【採用】
障害のある人の中にも、社会に幅広く貢献できる仕事がしたい、その中でも特に公務部門において自分の能力や可能性を伸ばしたいと考えている人がいます。しかし、その一方で、公務員として職務を全うすること、健常者と共に働くことなどについて、不安を抱いている人も少なくありません。
国家公務員法は、「平等取扱の原則」、「成績主義の原則」を定めており、障害の有無によって、職員の募集・採用の取扱いが異なることはありませんが、このような不安を解消する観点から、一定の配慮をすることは重要です。
職員の募集に当たっては、国家公務員を志望する障害のある人向けに、例えば、試験、官庁訪問、採用後のキャリアパス、勤務環境面で配慮している事項などについて、情報の提供を行っていくことなどが考えられます。
常勤の職員の採用は、原則として人事院が実施する競争試験の合格者の中から行います。障害の有無に関わらず、同様の基準により採用者を決定するのはもちろんですが、障害のある人に対する面接に当たっては、障害の種類及び程度を確認し、「何ができて」、「何に制限がある」のかを正確に把握する必要があります。また、実際に働く場合にどのような支援を必要とするのかについても確認するようにしましょう。
一方、非常勤職員の採用は、競争試験又は選考のいずれにもよらないで行うことができることとされており、個々の官職に付与される職務内容に応じ、各任命権者において適切な方法により採用していくこととなります。事務補助職員などの採用に際しては、原則として公募することとされていますが、採用の対象となる官職に与えられた職務の内容が、障害のある人にも遂行できるような場合には、障害者雇用を促進する観点から、公募と併せて、障害者団体などへ情報の提供を行うことなども考えられます。
総じて、常勤・非常勤の別を問わず、個々人の意欲や能力、職務に対する本人の適性等を把握するとともに、障害の種類や程度の確認を行い、採用後の適切な人事管理へとつなげていきましょう。
現行の国家公務員採用試験においては、視覚障害のある人の受験を容易にするために、I種試験及びII種試験の「行政」区分については、点字による試験を行っています。また、I種試験、II種試験、III種試験のすべての試験の区分、国税専門官採用試験及び気象大学校学生採用試験について、視覚障害の程度によって、拡大文字による試験に加え、解答時間の延長等の措置が講じられています。
【配置・配属】
職員の配置・配属については、障害の有無に関わらず、その職員が持てる力を十分に発揮できるようにしていくことが重要です。そのためには、まず個々の職員の能力や適性を把握することはもちろんですが、障害のある職員の場合には、遂行の困難な職務があり得ますので、障害の種類や程度などについても確認するようにしましょう。場合によっては、障害のある職員に従事させる具体的な職務内容を見直す必要もあるでしょう。
国家公務員の場合には、各種法令等により、それぞれの官職に付与された職務の内容が定められていますので、職務内容の見直しといっても、自由に変更できるわけではありませんが、現行の各種法令等の定める範囲内においても、柔軟な対応をすることは可能です。障害の種類や程度などを勘案の上、職場における職務の分担を見直し、障害のある職員がその能力を十分に発揮できるように具体的な職務を選定しましょう。
一方で、障害のある職員に割り当てられる職務内容が限定されるのは望ましくありません。本人の能力の伸長なども勘案しながら、新たな職域の開発に努めていくことも大切です。
また、周囲の職員も、障害のある職員がその配属先で安心して働くことができるよう、豊かな人間関係の構築や明るい職場環境作りを心がけましょう。
【勤務時間】
国家公務員の勤務時間の管理については、障害のある職員がその能力を十分に発揮し、職場に定着していくことができるように、現行の勤務時間、休暇等に関する制度の下で、その時々の健康状態を踏まえつつ、適切に対応していくことが重要であると考えられます。例えば、通院が必要な職員については、時間単位の病気休暇などの取得が考えられます。このほか、必要に応じ、職務分担の見直しなどにより超過勤務が多くならないように配慮することも考えられます。
人事担当者あるいは職場の上司は、事前に障害のある職員本人とよく話し合い、勤務時間の管理についてどのような配慮が必要となるかについて確認すると同時に、職場の他の職員の理解や協力を得るようにしましょう。
在宅勤務に関連して、e-Japan戦略II(平成15年7月21日IT戦略本部決定)においては、「ITを活用し、国民がそれぞれの人生設計に対応した多様な就労形態を選択することにより、一人ひとりがより創造的な能力を最大の能率で発揮しうる社会を実現する」こととされています。そのための方策の一つとしてテレワーク(注)に関する環境整備が挙げられており、「e-Japan戦略II加速化パッケージ」(平成16年2月6日IT戦略本部決定)においては、国家公務員のテレワークを推進することとされています。
