第2章 高齢社会対策の実施の状況 

イ ゆとりある職業生活の実現等
 勤労者が、職業生活と家庭や地域での生活とを調和させつつ、生涯にわたってその能力を有効に発揮するには、心身の健康を保ちつつ、仕事のための時間と家庭・地域・学習などのための時間を様々に組み合わせ、バランスのとれた働き方を選択できる環境を整備していくことが重要である。
 こうした中、短時間労働者が大幅に増加する一方で、子育て世代も含めて著しい長時間労働者も増加し、いわゆる労働時間分布の「長短二極化」が進展していることや、過重労働による健康障害が深刻化していることなどの労働時間をめぐる課題を踏まえ、第162回国会に、「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」(平成4年法律第90号)について、計画的な労働時間の短縮を図る法律から、個々の労働者の健康や生活に配慮した労働時間、休日及び休暇の設定を図る法律へと改めるための改正を含む「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案」を提出した。
 また、勤労者が仕事を離れてボランティア活動に参加することにより、仕事、生活、地域のバランスがとれた勤労者生活を図ることを目的として、経営者団体、社会福祉協議会及びNPO・ボランティア支援団体の連携の下、勤労者がボランティア活動へ参加するきっかけづくりを行う、勤労者マルチライフ支援事業を12道県において実施し、インターネットによる情報提供、ボランティア活動体験プログラム等の実施、勤労者や企業に対する啓発活動を行っている。

 

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