事項(所管省) | 意見 |
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(1)医療分野における株式会社の参入 (厚生労働省) |
医療の質の向上や効率化・重点化は、下記のような問題点が予想される営利法人参入による経営面での競争ではなく、医療法人制度の見直し等医業経営の近代化や適切な情報開示に基づく患者選択を通じた医療の質の面での競争を促進することによって図られるべきである。 過去に、営利を目的に多数の患者に健康被害を生じさせ社会的非難を受けた病院の事例や、株式会社が衛生規制に違反する事件が最近再三にわたり報道されていること等を踏まえれば、生命・健康に関わる医療分野においては営利重視の結果生ずる患者の事故の未然防止の考え方に特段の配慮を置くべき。
以上から、医療分野に株式会社参入を認めない積極的理由は存在する。 なお、総合規制改革会議の考えでは、
医療においては、患者と医師との間に情報の非対称性が存在することを考えると、医療機関相互が完全な競争環境に置かれているとは言い難い。このような状況にもかかわらず、「問題は医療法人であれ株式会社であれ患者利益の向上に寄与しないものは淘汰されるだけである」との総合規制改革会議の論理には賛同できない。 |
(2)福祉分野における株式会社参入の推進 1)特別養護老人ホーム経営への株式会社の新規参入 (厚生労働省) |
老人福祉分野においては、既に、在宅介護サービスをはじめ、老後の住まいである有料老人ホームやケアハウスについても株式会社の参入が可能となっている。 しかしながら特別養護老人ホームは、これらとは異なり、寝たきりや痴呆などの要介護高齢者のみを対象に介護サービスを提供するための専用の入所施設であり、こうした入所者を保護するため、その経営主体には、良質な介護サービスを長期間安定した形で提供し続ける保証が求められる。このような性格は、障害者のための福祉施設など、他の入所型社会福祉施設と変わるところはない。
老人福祉法が特別養護老人ホームの経営主体を自治体と社会福祉法人に限定しているのは、このような理由によるものであり、株式会社については、次のとおり入所者の保護に欠けるおそれがあることから参入を認めることはできない。
さらに特別養護老人ホームは、市町村による措置の受け皿として老人福祉法に位置づけられており、こうした面からも、株式会社の参入はなじまない。 サービスの向上や効率的な経営については、現在の仕組みの中で取組が進められており、多くの弊害が予想される株式会社の参入によって実現を図るという考え方は適当でない。 |
(2)福祉分野における株式会社参入の推進 2)株式会社のケアハウス参入要件の緩和 (厚生労働省) |
<前期利益に係る基準の撤廃について>株式会社がケアハウスを設置する場合の、社会福祉法第62条第2項の規定に基づく都道府県知事等の許可は「自治事務」であり、都道府県知事等は、同条第4項の基準に沿いつつ、自らの判断に基づいて許可を行うことが可能。これは、各都道府県に送付した本年1月の厚生労働省老健局計画課長通知にも、地方自治法第245条の4第1項の規定に基づく「技術的助言」であると明記しているとおり。 したがって、「参入を排除することになる」との主張はそもそも事実誤認に基づくものである。 また、同課長通知においては、例えば、株式会社の子会社がケアハウスを設置・運営する場合には親会社の資産等も含めて勘案することのできる余地を明記するなど、柔軟な取扱いも示しているところである。 <資産基準の見直しについて>社会福祉法人には、
など、株式会社にはない種々の規制が課されているところであり、これを全く視野に入れずに資産基準のみを取り出して不均衡とする主張は適当でない。 また、上述のとおり、同課長通知は技術的助言であることを明記していること、さらに地域の証券取引所に上場している一定の場合には額の多寡は問わない旨を明記していることなど、柔軟な取扱いも示しているところである。 |
(3)教育分野における株式会社の参入 (文部科学省) |
次に掲げる理由から、教育分野に株式会社の参入を認めるべきではないと考えている。
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(4)農業分野における株式会社参入の一層の推進 (農林水産省) |
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事項(所管省) | 意見 |
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(2)官から民への事業移管の推進 2)行政財産の民間開放の推進 (総務省) |
行政財産である土地・建物等の活用については、現行制度上も、必要に応じて、目的外使用許可や普通財産としての貸付で対応することが可能であり、かつ、地方公共団体においては財産管理を長が一元的に行っており、財産区分の見直しは迅速に行うことが可能であることから、実態上支障となるような規制はそもそも存在しないと考えている。 |