これらの決定を受け、平成16年7月、人事院及び総務省は、「現行制度下でのテレワーク実施に関する考え方(指針)」を作成し、職務専念義務の確保、勤務時間管理、安全衛生管理、公務災害、給与(手当等の支給)、情報セキュリティの確保等に関する留意事項を取りまとめました。
障害のある職員の中でも、通勤が困難であったり、日常生活を送る上で介助が必要な場合、在宅勤務は、就労を継続し、自らの能力を発揮していく上で有効な手段であると考えられ、現行制度下においても行うことは可能です。
在宅勤務(テレワーク)を実際に導入する際には、様々な課題を解決する必要が出てくるものと考えられますが、上記指針を参考の上、それぞれの職場で工夫をしていくことが大切です。
なお、在宅勤務者が障害者雇用促進法上の実雇用率の算定対象となるかどうかについては、上記指針に沿って適切な人事管理がなされていれば、当該職員を算定対象とすることは可能であると考えられます。
(注)テレワーク:従来の定まった場所で定められた時間働くという考え方から離れて、効率や成果が最も高まるような場所と時間を選択して、ITを活用して仕事をすること。(e-Japan戦略II付録「用語解説集」)
国家公務員の給与は、一般職の職員の給与に関する法律等に基づき支給されます。言うまでもなく、障害の有無によって変わるところはありません。常勤職員の場合は俸給表の適用の下で俸給が支給されるほか、各種手当が支給されます。非常勤職員の場合には、俸給表の適用はありませんが、当該職員が就く官職の職務内容を踏まえ、常勤職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で俸給及び諸手当に相当する額が支給されます。昇格や昇給の判断に際しては、障害の有無に関わりなく、適切に判断することが求められます。
(参考)
障害のある職員の中には、障害年金や特別障害者手当などを受給されている場合もありますが、給与の支給に影響を与えるものではありません。反対に、障害年金や特別障害者手当の支給には所得制限があるため、給与収入が一定の金額を超えると、障害年金等の半額又は全額が支給停止となります。
勤務評定は、職員が割り当てられた個々の職務や責任を遂行して得られた実績を当該官職の職務遂行の基準に照らして評定し、並びに執務に関連して勤務時間中に見られた職員の性格、能力及び適性を公正に示すものでなければならないとされています(人事院規則10−2(勤務評定の根本基準)第2条第1項)。
勤務評定は、常勤の職員については、原則として実施することとされていますが、障害の有無に関わらず、対象の職員すべてに対し、同一の実施規程に基づき行うものです。障害があることを理由に、評価が厳しくなったり、逆に甘くなったりするようなことはあってはなりません。客観的で公正な評価を心がけるようにしましょう。
一方、非常勤職員については、勤務評定を実施しないことができるとされていますが(人事院規則10−2(勤務評定の根本基準)第3条)、障害の有無に関わらず、職員の執務の状況を適切に把握すべきであることは言うまでもありません。
いずれにせよ、適材適所の人事配置を行い、障害のある職員も障害のない職員も、互いにその能力を伸ばせるよう、執務の状況を適切に把握し、評価していくことが大切です。
【人材育成】
職員の能力開発やキャリアアップについては、障害の有無にとらわれることなく、現下の様々な行政課題に適切に対応し得る者を育成するという観点から、職員の能力や適性、意欲なども勘案した上で実施していく必要があります。「障害があるから無理だろう」、「障害があるからこの程度でやむを得ない」など、障害があることを理由として一方的な見方をしてしまい、障害のある職員が自らの能力開発やキャリアアップを図る機会を絶たれることのないようにしましょう。
研修を実施する際には、できる限り障害のない職員と同じ形で受講させることが望ましいですが、障害の種類や程度によっては、個別の対応が必要な場合もあります。例えば、聴覚障害のある人向けに手話通訳や要約筆記を用意したり、視覚障害のある人向けに点字や音声ソフトを活用することなどが考えられます。このほか、いわゆるe−ラーニングを活用するのもよいでしょう。
いずれにせよ、障害のある職員も他の職員と同じ内容の研修を受けられるようにしましょう。また、職場における日々の職務遂行を通じた育成なども、障害の有無に関わりなく行われることが重要です。
【安全・健康管理】
