総合規制改革会議「重点6分野に関する中間とりまとめ」について

1 基本理念

1.「システム全体の変革」の重要性について

2.生活者向けサービス分野の改革の重要性


2 重点検討分野における検討の方向性

医療

〔 問題意識・検討の方向性 〕

〔具体的施策〕

(1)医療に関する徹底的な情報公開とIT化の推進
  1. 原則電子的手法によるレセプトの提出

  2. カルテの電子化・EBM・医療の標準化などの推進

  3. 複数の医療機関による患者情報(カルテなど)の共有、有効活用の促進

  4. 日本医療機能評価機構を含む第三者機関による医療評価の充実

  5. 医療機関の広告及び情報提供に係る規制の抜本的見直し

(2)診療報酬体系の見直し
  1. 定額払い制度の拡大

  2. 公民ミックスによる医療サービスの提供など公的医療保険の対象範囲の見直し

  3. 診療報酬、薬価、医療材料価格の決定方法などの見直し(「205円ルール」の見直しなど)

  4. 医療機関の経営情報の開示

(3)保険者機能の強化
  1. レセプトの審査・支払事務を社会保険診療報酬支払基金や国保連合を通さず保険者が直接行えるようにする。

  2. 保険者が当該事務を当該機関以外の民間へ委託をすることを可能とする。

(4)医療分野における競争の導入と効率化
  1. 医療機関の経営形態の多様化、理事長要件の見直し

  2. 医療資機材の内外価格差の是正

(5)その他
  1. 医療分野の労働者派遣(派遣の自由化)

  2. 医療従事者の質の確保(生涯教育の充実、研究の推進等)

  3. 医師の教育改革(いわゆる医局制度の見直し)

  4. 医薬品販売における範囲の見直し(一般小売店における医薬品販売の部分的解禁)


福祉・保育等

〔問題意識・検討の方向性〕

〔具体的施策〕

(1)施設介護における多様な経営主体の対等な競争
  1. ケアハウス等への株式会社等の参入促進

  2. グループホームに関する規制改革

  3. 公設民営の促進

  4. 情報公開、第三者評価の推進等

  5. 施設整備費補助等の格差是正

(2)保育サービスの拡充と質的向上
  1. 認可保育所基準の見直し及びその周知徹底

  2. 公立保育所の民間への運営委託促進

  3. 認可外保育所に関する基準の設定

  4. 情報公開、第三者評価の推進

  5. 保育所と幼稚園の融合

(3)社会福祉法人に関する規制の見直し
  1. 社会福祉法人に関する制度の運用に関する見直し

  2. 情報公開の促進

  3. 社会福祉法人の多様化

  4. 社会福祉協議会の役割の見直し


人材(労働)

〔問題意識・検討の方向性〕

  1. 大企業を中心とした「一社雇用保障」の崩壊

  2. 低生産性部門から高生産性部門への円滑な労働移動の必要性

  3. 女性の社会進出等に伴う働き方に関する価値観の多様化

  4. 21世紀にふさわしい労働市場システムの整備

〔具体的施策〕

(1)円滑な労働移動を可能とする規制改革
  1. 能力開発プログラムの充実

  2. 職業紹介規制の抜本的緩和

  3. 募集・採用における制限の緩和・差別撤廃

(2)就労形態の多様化を可能とする規制改革
  1. 派遣労働者の拡大

  2. 有期労働契約の拡大

  3. 裁量労働制の拡大

(3)新しい労働者像に応じた制度改革
  1. 労働基準法の改正等(解雇法制の検討着手を含む)

  2. 社会保険制度の改革等


教育

〔問題意識・検討の方向性〕

〔具体的施策〕

(1)大学における教育研究活動を活性化し、競争環境を整備するための規制改革
  1. 研究者の雇用、博士課程学生の給与型支援等における競争的資金の拡充

  2. 民間からの教育研究資金の流入活発化

  3. 大学教育における公的支援の見直し(機関補助と個人補助の在り方について)

  4. 大学生の学習に対する動機付け

(2)大学の組織を活性化する規制改革
  1. 学部・学科の設置・改廃の弾力化、大学設置基準、工場等制限制度の見直し

  2. 大学運営における外部専門家の登用等、ガバナンスの改革

  3. 大学運営の情報公開、第三者評価導入、事務部門のアウト・ソーシング等

(3)社会人のキャリアアップを強力に支援し、労働移動の円滑化に資する規制改革
  1. 社会人向け大学教育、大学院教育の促進

  2. 実務家の大学教員への積極的登用

  3. 学校教育の場での企業勤務等の経験を有する社会人の活用

(4)初等中等教育システムを多様化し、適切に評価することで競争環境を作り出すための規制改革
  1. 「コミュニティ・スクール」設置に向けた積極的検討(モデル校作り)

  2. 私立学校の設置基準の明確化、私学審議会の見直し

  3. 通学区域の弾力化の促進

(5)子供たちの学ぶ意欲を高めるための規制改革
  1. 教員の資質向上

  2. 理数系教育、IT教育、社会性を身につけ勤労観や職業観を育む教育等の充実

(6)国際的に開かれた教育を実現するための規制改革
  1. 留学生の倍増(ODA等による支援の充実、宿舎等受け入れ体制の整備等)


環境

〔問題意識・検討の方向性〕

等を推進し、もって健全で恵み豊かな環境を将来世代へ継承。

〔具体的施策〕

(1)廃棄物・リサイクル問題
  1. 廃棄物の定義・区分、廃棄物処理に係る業、施設許可の見直し等

  2. 拡大生産者責任、デポジット制の導入等

  3. 不法投棄跡地等の修復対策の強化

(2)土壌汚染問題
(3)地球温暖化問題
  1. 温室効果ガスの発生削減

  2. 天然ガスの普及促進

(4)企業等による環境保全に係る自主的取組の推進
(5)都市のヒートアイランド現象の解消
(6)自然との共生

都市再生

〔問題意識・検討の方向性〕

〔具体的施策〕

(1)不動産市場の透明性の確保
  1. 不動産関連情報(地価公示の基礎的情報、固定資産税評価額)の開示

  2. 不動産鑑定手法の見直し(より収益性を重視した鑑定方法の定着促進)

  3. 透明かつ公平な媒介契約の在り方の検討

  4. 借家制度の更なる改善(定期借家権への切替等)

  5. 現行短期賃貸借制度の廃止

(2)都市に係る各種制度の見直し
  1. 集団規定の性能規定化の検討

  2. 容積率に係る制度の合理化

  3. 多様な主体がまちづくりに参画できる仕組みの導入

  4. 合意形成ルールの明確化等による市街地再開発事業等の迅速化

  5. 市街地再開発事業の施行区域要件の見直し

  6. 道路占用・使用許可の運用改善の検討

(3)マンション建替えの円滑化
  1. 区分所有法の建替え要件の見直し

  2. 再建建物への権利の円滑な移行のための制度の導入等による建替えの円滑化

  3. 既存不適格マンションの建替えの円滑化

(4)中古住宅市場の整備
  1. 中古住宅の検査制度、性能表示制度の整備

  2. マンションの維持管理等に係る履歴情報の第三者機関への登録


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