第2章 高齢社会対策の実施の状況 

ウ 防災施策の推進

 高齢者は、身体機能の低下などによって災害発生時に的確な行動ができずに犠牲となる危険性が高く、災害を被ると生活の建て直しが困難であるため、災害からの高齢者の保護は特に重要である。
 「防災基本計画」(平成16年3月中央防災会議決定)においても高齢者等の災害時要援護者に配慮した防災対策を実施することとされており、病院、老人ホーム等の施設を守る土砂災害対策等を重点的に実施している。また、高齢化率の特に高い地域等が激甚な水害、土砂災害を受けた場合の再度災害防止等を図っている。
 「住宅防火基本方針」(平成13年4月消防庁策定)に基づき、高齢者等を中心とした住宅火災による死者の低減を目標とした広報・普及啓発活動等の住宅防火対策を推進している。さらに、平成15年には消防審議会等において新たな住宅防火対策について審議され、住宅用火災警報器等の設置の法制度化等を内容とする答申等が取りまとめられた。
 また、本格的な高齢社会を迎え、老人福祉法(昭和38年法律第133号)で定める老人福祉施設等以外の新たな高齢者居住施設(グループハウス、シルバーハウジング等)が増加していることを踏まえ、学識経験者、関係府省等からなる検討会において、既往施設との比較等を行いつつ、これらの新たな施設等に対する防火安全対策の在り方について検討を行った。さらに、防災基盤整備事業の一つとして災害弱者消防緊急通報システムの普及に努めている。

 

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