障害のある職員の安全の確保や健康管理については、採用時、通常の勤務時及び緊急時のそれぞれにおいて、以下のような点に留意しましょう。
[採用時]
障害の種類や程度はもちろんのこと、日頃の薬の服用や通院の状況、急な体調不良や事故等が起きた場合における病院や家族への連絡体制などについて、正式採用の前にきちんと確認しておくことが大切です。また、現行の勤務時間や休暇等の制度についても、予め説明し、障害のある職員が安全に勤務することができるようにしましょう。
[通常の勤務時]
職場の上司や人事担当者は、日頃から障害のある職員とよく話し合うことを心がけ、通院している場合にはその状況などを本人から確認し、障害のある職員の健康状態の把握に努めましょう。同時に、他の職員に対して、当該職員のプライバシーを侵害しない程度に、本人の障害の種類や程度、配慮すべき事項などについて情報提供を図ることも大切です。障害のある職員本人が、周囲の職員に対し、気軽に相談できるような職場作りに努めていきましょう。また、障害の種類や程度、健康状態などとの関係で、障害のある職員が現在の職務を遂行することが難しい場合には、具体的な職務の分担について見直しをするようにしましょう。
[緊急時]
障害のある職員が急に体調を崩したり、車いす利用者や視覚障害のある職員が階段や通路で事故を起こすなどの緊急時においては、周囲の職員による迅速かつ適切な対応が求められます。また、火災などの非常時においても同様です。このような緊急時に備え、障害のある職員の介助を担当する者を予め決めておきましょう。また、緊急連絡先の確認や応急処置の方法、非常時の避難経路など必要な情報を予め把握するようにしましょう。併せて、公衆電話や携帯電話の使用ができなかったり、何らかの理由で連絡が困難となる場合も想定し、対処方法について本人とよく話し合っておくことも有効です。
人事異動については、障害の有無に関わらず、職員の能力や適性を踏まえて適切に行うことが求められます。
しかし、障害のある職員にとって、人事異動が身体的あるいは精神的な負担となる場合も考えられますので、本人を始め、上司や他の職員から、遂行可能な職務内容、必要な手助け、配慮事項などについて把握し、臨機応変に対応するようにしましょう。
なお、転居を伴う異動の場合には、駅やバス停が近いなど交通の便の良い宿舎や勤務地としたり、バリアフリーに配慮された宿舎を提供するなど、一定の配慮をするように心がけましょう。
職場の設備に関して配慮すべき点は、障害の種類によって、また個々人の障害の状況や体格などによっても異なるため、一概に述べるのは難しい面はありますが、最低限改善すべき点としては、以下のようなものが挙げられます。
(1) 外部から建物の中に入るまでに、段差などの障壁がないこと。
(2) 建物の中で、就労のために必要な部屋(職員食堂等の厚生施設を含む。)にはすべて出入りでき、かつ、通路などにも障壁がないこと。
(3) 便所が障害のある人にも使用できること。
このほか、障害のある職員向けのパソコンソフトや機器の導入も考えられます。なお、これらを実施する場合には、具体的にどのような設備改善を行ったらよいのか、予めその職場にいる障害のある職員の意見を聴くようにしましょう。また、費用がかかることもありますので、関係部局とも相談しながら進めましょう。予算等の都合により直ちに改善できない場合には、例えば、障害のある職員が段差のある所を移動する際に、他の職員が付き添って補助をする等の対応も検討しましょう。また、大幅な設備改善や立派な設備を新設しなくても、例えば、職員が協力し合って、車いす使用者や視覚障害のある人などが通りやすいようにしたり、パソコンのプリンターやファクシミリの位置を車いす使用者にも使いやすい高さにするなど、工夫ひとつで障害のある職員に配慮した職場にすることは可能です。
職場の設備改善は、障害のある職員にやさしいだけでなく、庁舎に来訪する職員以外の障害のある人、さらにはすべての人にとってもやさしいものとなりますので、積極的に検討するようにしましょう。
ジョブコーチとは、障害のある職員が職場に適応することを容易にするための援助を行う者をいい、全国47都道府県に設置されている地域障害者職業センター(独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の附属機関)等に所属しています。
ジョブコーチによる支援事業は、事業所の障害者雇用の支援体制を整備し、障害のある職員の職場定着を図ることを目的として、障害のある人と事業主の双方に対して行われるサービスです。具体的には、ジョブコーチが職場に出向き、障害のある職員に対して、仕事に適応するための支援、人間関係や職場でのコミュニケーションを改善するための支援などの直接的・専門的支援を行うと同時に、事業主や職場の従業員に対して、障害を理解し配慮するための助言、必要に応じて仕事の内容や職場環境の改善の提案などを行います。支援期間は、個別の案件ごとに設定され、標準的には2〜4か月と想定されています。支援期間終了後も必要に応じてフォローアップが行われます。
