第5章 現行指標に追加すべき新たな指標の例(3.2)

3. 健やかな成育環境の確保に関する指標

3.2. 社会とのつながりの把握

3.2.1.「相談相手がほしいひとり親の割合」「必要な頼れる相手がいない人の割合」

(1) 新しい指標の例とする理由

生活困窮状態にある家庭は、様々な不利を背負うばかりでなく、社会的に孤立しがちである。そのために必要な支援が受けられず一層困難な状況に置かれてしまうとの指摘もあり、困窮状態にある子供及びその保護者の対人関係や社会参加の機会など、社会とのつながりの状況を把握することが必要である。とりわけ孤立しがちであることが指摘されている、ひとり親の社会とのつながりの状況にも目を向けることが求められるのではないか。

(2) 大綱における関連施策

現行の子供の貧困に関する施策との関連施策は以下のとおりである。

  • 生活困窮者自立相談支援事業
  • 相談窓口のワンストップ化の促進
  • ひとり親家庭日常生活支援事業
  • 家計管理・生活支援講習会等事業
  • 相談支援事業
  • 情報交換事業
  • 乳児家庭全戸訪問事業
  • 養育支援訪問事業
  • 沖縄子供の貧困緊急対策事業
(3) 活用が考えられる統計調査

ひとり親の社会とのつながりを把握するのに寄与するわが国の統計調査としては、以下の2つが候補として考えられる。

1 厚生労働省「全国母子世帯等調査」

本調査は、1998(平成10)年度よりおおむね5年度毎に実施されている。最新調査は2011(平成23)年度であり、「相談相手がほしいひとり親の割合」は以下の通り推移している。

図表5-6 ひとり親家庭の親で相談相手がおらず、欲しいと答えた人の割合の推移

ひとり親家庭の親で相談相手がおらず、欲しいと答えた人の割合の推移

ひとり親家庭の親で相談相手がおらず、欲しいと答えた人の割合の推移

出典:全国母子世帯等調査(厚生労働省)

※おおむね5年度ごとに実施。最新の調査は平成23年度。

注1) ひとり親世帯の割合は公表されていないため、公表されている母子世帯と父子世帯の世帯数を基に算出した。
注2) 公表されている割合は相談相手がいないと答えた人に対する割合であるため、世帯全体に対る割合を公表されている世帯数を基に算出した。


2 国立社会保障・人口問題研究所「生活と支え合いに関する調査」

本調査は、2007(平成19)年度より5年度毎に実施されており、最新調査は2012(平成24)年度である。ただし、「必要な頼れる相手がいない人の割合」は、平成24年度からの調査項目であり過去の値は現時点では示すことができない。

図表5-7 子供がある世帯の世帯員で必要であるが頼れる人はいないと答えた人の割合

子供がある世帯の世帯員で必要であるが頼れる人はいないと答えた人の割合

出典: 生活と支え合いに関する調査(国立社会保障・人口問題研究所)

※平成19年度より5年度ごとに実施。最新の調査は平成24年度。

注1) 対象は65歳未満の世帯員である。
注2) この調査項目が集計されたのは平成24年度が初めてである。


(4) 考慮すべき点

相談相手がほしいひとり親の割合の世帯収入別の算出については、特別集計が必要である。

生活と支え合い調査では、「看病や介護、子供の世話」「健康、介護、育児に関する相談」等10項目に分けて頼れる人の有無を調査している。しかし全ての相談項目について頼れる人がいないと答えた人の割合の算出においては、特別集計が必要となる。また、それぞれの相談項目について頼れる人がいない人の個人収入別の値が公表されているが、必要な頼れる相手がいない人の割合について、子供の有無別や世帯属性別の値を算出する場合は、特別集計を行うことが必要となる。

なお、本調査では、自治体・町内会・ボランティア・NPO等の会やグループへ参加しているか否かの質問項目があるが、結果が公表されていない。