(内閣府仮訳) ファクトシート 「アジア太平洋障害者の十年 1993-2002」とは何ですか? アジア太平洋地域の政府及び国民が、この地域における障害者の完全な参加と平等を共に促進するとの公約を行ったことを意味します。 なぜアジア太平洋の十年なんですか? ・世界全体で6億人以上いる障害者のうち、およそ4億人の障害者がアジア太平洋地域に住んでいます。 ・そのうち約2億人が特別の介助機器を必要としていますが、そのニーズが満たされていない状態です。 ・およそ1億6000万の人々が貧困ライン以下の生活をしています。 ・障害を持つ児童や若者のうち、学校に通っているのは10%に満たない状態です。 ・障害者は依然として制度的、環境的そして態度による差別や各種の障壁に直面しています。 「障害者の十年」は、障害者がすべての人々と同等の権利、すなわち、経済的社会的保障、雇用、家族との生活、社会及び創造的活動への参加、あらゆる差別からの保護といった権利を生まれながらにして持っているということを現実のものとすることを目的としています。 他の地域でも同じような「障害者の十年」が行われているのですか? 世界行動計画を実施するために、地域のために「障害者の十年」を宣言したのは、ESCAPが最初です。「アジア太平洋障害者の十年」は、「アフリカ障害者の十年 2000-2009」のモデルとなりました。 大津での会合は何についてのものですか? 大津市で「アジア太平洋障害者の十年」最終年ハイレベル政府間会合が開催されますが、そこでは、この10年で達成された成果や不十分な点について再検討が行われます。また、「アジア太平洋障害者のためのインクルーシブでバリアフリーかつ権利に基づく社会に向けた行動のためのフレームワーク」が採択されます。 この10年で達成された成果は何ですか? 第一に、障害の問題が、単に福祉の問題であるのみならず、人権の問題でもあるという見方が広まったことです。第二に、国内調整、立法措置および政策、訓練および雇用、障害の予防及び障害者間の自助団体について改善がみられたことです。 不十分な点は何ですか? 障害を持つ児童や若者が教育を受けられる比率が依然として非常に低いことです。教育を受けられる人たちについても、インクルーシブな教育を受けている人はほとんどいません。分離された特殊学校の多くが都市部に置かれており、またその収容能力は限られています。障害者はまた、情報通信技術(ICT)や、ICTの恩恵を受けるのに必要な技能や知識にアクセスできない状態にあります。特に農村部においては問題が厳しくなっています。女性や少女は二重の差別、すなわちジェンダーによる差別と障害による差別との闘いを続けなければなりません。彼女たちは、保健やリハビリサービスへのアクセスがより少なく、また教育や就業の機会もより少ない状態です。もう一つの懸案領域は、障害をもつ貧しい人々の問題です。失業と教育不足の問題がその主要な要因であり、互いに相関関係にあります。 なぜ教育が欠けているのですか? 主要な障壁としては以下のようなものが含まれます。 ・早期発見・対処サービスの欠如、 ・障害を持つ児童に対する消極的な態度、排他的な政策および慣行、 ・特にインクルーシブな普通学校や特殊学校の教員に対する不適切な教員訓練、 ・教員に対する支援システムの欠如、 ・適切な教材及び教育設備の不足、 ・利用しにくい学校環境 こうした不十分な点を克服するための計画は何ですか? 大津の会合では、各国政府は「アジア太平洋障害者のためのインクルーシブでバリアフリーかつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアムフレームワーク」を採択します。このフレームワークは、次の「アジア太平洋障害者の十年 2003-2012」において以下の優先領域における問題に対処する際の指針となり、かつ新たな公約となるものです。 ・障害者の自助団体 ・女性障害者 ・早期対処と教育 ・訓練と自己雇用を含む雇用 ・各種施設及び公共交通機関へのアクセス ・情報通信技術(ICT)を含む情報と通信へのアクセス ・社会保障および持続可能な生計手段の確保による貧困の削減 ※ この和訳は、内閣府において、便宜上仮訳したものです。誤りを含む場合がありますので、引用される際は、必ず原文を参照してください。