ジョブコーチの派遣の対象となるのは、現行制度上、障害のある人のうち雇用保険に加入している者に限られるため、常勤の国家公務員については直接の支援を受けることはできませんが、ジョブコーチが所属する地域障害者職業センターにおいては、事業主向けに障害者雇用に関する助言その他の援助等のサービスを行っていますので、障害者雇用に当たって分からないこと、困ったことなどがある場合には、相談してみるとよいでしょう。
なお、非常勤の国家公務員については、雇用保険に加入している場合、支援を受けることが可能です。
障害といっても、多種多様であることから、障害の種類に応じた特性を理解し、個々に応じたコミュニケーションが必要となります。障害別にどのような配慮が必要であるかについては、本ハンドブック「障害についての基礎知識」や、別途策定された「公共サービス窓口における配慮マニュアル」なども参考にしてください。
コミュニケーションに関して不安なのは障害のある職員も同じです。孤立したり、困っているようなら声をかけてあげてください。また、普段の何気ない会話もコミュニケーションを深めることにつながります。こうしたことを通じて、自然と障害のある職員への手助けができるようになり、より良い人間関係が生れるといえるのではないでしょうか。このようなコミュニケーションを図ることは、障害のある職員だけでなく、庁舎に来訪する職員以外の障害のある人に接する際にも活かせます。このほか、コミュニケーションの手段として、パソコンの省内LANの掲示板などを活用して、障害のある職員が他の職員と同様に職務遂行に必要な情報の入手や交換などを簡単に行うことができるよう工夫するのもよいでしょう。
障害のある職員も、障害のない職員と同じように、社会に参加をして、働く喜びや生きがいを見出したいと願っていますので、基本的には、特別な意識を持たず、自然体でコミュニケーションを図るようにしましょう。
それでも困ったときには、地域障害者職業センターなどに相談するとよいでしょう。
(参考)コミュニケーションを図る際の具体的留意点(障害の種類別)
○ 共通基本事項 コミュニケーションの方法は人によって違う場合があるので、どのような方法でコミュニケーションをとればよいか、本人に確認しましょう。 ○ 聴覚障害の場合 ○ 視覚障害の場合 ○ 車いすの場合 ○ 知的障害の場合 |
障害に関する情報は、病気に関する情報と同じように個人に属するものであり、それらの情報が職務上の関係者以外に知らされないようにしなければなりません。
障害の有無やその状況の情報については、人事担当者や障害のある職員の直属の上司は人事管理上必要となりますが、情報が漏れたり、人事管理以外の目的で使われたりしないよう十分注意する必要があります。
また、特に障害が外見では分かりにくい場合など、障害があることを職場の同僚に言わないでほしいと考えている場合も考えられます。このため、障害のある職員本人の意思も確認の上、障害があることを伝える範囲は限定的にしてほしいとの要望がある場合には、必要最小限の関係者にとどめるなどの配慮が必要です。
もちろん障害について本人が自ら話をすることもありますが、本人からの開示と本来秘密を守るべき立場にある者からの開示は全く意味が違うことを認識し、職員にも徹底しておくことが望まれます。
採用時には健常者であった職員が、在職中に障害を負った場合、かつてと同一の環境下における仕事や生活の継続が困難となるだけでなく、精神的にも大きな打撃を受け、今後の公務員としての生活に不安を抱くことが考えられます。
人事担当者や職場の上司は、中途障害を負った職員とコミュニケーションを十分に図り、障害の種類や程度、治療の見通し、日々の健康管理の方法などを確認するとともに、これまで従事していた職務を引き続き遂行することが可能か、難しい場合であっても、本人の能力や適性などを踏まえ、配置換えなどの措置を検討し、継続して公務に従事できるよう配慮をしましょう。
障害のある職員への接し方や勤務環境面の整備に関する配慮事項は、既に述べてきたところですが、中途障害を負った職員については、例えば、中途で聴覚障害を負った場合、手話の習熟には相当な時間と労力を要するため、むしろ要約筆記やパソコンの活用の方が本人にとって助けとなる場合があります。また、中途で視覚障害を負った職員にとっては、点字よりも書類の代読等の音声中心の情報提供やパソコンの音読ソフトの活用の方が助けとなる場合があるなど、別途配慮すべき点があることにも留意しましょう。
