平成16年4月12日(月)8:00〜8:30
ルポール麹町3階「ガーネットの間」
宮内義彦議長、鈴木良男議長代理、神田秀樹、黒川和美、志太勤、白石真澄、南場智子、原早苗、本田桂子、矢崎裕彦、八代尚宏、安居祥策の各委員 (草刈隆郎委員欠席)
金子規制改革担当大臣、佐藤副大臣
小平政策統括官、河野規制改革・民間開放推進室長、宮川参事官、原企画官、長瀬企画官
安居委員、神田委員より宮内委員が推薦され、異議なく選出された。
○宮内議長 ただいま議長を務めるようにという御指名をいただきました、宮内でございます。何分よろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、議事を進めるに先立ちまして、一言だけ御挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。
このたび、新たに「規制改革・民間開放推進会議」がここに生まれたわけでございますが、こうして13名の委員の皆様方とともに、3年間仕事をさせていただくということになりました。たまたま私は以前から同じようなお役割を務めさせていただいたわけでございまして、お手元の資料にございますように、規制改革の現状というのは数々の課題を持って進んでまいりました。なおかつ、従来からございました組織の延長線の上にあり、その上で我々の努力が期待されていると考えております。当初は、経済的規制を主に取り扱ってまいりましたところ、昨今は社会的規制というより大きな問題にぶつかっております。したがいまして、委員の皆様方には、いろいろな方面の御勉強をしていただく、また折衝していただくということで、社会的関心の強まった中で仕事を進めるということになってまいっていると存じております。
当会議前身の会議等から考えまして、委員の皆様方の御負担は大変なことでございまして、そういう意味で本当に御苦労様でございますけれども、私も皆様方とともに少しでも日本社会の前進、経済の活性化に役立ち得る仕事をさせていただくよう務めてまいりたいと思います。何分よろしくお願い申し上げたいと思います。
宮内議長より、鈴木委員が議長代理に指名された。
また、会議を円滑に運営するため、運営方針案などについての検討を行う企画委員会を設置すること、企画委員会のメンバーについて宮内議長、鈴木議長代理及び総括主査として草刈委員と八代委員とし、委員会運営を補佐するため専門委員を置くことについて了承された。
○鈴木議長代理 議長から、ただいま御指名いただきまして、議長をサポートさせていただく議長代理に就任しました、鈴木でございます。どうかよろしくお願いいたします。
規制緩和、規制改革というものに対しては、いつもながら反対勢力が満ちあふれている分野でして、委員が一致団結して、志を一つにして、この道を切り開いていくことが一番大切ではないかと思っております。
また、先ほど議長もおっしゃられましたけれども、委員が省庁と折衝し、そして省庁に納得していただくという、ちょっと珍しい仕事が我々の手に委ねられているかと思います。どうか心を一にして頑張っていきたいと思いますので、御健闘をお祈りし、かつ私も努力する所存でございます。なにとぞよろしくお願いいたします。
○金子大臣 皆様、おはようございます。早朝から第1回の会合を開催し御出席を賜りましたこと、御礼申し上げます。
本日、委員の皆様方をお迎えして、こうして「規制改革・民間開放推進会議」第1回が開けますことを本当に力強く感じます。
先週、前身の会議の委員の皆様方と夕食懇談会を総理に御出席いただいて開催したのですが、そのときにも、総論は誰でもできる、小泉内閣ではどういうふうに具体的に進めていくか、このことをかなり力を込めておっしゃられております。それだけに、引き続き、今回の規制改革・民間開放推進会議の皆様に対する期待も大変大きいものであると思っております。
この3年間、IT、エネルギー、金融等、約千項目以上にわたる規制改革を実現いただきました。今後は、「官」の影響の強い部分をどういうふうに「民」の方に移管をしていくか、こういうことも踏まえて「民間開放」という言葉を新たに付け加えさせていただきました。これまで以上に、民営化、民間委託という点を中心に御議論の大きな柱が立っていくのだろうと思っております。
また、当会議と並んで政府部内に「本部」を立ち上げさせていただくことになりました。この新しい仕組みについては、社会的規制について、パブリックアクセプタンスという、国民がこれがいいと思っているところを更に乗り越えていくためにはもう一つ強力なエンジンが必要ではないかという考えに基づきまして、こういう「本部」をつくらせていただく予定です。
この本部には、今、宮内議長から御指名いただきました鈴木議長代理、八代委員、そして草刈委員に、企画委員会のメンバーとして出席をいただきたいと思っております。総理も勿論そこに出席させていただきますけれども、こういう中で進めていきたいと思っております。
マスコミの論評では、そういう仕組みが逆に民間委員の皆様方の行動を縛るのではないかというような御心配もあるようですが、総理も全くそう思っておりません。そうではなくて、更に前に引っ張っていくのだ、前進をさせるのだ、担当の大臣として必ずそういうような目的が達成されるような進め方をさせていただくよう最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
委員の皆様におかれましては、それぞれにお仕事をお持ちになりながらの活動であります。大変な御迷惑がかかる仕事でありますけれども、私も佐藤副大臣、森元政務官とともに、皆様と一緒に進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐藤副大臣 おはようございます。御紹介賜りました副大臣の佐藤剛男でございます。金子大臣をお助けいたしまして、できる限りの努力をさせていただきます。
