第1章 高齢化の状況
第1節 高齢化の状況
1 高齢化の現状と推移
○ 65歳以上の高齢者人口は、平成15(2003)年10月1日現在、2,431万人であり、このうち、男性は1,026万人と初めて1,000万人を超えた。
総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は19.0%となっている。高齢者人口のうち、前期高齢者(65〜74歳)人口は1,376万人、後期高齢者(75歳以上)人口は1,055万人となっている(表1−1−1)。
なお、全国の100歳以上の高齢者は、平成15(2003)年9月現在で2万人を超え、わずか5年で倍増している。
表1−1−1 高齢化の現状
○ 高齢者人口は平成32(2020)年まで急速に増加し、その後はおおむね安定的に推移する一方、総人口が減少に転ずることから、高齢化率は上昇を続け、27(2015)年には26.0%、62(2050)年には35.7%に達すると見込まれている(図1−1−3)。
図1−1−3 高齢化の推移と将来推計
2 地域別にみた高齢化
○ 都道府県別の高齢化率は、三大都市圏で低く、それ以外の地域で高い。平成12(2000)年現在、最も高い島根県で24.8%、最も低い埼玉県で12.8%となっている。今後、高齢化率はすべての都道府県で上昇し、37(2025)年には、最も高い秋田県で35.4%、最も低い沖縄県でも24.0%に達すると見込まれている(表1−1−4)。
表1−1−4 都道府県別高齢化率の推移
○ 高齢化率による市区町村の分布は、昭和55(1980)年、60(1985)年には高齢化率10〜15%未満を中心に集中していたが、平成12(2000)年には、高齢化率20〜25%未満が最も多く、分布の広がりも大きくなっている。
3 高齢化の要因
○ 我が国の平均寿命は戦後大幅に伸び、平成14(2002)年には男性が78.32年、女性は85.23年となっている。また、65歳時の平均余命は、男性17.96年、女性22.96年となっており、男女とも高齢期が長くなっている(図1−1−8)。
図1−1−8 平均寿命及び65歳時の平均余命の推移
○ 出生の状況をみると、合計特殊出生率は、第1次ベビーブーム以降急速に低下して昭和31(1956)年に2.22となり、50(1975)年に1.91と2.00を下回った。平成14(2002)年は1.32であり、過去最低水準となっている(図1−1−9)。
図1−1−9 出生数と合計特殊出生率の推移
4 高齢化の影響
○ 平成15(2003)年の65歳以上の労働力人口は489万人であり、労働力人口総数の7.3%を占めている。今後、労働力人口総数が減少に転ずる中、労働力人口の高齢化は一層進展していくものと見込まれる(図1−1−14)。
図1−1−14 労働力人口の推移と見通し
○ 年金・医療・福祉における社会保障給付をみると、平成13(2001)年度は81兆4,007億円であり、国民所得に占める割合は、昭和45(1970)年度の5.8%から22.0%に上昇している。高齢者関係給付費の内訳をみると、年金保険給付費が40兆6,178億円と全体の4分の3弱を占めている(図1−1−15)。
図1−1−15 社会保障給付費の推移
5 高齢化の国際的動向
○ 世界の高齢化率は、2000(平成12)年の6.9%から2050(62)年には15.9%まで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進展する(表1−1−17)。
表1−1−17 世界人口の動向等
○ 先進諸国の高齢化率を比較すると、我が国は1980年代までは下位、90年代にはほぼ中位であったが、21世紀初頭には最も高い水準となることが見込まれている(図1−1−18)。
図1−1−18 世界の高齢化率の推移