第6章 物質的はく奪指標(1.2.2)

1. 物質的はく奪指標の基本的概念等

1.2. 諸外国における活用状況

1.2.2. イギリス

イギリスは、EUの加盟国として上記調査に参加するほか、「家庭資源調査」(Family Resource Survey, FRS)において物質的はく奪に関する調査を行っている。家庭資源調査(FRS)では、子供のいる世帯に対し、大人と子供のはく奪の状況をそれぞれ調べるため、以下の質問を行っている。

大人のはく奪の状況を把握するための質問は、1)家財保険をかけている、2)冬に住居を暖かくできる、3)請求書や定期的な負債の支払ができる、4)家に適当な装飾を施すためのお金がある、5)冷蔵庫や洗濯機などの主要な電化製品を取り替えたり修理したりする、6)傷んだ家具を取り替える、7) 家族のためではなく自分のために毎週使える少額のお金がある、8)少なくとも年に1週間、親戚の家に宿泊する以外で、家を離れた休暇を取る、9)不慮の場合や退職に備えて月に10ポンド以上を定期的に貯蓄する、の9項目から構成されている。

子どものはく奪の状況を把握するための質問は、1)10歳以上の異性の子供全員が自分の寝室を持てる部屋数がある、2)近くに安全に遊べる屋外空間又は施設がある、3)子供全員に暖かい冬用のコートが与えられている、4)少なくとも年に1週間家を離れて家族で休暇を取る、5)趣味又は余暇活動ができる、6)毎週学校外の組織的な活動に参加する、7)修学旅行に行く、8)乳幼児保育施設に入所している、又は、乳幼児の子育てサークルなどに少なくとも週1度参加している、9)毎日生の野菜や果物が与えられている、10)スポーツ用具や自転車などの娯楽用品がある、11)特別なときのお祝いをする、12)2週間に2回お茶を飲む友人がいる、の12項目から構成されている。ある項目を保持・享受していない場合について、その理由も併せて質問することにより、不保持・非享受の理由が経済的理由によるものかどうかのスクリーニングを行っている525

経済的理由により所有していない項目数を、ウェイト付け526 をした上で合計し、相対的貧困率と合成した指標として算出している。

525前掲54

526ウェイト付けの方法の詳細は「2.3. ウェイト付け(重み付け)を行う場合の考え方」を参照。