第4章 指標の体系化と現行の指標の課題(1.1)

1. 指標の体系化

1.1. 大綱における目標の整理

大綱においては、貧困の世代間連鎖の解消と積極的な人材育成を目指すことが子供の貧困対策に関する基本的な方針である485 されており、これが子供の貧困対策の目的であると考えられる。

この目的の実現のため、大綱においては、「子供たちの成育環境を整備するとともに、教育の機会均等を図り、生活の支援、保護者への就労支援などとあわせて、子供の貧困対策を総合的に推進することが何よりも重要である」486 とされている。すなわち、現行の大綱では、貧困の世代間連鎖の解消と積極的な人材育成という子供の貧困対策の目的達成のため、教育の機会均等及び子供たちの健やかな成育環境の確保を目標としており、さらに、この目標達成のための手段として、教育の支援、生活の支援、保護者の就労の支援及び経済的支援に関する施策を重点施策として推進している、という構図となっていると考えられる。

485内閣府(2014)「子供の貧困に対策に関する大綱~全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指して~」(第2子供の貧困対策に関する基本的な方針 1貧困の世代連鎖の解消と積極的な人材育成を目指す。)

486同上(第1はじめに(「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の制定)