(1)「多様なライフスタイルを可能にする高齢期の自立支援」に関する政策研究
高齢社会対策大綱では、高齢者の多様性を踏まえつつ、特に今後増加が見込まれる高齢者として、「活動的な高齢者」、「一人暮らしの高齢者」、「要介護等の高齢者」の三つの類型に着目し、各類型の高齢者が安心して自立した生活を送れるよう、それぞれに対応した支援策の展開を求めている。
本テーマは、高齢者の生活全般に関わるものであり、その推進に当たっては、高齢者の「生活の質」という個別分野を越えた横断的な視点から、現状と求められる政策を整理をすることが必要となってくる。また、今後の推進状況を測定・評価するためには、定性的な記述にとどまらず定量的な指標体系の構築が有用である。
このため、本政策研究においては、各類型の高齢者のそれぞれが自立した生活を送っていくために、どのような支援策が求められているかという政策上の課題を、それぞれの高齢者の特徴を踏まえ、「政策目標」として設定し、各政策目標ごとに、高齢者の生活の質の視点から現状を的確に測定できる指標を設定した(表2−2−2、表2−2−3、表2−2−4)。
表2−2−2 活動的な高齢者の指標
表2−2−3 一人暮らし高齢者の指標
表2−2−4 要介護等の高齢者の指標
今後は、この指標の動向により大綱の推進状況を評価し、次期大綱の策定作業に反映する。
なお、各類型の対象とする高齢者の範囲は、以下のとおりとした。
ア 活動的な高齢者:健康上の問題で日常生活に影響がない高齢者(実際に就業や社会参加等の活動に従事しているものに限らない)
イ 一人暮らし高齢者:単身世帯である高齢者(「活動的な高齢者」や「要介護等の高齢者」も、一人暮らしであれば含まれる)
ウ 要介護等の高齢者:健康上の問題で日常生活に影響がある高齢者(介護保険制度における要介護・要支援の者に限らない)