一人一人がその意欲と能力に応じた職業に就き、その職業に生きがいを感じて充実した毎日を過ごすことができるということは、大変すばらしいことです。
働く意欲とその仕事を行うために必要な能力を有していれば、誰でもその仕事に就くためのチャンスは平等に与えられるべきものでありますが、例えば、障害を有するという理由だけでそのチャンスが与えられないことがあるのなら、それはあってはならないことです。
近年は、事業主の障害者雇用についての理解と関心の高まりや産業及び情報技術の進展、障害のある人自身の努力などにより、障害のある人の雇用状況は着実に改善しており、社会で活躍している障害のある人もいます。
しかしながら、未だ多くの働く意欲と能力を有する障害のある人が働く場を求めており、障害のある人の雇用情勢は依然厳しい状況が続いているのが現状です。
このような中、障害者雇用率制度の厳正な運用、障害者雇用納付金制度の適正な運営、職業リハビリテーションの提供といった施策を一体的に推進し、障害のある人の雇用の一層の促進を図っているところですが、特に、国及び地方公共団体においては、率先垂範して障害者雇用を推進するとの観点から、民間企業よりも高い障害者雇用率(2.1%)が設定され、障害者の雇用に努めることとなっています。もとより、障害のある職員にとって働きやすい職場作りを進めることは、官公庁を訪れる国民や職員すべてにとっても有益なものと確信しています。
人事を担当されている皆様を始め、関係者の方々におかれましては、公務部門における障害者雇用の一層の促進を図るため、障害者雇用に対する理解を深めていただければ幸いです。