第2章 高齢社会対策の実施の状況 |
コラム 05
高齢者福祉施設と保育園等との交流 ア 社会福祉法人江東園 江戸川区の社会福祉法人「江東園」では、老人福祉施設や児童福祉施設の運営、各種の介護保険サービスを実施し、高齢者と幼児の相互の交流を促進し、利用者の個性と実情を重視したお年寄りの生きがいある生活づくりを行っている。 また、次のようなサービスにより、虚弱なお年寄りの介護予防と生きがいづくりを行っている。 「熟年ふれあいセンター」では、心身機能の低下予防と維持向上のための援助として、区内の60歳以上の虚弱であるが自立と判定される高齢者のために、地域の中学校の空き教室を利用して、施設行事への参加や各種の文化講座、クラブ活動、レクリエーション、健康維持のための体操等を実施している。これらに参加することにより、人とのふれあいを促進し、孤独感の解消と健康維持、寝たきりの予防、広い意味での社会参加によるリハビリテーションや個別の生活リハビリ援助を促進し、生きがいの持てる生活づくりを支援している。 「機能訓練」では、残っている機能を少しでも引き出し、地域や家庭の中で自立して生き生きとした生活を送ることを可能にするように、脳血管障害の後遺症、高齢による歩行困難、運動機能の低下等、不自由な生活をされている人のために、理学療法士や作業療法士等の指導に基づき、継続的に機能訓練回復プログラムを実施している。 また、利用者、家族との定期的な面接を行い、目的に沿った効果的なリハビリテーションを行っている。
施設内の様子
イ 特別養護老人ホーム マイホームはるみ 東京都中央区が晴海地区に開設した特別養護老人ホーム「マイホームはるみ」は、ロの字型の6階建ての建物に保育園、中学校が合築されるという全国でも初めてのものであり、中央には中庭(ふれあい広場)が設けられ、相互に自由に行き来ができ、自然に交流ができるように工夫されている。 保育園との交流では、毎週木曜日の午前中に保育園の園庭が老人ホームの入所者のために開放され、園児たちと共に遊ぶことができ、また、毎月保育園の行事(誕生会及び季節の行事)に招待を受けている。中学校との交流では、中学校の入学式から卒業式にいたる年間行事に、老人ホームの入所者が招待され自由に参観しており、卒業式には、入所者から卒業生にバラの花が手渡され、前途を祝福する行事が行われている。 隣接する晴海総合高校との交流では、看護家庭科クラブの実習を受け入れたり、生徒による邦楽演奏のボランテイア活動が行われるなど、色々な催し物に老人ホームの入所者が参加している。近年、総合学習が展開されるようになり、近隣にある幼稚園(2園)、小学校(3校)、高等学校の老人ホームへの来訪があり、年間を通して約100回、毎週1回以上の交流が行われている。 同ホームは、高齢者複合福祉施設として、在宅介護支援センター、短期入所生活介護、高齢者在宅サービスセンター(通所介護)を併設し、また、通所介護や短期入所生活介護でカバーしきれない夜間時間帯のサービスを提供するため、区の委託で24時間対応巡回型ホームヘルプサービスを実施している。ヘルパーの対応やサービス内容についてはアンケート調査等で把握し、事情の異なる各家庭のニーズに的確にこたえ、きめ細かなサービスの提供を行っている。 今後はさらに、緊急時にいつでも対応できる地域密着型サービス(夜間対応型訪問介護=ナイトケア)の展開が計画化されており、24時間365日相談からサービス提供まで応じられる体制が敷かれることとなる。
子どもとの交流の様子
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