採用後に障害を負った職員がこれまでどおり職務に従事できるようにするためには、人事担当者や職場の上司だけでなく、周囲の職員の理解と協力も不可欠です。そして、中途障害を負った職員本人に対しては、必要な配慮をしつつ、障害を負う前と変わらぬ自然体で接するように心がけ、本人がこれまで以上に意欲を持って職務に従事できるような職場作りを目指していきましょう。
知的障害のある人を採用するに当たっては、常勤・非常勤に関係なく、職務への適性があるかどうかを見定めることが必要です。ここで問題になるのは、履歴等を記した書類や短時間の面接だけで適性の有無を正確につかむのは非常に難しいことです。能力・適性を見極める方法としては、例えば非常勤職員の採用に際しては、正式採用の前に採用手続の一環として職場実習を行わせてみることなどが考えられます。それができない場合にも、養護学校、障害者職業開発校・施設、能力開発センター等の関係機関と相談するのがよいと思われます。また、具体的な職務内容の選定に当たっては、現行の具体的な職務の分担を見直し、知的障害のある職員が適切に職務を遂行できるよう柔軟な対応を心がけましょう。
昇格、昇給等については、障害の有無に関わりなく、適切に判断することが求められます。知的障害のある職員本人にとっても、仕事が評価され、それが多少なりとも給与に反映されることは、大きな喜びであり、やる気につながります。
キャリアアップについては、知的障害のある人の一般的な特徴として、仕事を覚えるスピードは劣りますが、一度覚えるときちんと仕事をするという点があることを踏まえ、専門的な仕事をきちんと身につけさせ、スペシャリストとして導いていくことが可能です。また、本人の職務に対する意識、責任感を高めていくために、一つの職務を安心して任せられるレベルになったら、新しく雇用された知的障害のある職員の指導育成に当たらせることも有効です。
職場における生活面の管理については、担当者を配置して、本人からの様々な相談に乗ったり、社会人・職業人としての常識・マナーについても指導を行います。また、これらの者が、健康管理にも注意し、常時、本人の顔色や態度、仕事ぶりを観察し、早めに対応をとることが必要です。なお、生活面の管理を行う担当者には、職場の上司、先輩、人事担当者等が就くことが考えられます。
知的障害のある人は、一般に、他の障害を持つ人に比べ、職務の遂行能力に大きな個人差が出ると考えられます。知的障害のある職員の人事管理に当たっては、この点に十分に留意し、一人一人がその能力を十分に発揮することができるよう適切な配慮に心がけましょう。
障害者雇用のための相談、援助等を行う機関には様々なものがあります。このような機関は、主として民間事業者とそれに雇用される障害者を対象として必要なサービスを提供していますが、これらの機関が有する障害者雇用に関する専門的知識やノウハウは、公務部門にとっても非常に参考となります。
そこで、障害のある人の採用、人事管理などに関して、分からないこと、困ったことなどがある場合には、まずは独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構に置かれる「地域障害者職業センター」や「障害者雇用情報センター」に問い合わせをしてみるとよいでしょう。これらの機関は、障害者雇用全般について各種相談や援助を行っており、有益な情報が得られるでしょう。また、選考採用や非常勤職員の採用に際して、障害のある人の採用も検討しているような場合には、ハローワークに相談してみるとよいでしょう。
ハローワーク等の関係機関との密接な連携の下、職業指導、相談・援助、雇用管理サポート事業等のサービスを障害者や事業主に対して実施しています。
センター名 | 所在地 | 電話番号 | FAX番号 | |
北海道障害者職業センター | 〒001-0024 | 札幌市北区北二十四条西5-1-1 札幌サンプラザ5F | 011(747)8231 | 011(747)8134 |
旭川支所 | 〒070-0034 | 旭川市四条通8丁目右1号ツジビル5F | 0166(26)8231 | 0166(26)8232 |
青森障害者職業センター | 〒030-0845 | 青森市緑2-17-2 | 017(774)7123 | 017(776)2610 |
岩手障害者職業センター | 〒020-0133 | 盛岡市青山4-12-30 | 019(646)4117 | 019(646)6860 |
宮城障害者職業センター | 〒983-0836 | 仙台市宮城野区幸町4-6-1 | 022(257)5601 | 022(257)5675 |
