子供の未来応援国民運動 一周年の集い
平成28年11月8日(火)、総理大臣官邸において、安倍内閣総理大臣及び加藤内閣府特命担当大臣をはじめとする関係閣僚、これまで国民運動に御協力いただいてきた企業や、子供の未来応援基金による支援先団体などが一堂に会し、「子供の未来応援国民運動 一周年の集い」を開催しました。
政府においては、昨年10月に国民運動が本格始動してからも、第2子以降への児童扶養手当の加算額の倍増や奨学金事業の充実など、様々な分野で施策の充実を図ってまいりました。今後も、子供の貧困対策を一億総活躍社会を目指す上での重要な柱として、本年6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」(官邸サイト)に基づき、引き続き施策の充実・推進を図っていくこととしています。
また、官公民の連携・協働プロジェクトとしては、誰もが子供の貧困対策のために行動できる仕組みとして創設した「子供の未来応援基金」に対して集まった、企業・団体、個人の方々から様々な御支援を基に、全国各地のNPO等民間団体を支援することとしています。
こうした一年間の動きを振り返るとともに、政府の取組を紹介し、思いを共有した上で、子供たちのために一丸となって連携を進めていきたいとの考えから、下記のとおり集いを開催しました。
議事次第
- 日時 平成28年11月8日(火)17:30~18:30
- 場所 総理官邸2階大ホール
- 次第
(1)内閣府特命担当大臣挨拶
(2)発起人代表挨拶
(3)国民運動推進事務局からの報告
(4)企業代表に対する感謝状贈呈
(5)基金により支援を受けるNPO等の活動報告
(6)子供たちを支援する若者からのメッセージ
(7)内閣総理大臣挨拶
(8)内閣総理大臣から子供たちへのメッセージ
配布資料
動画
冒頭、国民運動推進事務局を代表して、加藤勝信内閣府特命担当大臣が挨拶しました。その中で、加藤大臣は、政府の取組を紹介し、「子供の未来応援基金」への寄付をはじめ、多くの企業・団体、個人の方からの協力に対する感謝の意を表するとともに、政府も引き続き施策の充実・推進を図っていくことを述べ、「全ての子供たちが前向きに挑戦し、未来を切り開いていけるよう、皆様方のお力をお借りしながら、この運動を更に大きなものにしていく」と決意を表明しました。
挨拶をする加藤内閣府特命担当大臣
続いて、国民運動の発起人代表として、旭化成株式会社取締役会長 伊藤一郎様より御挨拶をいただきました。
伊藤会長は、多くの企業が国民運動に参加し、草の根で支援活動が広がっていることは大きな成果であると感じていること、しかしながら、国民運動の目的である官公民の応援ネットワークの構築は、一年で達成できるものではなく、粘り強く継続して取り組むことが重要であることを述べ、引き続きの理解と協力を呼びかけました。
国民運動への理解と協力を呼びかける伊藤会長
次に、国民運動におけるこれまでの一年や多くの方から寄せられた御支援について、国民運動推進事務局の西崎文平 内閣府政策統括官から報告しました(資料1参照)。
国民運動推進事務局からの報告(西崎政策統括官)
続いて、これまで国民運動に御協力いただいた企業への感謝状贈呈が行われ、加藤大臣より、出席企業代表として、三井不動産株式会社代表取締役社長 菰田正信様に感謝状が贈呈されました(感謝状贈呈企業一覧については、資料2参照)。
企業代表(三井不動産株式会社 菰田代表取締役社長)に対する感謝状贈呈
次に、本年10月に初の支援先団体が決定された子供の未来応援基金に関して、申請団体の審査に当たられた基金事業審査委員会の草間吉夫委員長(東北福祉大学特任教授)より審査の講評をいただきました。
草間委員長は、全国から500を超える応募があり、本基金への期待やニーズを感じたこと、審査に当たっては、予め支援総額に制限を設けず、評価できる団体を選定した結果、採択件数86件、助成総額約3億1500万円と非常に多くの団体を支援することができた旨を述べられ、採択団体に対する期待を語られました。
審査の講評を語る草間委員長
続いて、支援先団体の代表として、NPO法人STORIAの代表 松井直美さん、NPO法人パノラマの代表 石井正弘さんから活動内容の報告があり、日々の活動を通じた子供たちへの思いが語られました(資料3・4参照)。

NPO法人STORIAからの活動報告

NPO法人パノラマからの活動報告
次に、日々、子供たちに接して支援活動を行っている若い世代を代表して、民間団体で子供たちの学習支援に携わっている玉木絵梨さん、山田友樹さんから、会場に向けてメッセージをいただきました。
玉木さんは、子供たちの未来は変えられること、実際に活動を通じて子供たちの行動や意欲に変化が見られる瞬間があり、その積み重ねが子供たちの明るい未来につながると信じていると語られました。
山田さんは、この問題への関心の高まりや支援活動の充実を感じるが、問題解決には息の長い取組が必要であることを述べられ、どんな環境に生まれた子供でも、明るい見通しを持って頑張ることができる社会の実現に向けた思いを語られました。

日々の支援活動を通じたエピソードを語る玉木さんと山田さん ①

日々の支援活動を通じたエピソードを語る玉木さんと山田さん ②
ここで、安倍晋三内閣総理大臣が入場し、挨拶をいたしました。その中で、安倍総理は、様々な困難を抱える子供たちへの支援にあたり、支援者や関係者がつながり、地域における支援の輪が広がることへの期待を述べ、「全ての子供たちが、その生まれ育った環境に左右されず、夢に向かって頑張ることができる社会を、一緒に創り上げていきたい」と呼びかけました。
挨拶をする安倍内閣総理大臣
続いて、日本の未来を担う子供たちに向けた、安倍総理のメッセージが紹介されました。 メッセージは、国民運動に御協力いただいている女優・モデルの高橋ユウさんの朗読により、紹介していただきました。

メッセージを朗読する高橋ユウさん
メッセージには、子供たちに寄り添って支援されている方々への敬意とともに、「周囲に支えてくれる人が必ずいる。好きなことに思い切りチャレンジしてほしい」という子供たちに向けたエールと、子供たちを応援するという強い決意が込められています。
支援の現場で子供たちに寄り添い活動いただいてる方々を通じて、直接子供たちに届け、語りかけていただきたいという願いから、安倍総理は、玉木さんと山田さんにこのメッセージを託しました。

子供たちへのメッセージを託す安倍総理 ①

子供たちへのメッセージを託す安倍総理 ②
最後に
子供の未来応援国民運動は、全ての子供たちが、行政による支援や周囲のサポートを得ながら、夢と希望を持って、未来を切り拓いていけるよう、官・公・民で手を携え、子供たちを支援する輪を広げる活動です。
行政による支援策は引き続き拡充してまいりますとともに、様々な困難を抱える子供たちがその困難を抱えこむことなく、支援につながることができるよう、国、自治体、民間の企業・団体等が連携して取り組むことが必要です。
見えにくく、実態が捉えにくいといわれる子供の貧困。多くの方にこの問題を知っていただき、身近に困っている子供がいるかも知れないという「気づき」を持っていただくことで、支援の輪は確実に広がっていきます。皆様の御理解と御協力をお願いいたします。