのが一番望ましいのではないかと、そういう意味で申し上げる問題だと私は思っております。
○宮内主査 もし、そういう意味合い、これは決して合口を突き付けるような意味は全然持っておりませんで、我々の決意と言いますか、本当に強い要望ということで申し上げさせていただくという資料に使わせていただくということで御了解を賜われれば、そういうふうにお話を申し上げたいと思います。
また、要は最後の中間答申も、我々当会議が答申をつくるわけでございます。現在は、当会議から政治折衝をお願いしているという形になっているわけでございますけれども、その結果を踏まえまして、書くのは我々の会議であると、そういう点を是非事務局とも共通認識を持ちたいということが1つ。
もう一つは、各々のポイントについて、ここまで確保できるということを何とかやりたいと、そういうことを一応まとめた資料にすぎないわけでございますから、そういう意味で、私が勝手に作ったわけではなく、皆様方の御意見を聴取しまして作りましたわけでございますけれども、これをそういう形で使わせていただくということで御了解をいただければと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○奥谷委員 今、事務局の方がおっしゃったように、ボトムラインを決めたからといって、それを大臣がお困りになるのではないかということを考える必要性はないのではないでしょうか。ある分、そういう使命を持ってなされるわけですから、これは、ある分まだまだ譲歩した部分というのはかなりあるわけで、我々はもっと要求したいことがあるわけですけれども、それをまだ抑えた部分で、このボトムラインという形を使っているわけであって、それを大臣が折衝するのに余りにもボトムラインを気にし過ぎて追い込んでいくのではないかと心配なさる必要性はなくて、むしろ石原大臣のお考えで判断なさるべきことであって、事務局が御心配なさることではないと思うのですけれども。
○河野審議官 勿論、大臣は、今までの規制会議、アクションプラン実行ワーキングでの議論等、内容を掌握しておられますし、それを踏まえて最大限の成果を上げるということで努力をしていくということは変わりないと思いますけれども、ただ大臣も1回の折衝を済まして、やはりすべてそのまま実現するかどうかというのは、大変難しい問題ばかり並んでいるわけですから、そこは会議の気持ちとして十分既に伝わっていると思いますし、それをお伝えいただくのは結構なのですけれども、ちょっと言いぶりの問題として、そこらは一つ、大臣も今後の折衝は勿論最大限努力をしていくということでありますので、先ほども申し上げ点について御配慮願えればということを申し上げたいと思います。
○宮内主査 それでは、そのように扱わせていただきます。最後になりましたが、繰り返しになりますが、当会議での答申ということでございます。政治折衝を見ながら各委員が事務局と十分な連携を取り、御担当分野の個々の事項につきまして、原案の作成等につきまして、引き続き各省との調整を御努力いただくと、そういう点につきまして、もうお任せしてしまうということではなく、我々の答申づくりということで御尽力をいただきたいというふうに思います。
あと何か御意見はございますでしょうか。
○八代委員 今後の問題の確認で、八田さんのお答えについて私は委任を受けておりますので、もう一度、元の白紙還元と、それからここのワーキンググループで改めて国交省と議論するというところ再度確認したいと思うのですが、それは事務局もよろしいわけですね。
○宮川室長 八田先生とよく相談させていただきます。
○福井専門委員 それはおかしい。
○八代委員 八田主査との個別交渉ではなくて、この会議できちんと結論を出してもらわないと困ると思うのですけれども。
○河野審議官 議長からお諮りいただいて、清家委員のお考え方が紙に出ているわけですから、それでここで議論をしてお決めいただくということだと思いますけれども。
○宮内主査 どうぞ。
○村山委員 この件も、今、審議官の方から政治レベルという話があったので、すごく気になったので言わせていただくのですけれども、答申の目的は、きれいにまとめることが目的ではないと思うのです。もし、それがどうしても意見分かれになったら、その旨を国民に知らせることも目的だと思います。
それで、ある意味、成果がないじゃないかと石原大臣がお困りになるということを懸念なさっていらっしゃるのだとしたら、それは勿論重大なことではありますけれども、議長が言っておられるように、我々の答申なので政治的にきれいに決着を付けることを余り御懸念なさって、その結果この八田先生のぺーパーのようなことをされてしまうと、当会議の存在意義がなくなってくると思いますので、それに関しては慎重に言質を取っていただきたいと。答申をするときに、政治的なレベルというような話で、こういうようなことが起こらないようにしていただきたいということをお約束していただければと思います。
○宮内主査 是非、御注意いただくということにさせていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
あとは、よろしゅうございますしょうか。
それでは、本当に急なお呼び出しで恐縮でございましたけれども、ありがとうございました。
以上をもちまして、アクションプラン実行ワーキンググループの会合を終わります。ありがとうございます。