第4章 指標の体系化と現行の指標の課題(2.2)
2. 現行指標の体系化、課題
2.2. 現行指標の課題
把握すべき状況と現行の指標の整理を踏まえると、子供の貧困対策の目標との関係で次のとおり指標を充実させることが必要ではないかと考えられる。
2.2.1. 教育の機会均等の確保に関する指標
進学率をはじめとする就学等の状況については、幅広く指標が設定されているが、安定した生活につなげる観点から重要な高等学校中途退学の状況について、現行の指標で採用している生活保護世帯の子供の状況のみではなく、全世帯における状況を指標に追加し把握することが必要ではないか。
また、将来の貧困を防ぐ観点から、学力を身につけることが重要であることから、学力に課題のある子供の割合を把握することが適当ではないか。
前述の通り、現行の生活保護世帯、児童養護施設、ひとり親家庭の子供の就職率(中学校卒業後、高等学校等卒業後)では、指標の数値の評価が難しいことから、改善することが必要ではないか。
2.2.2. 健やかな成育環境の確保に関する指標
子供たちの健やかな成育環境を確保するためには、将来の貧困を予防する観点から、適切な栄養の摂取や発達段階に応じた生活習慣の確立など健康・生活習慣の把握が必要ではないか。
貧困の状況にある保護者や子供が、社会的孤立が原因で一層困難な状況に置かれることを防ぐため、社会的なつながりの状況の把握が必要ではないか。
ひとり親家庭の親の就業率の高さに比べ、ひとり親家庭の相対的貧困率が高いなど、世帯の生活が安定していないと考えられるひとり親家庭の就労、ひとり親家庭の経済状況の把握が必要ではないか。