規制改革は、供給主体間の競争やイノベーションを通じて、生活者・消費者に安価で質の高い多様な財・サービスを供給することを可能とするもの。また、ビジネスチャンスを拡大し、社会全体としての生産要素の最適配分を実現することによって経済を活性化するもの。
規制改革をより効率的に進め改革の実を上げていくためには、それぞれの分野のあるべき姿を念頭に置き、「システム全体の変革」についての取組を意識的に強化していくことが効果的。特に改革の遅れの目立つ「生活者向けサービス分野」において有効な手法。
規制を撤廃し競争を促進する際には、情報開示の義務付け、監視体制、事後的な紛争処理体制の整備、セーフティネットの充実等の新たなルール作りや既存のルールの明確化等も重要。
「生活者向けサービス分野」(いわゆる「社会的分野」)は、需要と雇用の拡大余地の高い分野であり、起業家精神の旺盛な個人による創業、迅速な事業展開が期待。
当会議では、医療、福祉・保育、人材(労働)、教育、環境の各分野について重点的に検討を行い、新規産業・雇用の創出と、国民生活の質的向上に向けた抜本的なシステム改革を推進。
都市再生は、緊急経済対策に盛り込まれた喫緊の課題でもあり、規制改革を積極的に推進。
経済社会の大きな変化の下、現在の医療サービスの提供には非効率や不合理が生じている面もある。
また、将来的には高齢化に伴う医療費の急激な増大により、我が国の現在の医療保険制度自体の存続さえ危ぶまれる状況
「真に国民の求める医療制度」のために、医療サービスの効率化、安心感があり透明・公平な制度の構築、経済との両立、経済活性化の原動力という視点で以下の事項を検討。
原則電子的手法によるレセプトの提出
カルテの電子化・EBM・医療の標準化などの推進
複数の医療機関による患者情報(カルテなど)の共有、有効活用の促進
日本医療機能評価機構を含む第三者機関による医療評価の充実
医療機関の広告及び情報提供に係る規制の抜本的見直し
定額払い制度の拡大
公民ミックスによる医療サービスの提供など公的医療保険の対象範囲の見直し
診療報酬、薬価、医療材料価格の決定方法などの見直し(「205円ルール」の見直しなど)
医療機関の経営情報の開示
レセプトの審査・支払事務を社会保険診療報酬支払基金や国保連合を通さず保険者が直接行えるようにする。
保険者が当該事務を当該機関以外の民間へ委託をすることを可能とする。
医療機関の経営形態の多様化、理事長要件の見直し
医療資機材の内外価格差の是正
医療分野の労働者派遣(派遣の自由化)
医療従事者の質の確保(生涯教育の充実、研究の推進等)
医師の教育改革(いわゆる医局制度の見直し)
医薬品販売における範囲の見直し(一般小売店における医薬品販売の部分的解禁)
介護・保育サービスの量的拡大・質的向上が急務であるとの問題意識の下、社会福祉法人の改革、及び民間企業を含む多様な経営主体の市場参入の促進を図ることにより、消費者の多様な選択肢を拡大することが必要である。
改革の方向性としては、法的規制の撤廃や、施設整備費等の面での格差是正を図ることにより、公的部門や社会福祉法人の経営する施設と、民間企業が経営する施設についての対等な競争条件を確保することが必要である。
ケアハウス等への株式会社等の参入促進
グループホームに関する規制改革
公設民営の促進
情報公開、第三者評価の推進等
施設整備費補助等の格差是正
認可保育所基準の見直し及びその周知徹底
公立保育所の民間への運営委託促進
認可外保育所に関する基準の設定
情報公開、第三者評価の推進
保育所と幼稚園の融合
社会福祉法人に関する制度の運用に関する見直し
情報公開の促進
社会福祉法人の多様化
社会福祉協議会の役割の見直し
大企業を中心とした「一社雇用保障」の崩壊
低生産性部門から高生産性部門への円滑な労働移動の必要性
女性の社会進出等に伴う働き方に関する価値観の多様化
21世紀にふさわしい労働市場システムの整備
能力開発プログラムの充実
職業紹介規制の抜本的緩和
募集・採用における制限の緩和・差別撤廃
派遣労働者の拡大
有期労働契約の拡大
裁量労働制の拡大
労働基準法の改正等(解雇法制の検討着手を含む)
社会保険制度の改革等
大学教育においては、競争的な環境の整備を通じて教育研究活動の活性化を図る。初等中等教育においては、児童・生徒の能力・適性に応じた教育機会を提供するため、学校の透明性を高め、多様化を進める。
研究者の雇用、博士課程学生の給与型支援等における競争的資金の拡充
民間からの教育研究資金の流入活発化
大学教育における公的支援の見直し(機関補助と個人補助の在り方について)
大学生の学習に対する動機付け
学部・学科の設置・改廃の弾力化、大学設置基準、工場等制限制度の見直し
大学運営における外部専門家の登用等、ガバナンスの改革
大学運営の情報公開、第三者評価導入、事務部門のアウト・ソーシング等
社会人向け大学教育、大学院教育の促進
実務家の大学教員への積極的登用
学校教育の場での企業勤務等の経験を有する社会人の活用
「コミュニティ・スクール」設置に向けた積極的検討(モデル校作り)
私立学校の設置基準の明確化、私学審議会の見直し
通学区域の弾力化の促進
教員の資質向上
理数系教育、IT教育、社会性を身につけ勤労観や職業観を育む教育等の充実
留学生の倍増(ODA等による支援の充実、宿舎等受け入れ体制の整備等)
等を推進し、もって健全で恵み豊かな環境を将来世代へ継承。
廃棄物の定義・区分、廃棄物処理に係る業、施設許可の見直し等
拡大生産者責任、デポジット制の導入等
不法投棄跡地等の修復対策の強化
調査手続、浄化責任、費用負担の明確化、情報開示の実施のための立法措置等
温室効果ガスの発生削減
天然ガスの普及促進
環境会計等についてのルールの確立、第三者機関による監査制度の在り方等についての検討
都市の人工廃熱量の低減、地表面被覆の改善、海からの風の道を作る等のための立法措置等
「自然との共生を目指す国家戦略」の策定、これを実現するための立法措置等
旧弊的な不動産市場が存続している観点から、公正で透明な不動産市場を再構築。
日本の都市の魅力、国際競争力の低下していることから、都市の効用を高めるための各種制度の見直し。
分譲マンション等の建替需要急増への対応の必要性から、建替えに関する制度の整備。
不動産関連情報(地価公示の基礎的情報、固定資産税評価額)の開示
不動産鑑定手法の見直し(より収益性を重視した鑑定方法の定着促進)
透明かつ公平な媒介契約の在り方の検討
借家制度の更なる改善(定期借家権への切替等)
現行短期賃貸借制度の廃止
集団規定の性能規定化の検討
容積率に係る制度の合理化
多様な主体がまちづくりに参画できる仕組みの導入
合意形成ルールの明確化等による市街地再開発事業等の迅速化
市街地再開発事業の施行区域要件の見直し
道路占用・使用許可の運用改善の検討
区分所有法の建替え要件の見直し
再建建物への権利の円滑な移行のための制度の導入等による建替えの円滑化
既存不適格マンションの建替えの円滑化
中古住宅の検査制度、性能表示制度の整備
マンションの維持管理等に係る履歴情報の第三者機関への登録