本日、ここに会議が立ち上がることができました。ただいまの金子大臣からの御挨拶に尽きるわけでございますが、精力的な御審議を何卒よろしくお願い申し上げる次第でございます。
案のとおり了承された。
(各委員より一言ずつ発言)
○神田委員 前身会議から継続して委員を務めるが、感想としては、結局うまくいかなかったもの、できなかったものが残っており、年々難しくなっている。したがって、まだまだやるべきことはいろいろあるが、一層難しくなってきているので、理屈をよく考えて準備をして臨む必要がある。
○黒川委員 これまでどちらかというと行政にかなり近いところでたくさん仕事をしてきた。農業関係、都市計画、都市再開発、情報通信等、いろいろな委員会に出席し、どちらかというと市場に委ねようという立場でずっと頑張ってきたが、なかなか厳しい経験してきた。3年間、最大限努力をしたい。
○志太委員 中小企業の現場からの代表として、長年にわたり中小企業の経営に携わり、またそういう団体に関わってきた経験を活かし、現場の立場からお役に立ちたい。
○白石委員 規制改革は、私たち国民の選択肢を拡大して生活を豊かにしていくと確信している。八代委員の提出ペーパーに100 %賛同する。総合規制改革会議から規制改革・民間開放推進会議になり、ようやく第2フェーズに入った。第2フェーズに入った今、どれだけ官製市場を民間に委ねることができるか、雇用創出をするかという成果が問われている。併せて、スピードが求められている。できれば分野をあまり広げずに、重点テーマ幾つかに集約して、力を結集して議論をしていく必要がある。
○南場委員 インターネットや携帯を用いたサービスの展開、それらを利用した事業を推進する企業に対するコンサルティングなどを行っている会社を5年前に立ち上げた。会社を立ち上げた一人の一般人がどのように感じているかというようなことをこういった場に持ち込みたい。また、20代、30代を主に対象とするサービスを展開としており、若い世代の文化や考え方に接する機会が多いので、そういった視点も役立てたい。
○原委員 消費者の立場ということで参画した。消費者の立場からは、利便性や効率性だけではなく、生活の質、クオリティーの観点もあり、社会的規制の分野に入ってきたときにまだうまく整理が付いていない。規制緩和や規制改革ももう随分長くやっているが、一般の人から見るとよくわからなくなってきている。実際にどういう社会のグラウンドデザインを描こうとしているのか、その中でこの規制改革が必要なのだということも並行してやっていかないと、どこに向かおうとしているのか見えない。
投資サービス法や金融サービス法の提案をし、また消費者保護基本法の改正が今国会に提出され消費者基本法になるが、それらを基軸にしての横断的なルールの必要性や、そういったものを通じて実際にどういうものを目指そうとしているのかというところも、民間開放と併せて、世の中に示していくべきである。
○本田委員 委員の中で唯一、いわゆる外資系と言われている企業に勤務しているが、日本の論理というので受け入れられないものというのがかなりある。そうした観点からグローバルに見て、受け入れられるようなロジックというのは何なのかという観点でお役に立ちたい。
○矢崎委員 自動車部品、空調機器、LPガス、電線等の製造に携わってきたが、アジアへの移転が進む中で、積極的に介護やリサイクル等、新しい事業分野への進出している。その際、「えっ、こんなことがあるの」と全然違う視点で、いろいろ突き当たるところがある。現場から、「見た」、「感じた」経験を勉強し、この場で検討していきたい。
○八代委員 6月に経済財政諮問会議が「骨太の基本方針」を決めるが、規制改革の分野についても、この会議との連携が非常に大きい。したがって、まず大きな方針を速やかに決めて、それをアピールするというのが新しい会議の一番大きなポイントであり、今回1枚紙を提出した。何を新しい会議として打ち出すかということを早急に決めなければいけない。大きな柱として、新しい会議の名前にもなり、同時に総理の諮問の一番大きな事項である「民間開放」に重点をおくワーキンググループをつくる必要がある。個々の省庁が持っている参入規制が、新規の雇用を生み出すことの非常に大きな制約になっている。現在、我が国の景気はようやく回復しつつあるが、新しい需要をつくらなければ今後の持続的な経済成長は非常に難しい。そうした観点から、民間の潜在的需要が大きいにもかかわらず、財政的な制約から供給が増えないような、言わば「官製市場」というものに焦点を当てて規制改革を進めることが、国民生活の充実のためにも必要である。それを進めるに当たり、横断的なルールをつくるということも密接に関連している。より合理的な規制をつくっていくことが大きな使命である。機械的にワーキンググループをつくって、少しずつ地道にやっていくということだけではなくて、大きな方針を早速決めて、それを中間とりまとめに向けて実現していくという方針を議論すべきである。
○安居委員 前会議から引き続き委員となったが、昨年1年間は国際経済連携の関係のワーキンググループを担当した。そういう観点から、八代委員提案の観点にインターナショナルな観点を追加すべきである。今年はアジアの4か国との経済連携交渉が既に一部始まっており、それと連携しながら規制改革を少しでも前へ進めていくべきである。
次回会議で、審議の進め方等について審議することとした。
以上(文責 規制改革・民間開放推進室)