第5章 現行指標に追加すべき新たな指標の例(3.4)

3. 健やかな成育環境の確保に関する指標

3.4. 所得の状況

3.4.1. 「ひとり親家庭で養育費の取決めをしている割合」「ひとり親家庭で養育費を受給していない子供の割合」

(1) 新しい指標の例とする理由

我が国のひとり親家庭の親の就業率は高いにもかかわらず、子供がいる現役世帯のうち、大人が一人である世帯の貧困率は高い。これは離婚後の生活を下支えする養育費の確保が十分になされていないことが原因の1つと考えられ、ひとり親家庭の生活に必要な経済的資源確保の必要性から、離婚後の子供の養育費の確保の状況を把握する必要があると考えられる。

(2) 大綱における関連施策

現行の子供の貧困に関する施策と関連施策は以下のとおりである。

  • 養育費相談支援の実施
  • 養育費等の取決めについて解説したパンフレット(合意書のひな形を含む)の離婚届書との同時交付
  • (ニッポン一億総活躍プラン)511 より確実な養育費の確保の仕組み
(3) 活用が考えられる統計調査

ひとり親家庭の養育費確保の状況を把握するのに寄与する我が国の統計調査としては、以下の2つが候補として考えられる。

1 厚生労働省「全国母子世帯等調査」

本調査は、1998(平成10)年度よりおおむね5年度毎に実施されており、最新調査は2011(平成23)年度である。「ひとり親家庭で養育費の取決めをしている割合」は以下のとおり推移している。

図表5-9 ひとり親世帯のうち養育費についての取決めのある世帯割合の推移

ひとり親世帯のうち養育費についての取決めのある世帯割合の推移

ひとり親世帯のうち養育費についての取決めのある世帯割合の推移

出典:全国母子世帯等調査(厚生労働省)

※おおむね5年度ごとに実施。最新の調査は平成23年度。

注1) 父子世帯は平成18年度調査から集計されている。
注2) ひとり親世帯の割合は公表されていないため、公表されている母子世帯と父子世帯の世帯数を基に算出した。


厚生労働省「全国母子世帯等調査」は、1998(平成10)年度よりおおむね5年度毎に実施されており、最新調査は2011(平成23)年度である。「ひとり親家庭で養育費を受給していない子供の割合」は以下のとおり推移している

図表5-10 ひとり親家庭のうち養育費を受け取っていない世帯の割合の推移

ひとり親家庭のうち養育費を受け取っていない世帯の割合の推移

ひとり親家庭のうち、養育費を受け取っていない家庭に暮らす子供の割合の算出には特別集計が必要。

ひとり親家庭のうち養育費を受け取っていない世帯の割合の推移

出典:全国母子世帯等調査(厚生労働省)

※おおむね5年度ごとに実施。最新の調査は平成23年度。

注1) 父子家庭は平成18年度調査より集計されている。
注2) ひとり親世帯の割合は公表されていないため、公表されている母子世帯と父子世帯の世帯数を基に算出した。
注3) 受給していない世帯は、公表されている「現在も養育費を受給している」と答えた世帯の割合から算出している。「養育費を受給したことがある」と答えた世帯は受給していない世帯に含まれている。


(4) 考慮すべき点

ひとり親家庭で養育費の取決めをしている場合については、取決めをしていても養育費の支払いが続くとは限らないことを考慮する必要がある。また、離別した男性は、無業者や公的年金未加入者の比率が高く、契約雇用者や小規模企業に勤めている場合が多い。さらに、持ち家率も少ないことも報告されており、一部の父親には支払いの「能力」が欠如している可能性が示唆されていることも留意が必要である。

養育費を受給していないひとり親家庭に暮らす子供の割合の算出には特別集計が必要であるため、上記のグラフには世帯の割合の推移を示した。

511「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月2日閣議決定) 45頁http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/plan1.pdf