秋田障害者職業センター | 〒010-0944 | 秋田市川尻若葉町4-48 | 018(864)3608 | 018(864)3609 |
山形障害者職業センター | 〒990-0021 | 山形市小白川町2-3-68 | 023(624)2102 | 023(624)2179 |
福島障害者職業センター | 〒960-8135 | 福島市腰浜町23-28 | 024(522)2230 | 024(522)2261 |
茨城障害者職業センター | 〒309-1703 | 茨城県西茨城郡友部町鯉淵6528-66 | 0296(77)7373 | 0296(77)4752 |
栃木障害者職業センター | 〒320-0865 | 宇都宮市睦町3-8 | 028(637)3216 | 028(637)3190 |
群馬障害者職業センター | 〒379-2154 | 前橋市天川大島町130-1 | 027(290)2540 | 027(290)2541 |
埼玉障害者職業センター | 〒338-0825 | さいたま市桜区下大久保136-1 | 048(854)3222 | 048(854)3260 |
千葉障害者職業センター | 〒261-0001 | 千葉市美浜区幸町1-1-3 | 043(204)2080 | 043(204)2083 |
東京障害者職業センター | 〒170-6008 | 豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60(8F) | 03(3989)9651 | 03(3989)9653 |
多摩支所 | 〒190-0012 | 立川市曙町2-38-5 立川ビジネスセンタービル5F | 042(529)3341 | 042(529)3356 |
神奈川障害者職業センター | 〒228-0815 | 相模原市桜台13-1 | 042(745)3131 | 042(742)5789 |
新潟障害者職業センター | 〒950-0067 | 新潟市大山2-13-1 | 025(271)0333 | 025(271)9522 |
富山障害者職業センター | 〒931-8443 | 富山市下飯野新田70-4 | 076(438)5285 | 076(438)5234 |
石川障害者職業センター | 〒921-8836 | 石川県石川郡野々市町末松2-244 | 076(246)2210 | 076(246)1425 |
福井障害者職業センター | 〒910-0026 | 福井市光陽2-3-32 | 0776(25)3685 | 0776(25)3694 |
山梨障害者職業センター | 〒400-0864 | 甲府市湯田2-17-14 | 055(232)7069 | 055(232)7077 |
長野障害者職業センター | 〒380-0935 | 長野市中御所3-2-4 | 026(227)9774 | 026(224)7089 |
岐阜障害者職業センター | 〒502-0933 | 岐阜市日光町6-30 | 058(231)1222 | 058(231)1049 |
静岡障害者職業センター | 〒420-0851 | 静岡市黒金町59-6 大同生命静岡ビル7F | 054(652)3322 | 054(652)3325 |
愛知障害者職業センター | 〒453-0015 | 名古屋市中村区椿町1-16 井門名古屋ビル2F | 052(452)3541 | 052(452)6218 |
豊橋支所 | 〒440-0888 | 豊橋市駅前大通り1-27 UFJつばさ証券豊橋ビル6F | 0532(56)3861 | 0532(56)3860 |
三重障害者職業センター | 〒514-0002 | 津市島崎町327-1 | 059(224)4726 | 059(224)4707 |
滋賀障害者職業センター | 〒525-0027 | 草津市野村2-20-5 | 077(564)1641 | 077(564)1663 |
京都障害者職業センター | 〒600-8235 | 京都市下京区西洞院通塩小路下る東油小路町803 | 075(341)2666 | 075(341)2678 |
大阪障害者職業センター | 〒541-0056 | 大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル4F | 06(6261)7005 | 06(6261)7066 |
南大阪支所 | 〒591-8025 | 堺市長曽根町130-23 堺商工会議所5F | 072(258)7137 | 072(258)7139 |
兵庫障害者職業センター | 〒657-0833 | 神戸市灘区大内通5-2-2 | 078(881)6776 | 078(881)6596 |
