税務上の取扱い等に係る産業再生機構に関するQ&A
<5月12日公表>


  1.税務上の取り扱い関連

1. 機構が関与して債権放棄が行われた場合の税務処理はどのように考えるのですか。
2. 機構に債権を譲渡した場合の価格は税務上どのように取り扱われるのですか。
3. 産業再生機構の支援を受けると、資産の評価損を税務上の損金として計上できるのですか。

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Q 追加1−1  機構が関与して債権放棄が行われた場合の税務処理はどのように考えるのですか。
A
 機構が関与して策定された再生計画により債権放棄が行われた場合の税務上の取扱いについては、別添の国税庁からの文書回答のとおりであり、
(1)  事業再生計画により金融機関等が債権放棄を行った場合には、原則として、法人税基本通達9−4−2に定める合理的な再建計画に基づく債権放棄に該当し、当該債権放棄による損失は税務上損金算入され、また、
(2)  事業再生計画により債務免除を受けた場合には、原則として、法人税基本通達12−3−1(3)に該当し、債務免除益の範囲内での過去の欠損金の損金算入が認められることになります。

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Q 追加1−2  機構に債権を譲渡した場合の価格は税務上どのように取り扱われるのですか。
A
 機構が金融機関等から債権を買い取る際の価格については、以下の理由から課税上の問題は生じないものと考えられます。
(1)  譲渡者たる金融機関等は、債権者として少しでも多くの債権回収を図る立場から価格を提示し、また、機構は、再生計画における事業の収益見込を前提に、事業価値や債権の回収可能性等を考慮し、提示された価格の妥当性を判断した上で買取決定を行うなど、機構の買取価格は、機構法で定める手続き上、利害の対立する第三者間で交渉の上決定されるものであること。
(2)  機構の買取決定は、債務者毎に行われることから、バルクセール等に比べて価格決定の透明性が高いこと。
(3)  機構が譲渡者たる金融機関等との交渉の基礎とする価格の算定方法は、事業再生計画によるキャッシュ・フローを前提に、ディスカウント・キャッシュ・フロー法により算定することとしており、平成10年12月4日付国税庁法令解釈通達「適正評価手続に基づいて算定される債権及び不良債権担保不動産の価額の税務上の取扱いについて」に係る、平成10年10月28日付公認会計士協会報告書「「流動化目的」の債権の適正評価について」に基づいて算定された債権の価格に収斂することになると考えられること。

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Q 追加1−3  産業再生機構の支援を受けると、資産の評価損を税務上の損金として計上できるのですか。
A
(1)  改正産業活力再生特別措置法(以下「改正産業再生法」という。)において債権放棄を含む計画の認定を受けた企業は、資産の評価損を税務上の損金として計上できます。他方、機構の支援基準と改正産業再生法の認定基準は数値基準を基本的に共有していることから、機構の支援を受ける企業は、改正産業再生法の認定も受けることができる可能性が高いと考えられます。
(2)  したがって、機構の支援企業については、改正産業再生法の申請・認定が前提とはなりますが、資産の評価損を税務上の損金として計上できることになります。
(3)  なお、本件および改正産業再生法の詳細は、経済産業省のホームページ「産業活力再生特別措置法の概要及び認定実績について」(http://www.meti.go.jp/policy/business_infra/index.html)に掲載されています。また、改正産業再生法については、経済産業省経済産業政策局産業再生課(TEL 03−3501−1560)にお問い合わせください。

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