第6章 物質的はく奪指標(3.1)

3. 日本で物質的はく奪指標を作成する場合の手順、留意事項等

3.1. 日本で物質的はく奪指標を作成する場合の手順

仮に、欧州における物質的はく奪指標作成手順と同様の手順で、日本版の物質的はく奪指標を作成する場合には、以下の作業が必要と考えられる。

1 日本の実情を踏まえた独自の社会的必需品項目を選定するため、先行研究や既存統計の精査、ヒアリング調査などの手法を通じ、社会的必需品項目の候補リストを作成する。

2 候補リストを用いて予備調査を行い、国民の一定数以上が「必要である」と合意する項目のみを選定する。合意水準については、例えば、EUにおいては50%以上が必要とされている。

3 社会的合意が得られた必需的項目について、EUで用いられている統計的検定の手法(2.4参照)などを用いて、統計的に精査した上で必需的項目を選定することが必要となる。
※ 統計的な精査のためには、仮調査が必要となるが、はく奪指標を構成する項目の候補だけではなく、貧困と相関が高いと考えられる変数(EUでは、低所得、主観的貧困感及び主観的健康状態)も調査する必要があることに留意が必要である。

4 これらのプロセスを経て選定された社会的必需品項目をリスト化し、その所有状況(所有していない場合は理由)を問う実査調査を行う。

5 具体的な物質的はく奪指標の作成について、ウェイト付けやリスト化された項目のうち何項目が欠如していた場合に「はく奪状態」とみなすかといったはく奪状態の基準(はく奪線)について、諸外国の例を踏まえ決定する。