米国(第3)

第3 貧困実態下にある子供とその家族に対する具体的な支援

子供の貧困対策に関連する米国の政府組織における最大の課題は、米国が貧困削減のための統一的なアプローチをとっていないことである。つまり、異なる省庁、機関、集団、資金源、パートナーシップをまとめ、貧困削減を推進していくための「第一人者(Czar)」がいないのである。子供の貧困に特化した予算や支援プログラム、データ収集、報告システムも存在しない。そのため、「貧困を削減する」というマクロの一般的な目標以外には、連邦政府、州政府、地方自治体、民間団体がそれぞれ対応しているミクロレベルの貧困に関する目標を総合するものがなく、連邦議会においても決定的な行動を起こすためのまとまりのある提言が行われていない。米国における現行のアプローチは、子供の貧困を対象にしていない代わりに、貧困にある両親を対象にした計画を進めることで、子供に対するニーズも自然に浸透していくものとなっている。

米国政府は、過去50年間にわたり、貧困対策資金として16兆ドル以上の支出をしている。2012年の貧困対策の総支出額は、連邦政府が126の貧困対策プログラムを支援するために6,680億ドルを支出したのに加えて、州政府や地方自治体が更に2,840億ドルを支出したため、約1兆ドル近くになった。また、貧困者の保健医療対策プログラムを実施しているメディケイド(Medicaid)では、近年4000億ドルが支出され、栄養補助支援プログラムでは、約700億ドルが支出されている。貧困者の支援としての勤労所得控除には、550億ドルが支出されている。その他、具体的な支援については、
第2 子供の貧困実態や対策の実施状況を把握するための指標
 2.子供の貧困対策における指標の活用状況
第4 子供の貧困に関する法制度、施策の実施体制
 1.子供の貧困に関する法制度
 2.子供の貧困対策の実施体制
にそれぞれ記載されているので、参照されたい。