スウェーデン(第1)

第1 スウェーデンにおける子供の貧困対策の概要

国レベルでは、社会庁が子供の貧困を含む社会福祉を主に所管するが、その具体的な実施は、コミューン(Kommun)と呼ばれる地方自治体が担っている。

公式統計は、中央統計局(SCB)が管轄しており、貧困に関する主な統計として、世帯の可処分所得及び所得の構造についての統計である「Hushållens ekonomi (HEK)」(世帯の経済(HEK))が挙げられる。これに基づき、消費者庁が妥当と推定する生活水準に基づいて算出される、社会福祉援助金の交付基準とされている貧困境界線以下の状態が、絶対的貧困と定義されている。相対的貧困は、等価所得の中央値の60%を下回る場合を指すが、妥当な生活水準に達するために必要な金額とはいずれも関連しない。子供の貧困を測り得るその他の調査としては、SCBによるインタビュー調査である「子供の生活状況(子供-ULF)」があり、子供の主観による生活状況についての情報が収集されているほか、社会庁により「社会レポート」が5〜6年ごとに作成されている。

子供の貧困について、明確な削減目標設定は見られない。子供の貧困には、世帯種別による差が見られ、さまざまな測定において、単親世帯の子供、特に0-6歳の間の子供のいる同世帯の貧困レベルが高く、次いで移民の親を持つ子供、仕事のない世帯の子供が、貧困に対して脆弱である。スウェーデンは最低賃金レベルが高く、パートタイム労働者が比較的少ないため、貧困と有給雇用の有無には強い関連性が見られる。一方で、社会保障としての経済的援助などによって、子供が経験する経済的問題が必ずしも世帯の貧困と直結していないことを示す統計もある。

子供に対しては、出生から16歳又は学業が終了するまで子供補助金が支給されるほか、子供のいる家庭には所得に応じた住居補助金が支給される。更に、大学まで授業料は無料であり、子供に割当てられる予算がある。また、補助金又は貸付金による就学援助もあり、就学期間中の生活支援も行われている。このように、貧困に対する手厚い支援がなされている一方、子供の社会的経済的背景と学業成績との関連性があることも指摘されている。