(財務省) | 行政財産については、現行制度においても民間企業が事業等を行うために必要な場合には、当該財産の用途又は目的を妨げない限度において使用させることが可能である。実際庁舎内におけるコンビニエンスストアーや保育所などに使用させている。また公共サービスの提供を多様化する観点から、国の事務・事業の一部を民間に業務委託するに際し使用させること、及びPFI事業の用に供するためにPFI事業者に使用させることも現行法制上可能である。 「官から民への事業移管」を推進するに当たり、現行制度での取扱いが障害となっている事例は承知していないが、具体的な要望があれば検討してまいりたい。 |
(2)官から民への事業移管の推進 6)PFI事業推進のためのルールづくりと規制緩和の促進 (総務省) |
WTO政府調達規定(WTO協定及び特例政令)に準拠しつつも、総合評価一般競争入札により多段階選抜や契約交渉・協議を行うことは現行制度上可能であるが、例えば初めから特定の民間事業者との間で契約内容につき交渉・協議を行うようなことは、内外差別をなくし、外国事業者を広く政府調達手続に参加させ、競争性・公正性を高めるために各種のルールを定めているWTO政府調達規定の趣旨と相容れないと考えている。 |
(財務省) | ガイドライン規定事項である多段階選抜、契約書の軽微な変更については、公正性、透明性及び経済性の原則に合致するのであれば、現行の会計法の下でも可能であるため新たに法律上位置付ける必要性はないと考えている。 |
(3)同一市場における競争条件の均一化 1)教育・福祉分野における株式会社等への助成の取扱い (財務省) |
公的に提供されるサービスについて民間での積極的なサービスの提供が期待できるものについては、民へのシフトを積極的に進めるべきであるが、その際には、補助金等の廃止による競争条件の均一化を検討すべき。 その上でもなお公的主体によるサービスの提供を存置する必要があるものについては、公的補助を官民同一とすることは必ずしも適当でないのではないか。 |
(文部科学省) | 1.(3)と同意見 |
(厚生労働省) | 憲法第89条後段の趣旨について、教育等の事業からの宗教性の排除が目的であるとしているが、政府は、憲法第89条の「公の支配」の目的を「宗教性の排除」に限定する考え方は採っておらず、原案の解釈は不適当。 憲法第89条の「慈善・博愛事業」についても、時代の推移に伴い対象者が拡大するなど福祉の在り方は変容しているが(福祉の普遍化)、様々な理由から社会的支援を必要とする者に対し、その自立を支援するという社会福祉事業の理念は変わっておらず、その意味で、現在においても、社会福祉事業は「慈善・博愛事業」である。この憲法解釈は、これまで政府として一貫している。なお、憲法解釈の変更については、十分に慎重でなければならないと考える。 また、福祉分野においては、民間の者については、社会福祉法人のみに施設整備費補助が行われるなど公的助成の在り方が異なっている。 社会福祉法人に関しては、以下のような支援及び規制・監督を一体的に行い、質の高いサービスの継続的・安定的な提供を確保するための仕組みが制度に組み込まれている。
一方、民間企業は、自由な経済活動を行い、利益を確保し、配当することを目的としており、社会福祉法人に対して課している制約の趣旨を踏まえた規制を課すことはできない。 このため、憲法第89条及びサービス提供主体への一体的な支援、規制・監督の必要性の観点から、社会福祉法人のみを補助の対象としているところであり、株式会社について、財政援助のみ社会福祉法人と同様のものとすることはできない。 また、最終的に利益として株主等に配分される民間企業に公金(国民の税金)を支出することについては、一般の国民の理解を得ることは困難と考える。 |
(3)同一市場における競争条件の均一化 2)補助金・税制におけるイコールフッティングの実現 (財務省) |
(3)1)と同意見 |
(厚生労働省) | (3)の1)に対する意見のとおりであり、一律に公的助成等について、同様の取扱をすることはできない。 |
事項(所管省) | 意見 |
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(財務省) | 提供される教育等のサービスの水準や負担能力等にかかわらず、個人に対して一律に給付を行う場合には、財政資金の効率的使用に反する恐れがあることに留意する必要がある。また、個人支援の形態も、例えば、個人に対する給付型の支援を行う(ことを典型とする)「補助」ではなく、貸与等のより効率的な支援形態も検討されるべきである。 |
(文部科学省) | 教育分野においても利用者選択の拡大を図るべきであるが、教育の発展のためには、機関補助と利用者補助をバランスよく組み合わせながら両者の充実を図っていくことが必要であると考えており、現にそのような制度のもと、学生等による自由な学校の選択と学校間の競争が行われている。 仮に利用者補助を重視し、機関補助を抑制的に扱うとすれば、教育研究の質的向上が図られなくなると同時に、利用者補助を充実した分についても、それは必ずしも教育の質的向上につながらず、また、学費値上げによって効果が減殺されるおそれがある。このため、機関補助から利用者補助へのシフトによる利用者選択の拡大は適切でない。 また、以下の理由から、機関補助の方が利用者補助より優れており、低コストで実施できる。
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(厚生労働省) |
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