奈良障害者職業センター | 〒630-8014 | 奈良市四条大路4-2-4 | 0742(34)5284 | 0742(34)1899 |
和歌山障害者職業センター | 〒640-8323 | 和歌山市太田130-3 | 073(472)3233 | 073(474)3069 |
鳥取障害者職業センター | 〒680-0842 | 鳥取市吉方189 | 0857(22)0260 | 0857(26)1987 |
島根障害者職業センター | 〒690-0877 | 松江市春日町532 | 0852(21)0900 | 0852(21)1909 |
岡山障害者職業センター | 〒700-0952 | 岡山市平田407 | 086(243)6955 | 086(241)3599 |
広島障害者職業センター | 〒732-0052 | 広島市東区光町2-15-55 | 082(263)7080 | 082(263)7319 |
山口障害者職業センター | 〒747-0803 | 防府市岡村町3-1 | 0835(21)0520 | 0835(21)0569 |
徳島障害者職業センター | 〒770-0823 | 徳島市出来島本町1-5 | 088(611)8111 | 088(611)8220 |
香川障害者職業センター | 〒760-0055 | 高松市観光通2-5-20 | 087(861)6868 | 087(861)6880 |
愛媛障害者職業センター | 〒790-0808 | 松山市若草町7-2 | 089(921)1213 | 089(921)1214 |
高知障害者職業センター | 〒781-5102 | 高知市大津甲770-3 | 088(866)2111 | 088(866)0676 |
福岡障害者職業センター | 〒810-0042 | 福岡市中央区赤坂1-6-19 ワークプラザ赤坂5F | 092(752)5801 | 092(752)5751 |
北九州支所 | 〒802-0066 | 北九州市小倉北区萩崎町1-27 | 093(941)8521 | 093(941)8513 |
佐賀障害者職業センター | 〒840-0851 | 佐賀市天祐1-8-5 | 0952(24)8030 | 0952(24)8035 |
長崎障害者職業センター | 〒852-8104 | 長崎市茂里町3-26 | 095(844)3431 | 095(848)1886 |
熊本障害者職業センター | 〒862-0971 | 熊本市大江6-1-38-4F | 096(371)8333 | 096(371)8806 |
大分障害者職業センター | 〒874-0905 | 別府市上野口町3088-170 | 0977(25)9035 | 0977(25)9042 |
宮崎障害者職業センター | 〒880-0014 | 宮崎市鶴島2-14-17 | 0985(26)5226 | 0985(25)6425 |
鹿児島障害者職業センター | 〒890-0063 | 鹿児島市鴨池2-30-10 | 099(257)9240 | 099(257)9281 |
沖縄障害者職業センター | 〒900-0006 | 那覇市おもろまち1-3-25 沖縄職業総合庁舎5F | 098(861)1254 | 098(861)1116 |
事業主等を対象として、雇用アドバイザーによる専門的相談、障害者雇用に関する情報提供、就労支援機器の貸出し、点訳サービス等の障害者の雇用に係る各種相談や援助を行っています。
センター名 | 所在地 | 電話番号 | FAX番号 | |
宮城障害者雇用情報センター | 〒980-0021 | 仙台市青葉区中央1-6-18 日石東急仙台ビル内 | 022(224)7677 | 022(224)8366 |
中央障害者雇用情報センター | 〒105-0022 | 東京都港区海岸1-11-1 ニューピア竹芝ノースタワー内 | 03(5400)1632 | 03(5400)1633 |
愛知障害者雇用情報センター | 〒450-0002 | 名古屋市中村区名駅4-5-28 近鉄新名古屋ビル内 | 052(566)1861 | 052(566)1862 |
大阪障害者雇用情報センター | 〒541-0056 | 大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル内 | 06(6265)6857 | 06(6261)5581 |
福岡障害者雇用情報センター | 〒812-0013 | 福岡市博多区博多駅東1-1-33 はかた近代ビル内 | 092(474)5304 | 092(413)1962 |