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障害者施策 サイトマップ
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基礎編

(2)障害者雇用にあたってー5つのステップー

ステップ1
 障害者雇用についての理解の促進

障害に関する情報の収集から、職場全体で受け入れる態勢作りへ

 障害のある人を受け入れるに当たり、まず人事担当者が、障害別の特徴や配慮事項など、障害について基礎となる事項を理解しましょう。また、障害者雇用の促進に関する現行法制度や障害者雇用の現状を理解すると同時に、他の行政機関や民間企業における取組について情報収集することも大切です。
 そして、障害のある人を職員として受け入れ、さらに職場への定着を図るためには、人事担当者だけでなく、幹部職員の理解と同時に他の職員の理解と援助も不可欠です。このため、人事担当部局において、障害者雇用促進のための担当官を置いたり、職員向けの研修や説明会を実施して、障害についての基礎知識や職務遂行上の配慮事項等の具体的な情報提供を行うなど、職場全体で受入態勢を整備していきましょう。

(参考)
 平成16年、内閣府において「障害について知っておきたいこと・知ってほしいこと」という一般意見の募集が実施されました。その結果の一部として、「障害について知ってほしいこと」の抜粋を紹介します。これらは障害のある人の生の声ですので、是非参考にしてみてください。

「障害について知っておきたいこと・知ってほしいこと」募集結果(抜粋)

3 意見の主な内容

(2) 「障害について知ってほしいこと」の主な内容
1) 障害は誰にも生じ得る身近なもの
 ・障害は本人や家族の責任で生じるものではない。
2) 障害は多種多様で同じ障害でも一律ではない
 ・中途の聴覚障害や視覚障害では手話や点字ができない者も多い。
3) 外見では分からない障害もある
 ・聴覚障害、内部障害、精神障害、発達障害では、外見上障害があることが分から
  ないため、誤解されやすい。
 ・障害のあることが分かるマークやサインが欲しい。
4) 不自由はあるが周囲の理解や配慮があればできることが多い
 ・障害のあることは「不自由」だが「不幸」ではない。
5) 特別視せずに普通に接してほしい
 ・障害だけを見ずに一人の人間として見て。
 ・「障害があるのに頑張っている」と変に美化しないで。
 ・子ども扱いしないで。
 ・介助者や通訳がいても本人に話しかけて。
6) 社会生活をする上で様々なバリアがある
 ・建物や交通機関等のまち中のバリアにより活動が制限されている。
 ・視覚障害のある人や聴覚障害のある人もテレビやインターネットを情報源として
  いる。
 ・障害に配慮された施設や設備の利用がマナーの悪さで阻まれる。
 (点字ブロック上の駐輪、障害のある人用駐車場への駐車、電車内での電話機使用、
  エレベータへの割り込み等)
 ・周囲の人の心ない言葉に傷ついたり、差別や偏見が不安で障害について話せない。
7) 日常生活や事業活動の中でちょっとした配慮や工夫を
 ・相互理解のために自然に交流できる場を。
 ・働くための支援や働く場が欲しい。
 ・思い込みの配慮ではなく、障害のある者の意見を聴いて対応して。
 ・どのような配慮があるかの情報を流して。
8) その他
 ・教育や医療等の専門家は、障害について必要な知識を身につけて。
 ・役所の職員はもっと障害について勉強して。
 ・「障害」という言葉を他の適切な言葉に変えて。

※ 平成16年6月に障害者基本法が改正され、法律の基本的理念として「障害を理由とする差別禁止」が明記されたことを踏まえ、内閣府において、今後の効果的な啓発内容の検討の参考にするため、国民から「障害について知っておきたいこと」や「障害について知ってほしいこと」について広く意見を募集したもの。



ステップ2
 募集・採用活動の実施

募集から採用へ

人は誰でも、働くことを通じて、誰かのために役に立ちたいという思いを持っています。一方で、障害のある人は、自らの障害ゆえに、働くことに対して、障害のない人よりも不安を抱くことが多いと考えられます。
 こうした不安を少しでも解消してもらうために、募集に際して、例えば、国家公務員を志望する障害のある人向けに、試験や官庁訪問、採用後のキャリアパス、勤務環境面で配慮している事項などについて、情報の提供を行っていくのもよいでしょう。
 また、採用は、障害の有無にかかわらず同様の基準により行うことはもちろんですが、障害のある人に対して面接を行う際には、障害の種類及び程度を確認し、「何ができて」、「何に制限がある」のかを正確に把握する必要があります。また、職場でどのような支援を必要とするかについても把握しておきましょう。なお、面接時において知り得た個人情報の取扱いには十分に注意しましょう。


ステップ3
 職務の選定

具体的な職務の選定は柔軟に

 採用活動により、障害のある人を職員として受け入れることとなったら、その職員の配属先を検討します。
 言うまでもありませんが、障害のある採用予定者も、障害のない人と同様に、その人の能力や適性を勘案の上、任用する官職を選定していくこととなりますが、その際、障害のある人の場合には、遂行の困難な職務があり得ることにも留意する必要があります。場合によっては、その官職に割り当てられている具体的な職務内容を見直す必要もあるでしょう。
 もっとも、国家公務員の場合には、各種法令等により、それぞれの官職が担うべき職務の内容が決められていますので、自由に職務の内容や分担を変更できるわけではありませんが、各種法令等の定める範囲内で、障害の種類と程度を考慮の上、現行の職務分担について柔軟な見直しを行い、具体的な職務の選定を行うようにしましょう。



ステップ4
 受け入れ態勢の整備

ハード面とソフト面の両面から勤務環境の整備を

 障害のある人が職員として採用された後、その能力を十分に発揮し、職場に定着できるよう、予めハード面とソフト面の両面における勤務環境を整備しておくことが重要です。
 まずハード面については、建物や設備などの物理的な勤務環境の改善や整備が求められます。大幅な改善や立派な設備を新設しなくても、例えば、職員が協力し合って、執務室内のレイアウトの変更により通路を拡大して、車いす使用者や視覚障害者などが通りやすいようにするなど、工夫ひとつで障害のある職員に配慮した職場にすることは可能です。身近な範囲内で気付いたところから行ってみましょう。
 次にソフト面については、障害者雇用に関する職員の意識を高めることが大切です。人事担当部局が中心となって、研修や説明会を実施し、職場における障害のある人との接し方や人事管理における留意事項などについて、職員への周知を図りましょう。
 最も重要なのは、障害のある職員を特別視せず、障害のない職員と同様に、ごく自然に接することです。障害のある職員が、障害を乗り越えて、自らの能力を発揮できるよう支援態勢を整えていくことが肝要です。



ステップ5
 適切な人事管理

快適な職業生活を送れる職場作りへ

採用後、障害のある職員が自らの能力を十分に発揮できるよう、周囲の職員が適切な配慮をしていくことは重要です。
 職場の上司や人事担当者は、職場の勤務環境についての要望、仕事に対する不安や悩みなどについて、障害のある職員本人との意思疎通を十分に図り、必要な支援を行いましょう。そして、その職員が与えられた職務と責任を果たし、生き生きと働くことができるような職場作りを心がけましょう。このような配慮は、すべての職員にとって、働きやすい職場となることにもつながります。また、障害のある職員の勤務実績も踏まえ、個々の職員の能力と適性に合ったキャリアアップの図り方についても検討し、他の新たな職務に従事させたり、職域の開発にも努めましょう。