第4章 指標の体系化と現行の指標の課題(1)
1. 指標の体系化
本章では、諸外国における子供の貧困に関する指標の状況及び日本の子供の貧困に関するものを中心とする先行研究を踏まえ、我が国の子供の貧困に関する指標の体系化を試みるとともに、現行の指標に基づく体系の課題を整理していく。
第1回有識者会議484 で提示された平成28年度の調査研究の方向性において、「教育の支援」「生活の支援」「保護者に対する就労の支援」及び「経済的支援」など必要な支援の各分類について適切に把握する観点から、国内調査の収集・分析を行うことに留意することとされた。これは、関連施策に設定されるKPI等を踏まえ、指標が設定されるよう整理するものであると言える。しかしながら、これでは現時点で子供の貧困対策に関連があるとされている施策の中からしか新たな指標が設定されないおそれがある。
また、大綱において、「指標の動向を確認し、これに基づいて施策の実施状況や対策の効果等を検証・評価するとともに、必要に応じて対策等の見直しや改善に努める」とされていることを踏まえれば、法や大綱における子供の貧困対策の目標を分類整理し、それぞれの目標について把握すべき状況を設定し、これに対応した指標を設定し、その指標の下に関連施策が位置付けられるべきものと考えるのが適当ではないか。本章は、こうした考え方に従い指標の体系化を試みた。
484第1回子供の貧困対策に関する有識者会議(内閣府) 平成27年8月28日開催
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/yuushikisya/k_1/gijishidai.html