参考資料(4)

4.子供の貧困対策に関する大綱について(関連箇所の抜粋)

第1 はじめに

(「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の制定)

明日の日本を支えていくのは今を生きる子供たちである。その子供たちが自分の可能性を信じて前向きに挑戦することにより、未来を切り拓いていけるようにすることが必要である。しかしながら現実には、子供たちの将来がその生まれ育った家庭の事情等に左右されてしまう場合が少なくない。

政府の調査によれば、我が国の子供の貧困の状況が先進国の中でも厳しく567 、また、生活保護世帯の子供の高等学校等進学率も全体と比較して低い水準になっている568

子供たちの将来と我が国の未来をより一層輝かしいものとするためには、子供たちの成育環境を整備するとともに、教育を受ける機会の均等を図り、生活の支援、保護者への就労支援などとあわせて、子供の貧困対策を総合的に推進することが何よりも重要である。いわゆる貧困の連鎖によって、子供たちの将来が閉ざされることは決してあってはならない。

このような事情等を背景に、昨年(平成25年)6月に議員提出による「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(以下「法律」という。)が国会の全会一致で成立し、本年(平成26年)1月に施行された。

(子供の貧困対策の意義と大綱の策定)

日本の将来を担う子供たちは国の一番の宝である。貧困は、子供たちの生活や成長に様々な影響を及ぼすが、その責任は子供たちにはない。

子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策は極めて重要である。

そうした子供の貧困対策の意義を踏まえ、全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し、子供の貧困対策を総合的に推進するため、政府として、ここに「子供の貧困対策に関する大綱」を策定する。

第2 子供の貧困対策に関する基本的な方針

1 貧困の世代間連鎖の解消と積極的な人材育成を目指す。

子供の貧困対策は、法律の目的規定(第1条)にもあるとおり、貧困の世代間連鎖を断ち切ることを目指すものであるが、それとともに、我が国の将来を支える積極的な人材育成策として取り組むということが重要である。

国民一人一人が輝きを持ってそれぞれの人生を送っていけるようにするとともに、一人一人の活躍によって活力ある日本社会を創造していく、という両面の要請に応えるものとして子供の貧困対策を推進する。

2~4 (略)

5 教育の支援では、「学校」を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付けて総合的に対策を推進するとともに、教育費負担の軽減を図る。

家庭の経済状況にかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての子供が質の高い教育を受け、能力・可能性を最大限伸ばしてそれぞれの夢に挑戦できるようにすることが、一人一人の豊かな人生の実現に加え、今後の我が国の成長・発展にもつながるものである。

教育の支援においては、学校を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付け、1学校教育による学力保障、2学校を窓口とした福祉関連機関との連携、3経済的支援を通じて、学校から子供を福祉的支援につなげ、総合的に対策を推進するとともに、教育の機会均等を保障するため、教育費負担の軽減を図る。

6 生活の支援では、貧困の状況が社会的孤立を深刻化させることのないよう配慮して対策を推進する。

貧困の状況にある子供については、これに伴って様々な不利を背負うばかりでなく、社会的に孤立して必要な支援が受けられず、一層困難な状況に置かれてしまうことが指摘されている。

このような社会的孤立に陥ることのないよう、生活の支援において、相談事業の充実を図ることなどにより、子供及びその保護者の対人関係の持ち方や社会参加の機会等にも配慮して対策に取り組む。

また、生活保護法や生活困窮者自立支援法等の関連法制を一体的に捉えて施策を推進する。

7 保護者の就労支援では、家庭で家族が接する時間を確保することや、保護者が働く姿を子供に示すことなどの教育的な意義にも配慮する。

保護者の就労支援は、労働によって一定の収入を得て、生活の安定を図る上で重要であることはいうまでもない。

収入面のみならず、家庭で家族がゆとりを持って接する時間を確保することや、親等の保護者が働く姿を子供に示すことによって、子供が労働の価値や意味を学ぶことなど、貧困の連鎖を防止する上で大きな教育的意義が認められることからも、保護者の就労支援の充実を図る必要がある。

8 経済的支援に関する施策は、世帯の生活を下支えするものとして位置付けて確保する。

子供の貧困対策を進めるに当たっては、生活保護や各種手当など、金銭の給付や貸与、現物給付(サービス)等を組み合わせた形で世帯の生活の基礎を下支えしていく必要があり、経済的支援に関する施策については子供の貧困対策の重要な条件として、確保していく必要がある。

9、10 (略)

567子供の貧困率16.3%(2012年厚生労働省データ)(2010年OECD加盟34カ国中25位)(OECD(2014)データ ※日本の数値は2009年15.7%)

568生活保護世帯の子供の高等学校等進学率90.8%(全体98.6%)(2013年厚生労働省/文部科学省データ)