[製作者注: 1.原本の文字の太字、斜体、傍点(圏点)、下線は、スタイル設定を省略した。注、終わり] [製作者注:2.原本のページ番号を隅付き括弧(【 】)で囲い、原本のページが開始する位置に挿入した。例 【10 ページ】注、終わり] [製作者注:3.テキスト化できない一部の記号については別の記号で代用した。注、終わり] <表紙> # 障害を理由とする差別の解消の推進国・地方公共団体における相談対応マニュアル概要版 内閣府 令和7年(2025年)3月 【1ページ】 # はじめに  障害を理由とする差別の解消に関する法律の一部を改正する法律(令和3年法律第56号)により、国・地方公共団体の連携強化や相談対応を担う人材の育成及び確保についての責務が明確化されました。また、令和5年3月14日に改訂された障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針においても、相談対応を担う人材育成に係る研修の実施を支援すること等を通じ、国及び地方公共団体における相談窓口等の対応力の強化等に取り組むことが明記されています。  この基本方針に基づき、内閣府では令和5年度に、国や地方公共団体で相談対応を担う人材の専門性向上と業務の質の向上を目的とした「相談対応マニュアル」を作成しました。  この度、相談対応マニュアルを更に活用しやすくするために、「相談対応マニュアル概要版」を作成しました。概要版では、相談窓口担当者にとって特に重要なポイントをわかりやすく記載しています。そのため、相談対応の経験が浅い人でも理解しやすく、かつ、経験豊富な人が読んでも、新たな気づきを得ることができるものとなっています。 [表 開始] 編及びタイトル/内容 第1編障害を理由とする差別の解消の推進相談対応の基本/相談対応にあたって、まず押さえておきたい内容を、簡潔にまとめました。 第2編相談窓口担当者の実施事項チェックリスト/相談対応の各ステップで、実施することが望ましい事項を、一覧化しました。 第3編場面別のポイントまとめ/下記の場面で留意すべきポイントをまとめました。 ・他自治体が関与する相談を受けた場合 ・障害者差別解消法以外の相談を受けた場合 ・虐待が背景にあると思われる相談を受けた場合 ・相談対応に難航する場合 [表 終わり] ※紙幅の関係上、概要版に掲載することができなかった内容もありますので、詳細については相談対応マニュアルと照らし合わせて御確認ください。 ※障害者差別解消法に基づく対応は、障害のある方にとってはもちろんのこと、共生社会の実現を目指す上で、全ての人にとって必要なことです。相談対応機関におかれましては、共生社会の実現に向けて、相談対応マニュアルと併せて概要版を活用し、適切な相談対応を行ってください。 ※内閣府では、令和4年度に「障害を理由とする差別の解消の推進 相談対応ケーススタディ集」を作成しています。法律や基本方針に沿った事案の分析・対応を行う際の参考資料として御参照ください。 【2ページ】 # 第1編障害を理由とする差別の解消の推進相談対応の基本 相談窓口担当者が、まず押さえておきたい内容を、簡潔にまとめました。 目次| 相談対応の心構え p.3 障害者差別解消法における窓口の役割 p.4 障害者差別解消法における差別判断 p.5〜9 【3ページ】 ## 相談対応の心構え ### 相談を受けるとき  必要な情報を収集するためにも、相談者の話を受け止め、信頼関係を築くことが重要です。相談者は、自身が受けた対応に関するつらい思い(ネガティブな感情)から攻撃的な口調となることもあります。また、相談に慣れていないために自分の相談内容をうまく説明できないこともあります。 [破線の囲み 開始] [製作者注:「この言い回しは避けて対応にあたりましょう」の文言の上には吹き出しのイラストが描かれている。注、終わり] この言い回しは避けて対応にあたりましょう [製作者注:以下の文言は、それぞれ破線で囲まれている。注、終わり] 「先例がありません」 「特別扱いはできません」 「もし何かあったら危ない、困る」 「その障害種別ならば…」 「既存のルール(規則)では…」 「一般常識では…」 [破線の囲み 終わり] 【4ページ】 ### 相談内容の聴取  相談者は、相談に慣れていないために自分の相談内容をうまく説明できないこともあります。そのため、相談者との対話を通じて情報を整理し、目指す方向性を共有することが必要です。   [表 開始] [製作者注:各ステップ及び各項目ごとに破線で囲まれている。注、終わり] ステップ番号及びタイトル/人物イラスト/内容/参考情報 ステップ1:何に困っているのか、相談者とともに整理しましょう/悩みを抱える二人のイラスト/相談者の話を聞きながら、相談者が何に困っているのかを整理し、主訴(誰に何をしてほしいのか)を明らかにしましょう。/参考:主訴を酌み取るための工夫 一通り話を聞いた後、「確認させてもらっていいですか?」「こういうことでしょうか?」と聞き返すことで話を整理する。 ステップ2:目指す方向性を共有しましょう/前向きな様子の二人のイラスト/相談者にとって解決した状態として何を目指すのか、一緒に考えていきましょう。/参考:目指す方向性を聴き取るための工夫 「誰に、どのようにしてほしいのか」「それは障害のある人もない人も同じ結果に結びつくために必要なことか」という観点から整理するよう意識して問いかける。 ステップ3:相談受付票を用いて記録を作成しましょう/パソコンを打つ人のイラスト/相談を受けたら、聴き取った内容を記録に残しておきましょう。相談受付票のフォーマットが自治体内にあると、必要な内容の整理・保管に便利です。(相談受付票ひな型は、マニュアル169ページをご参照ください) (相談受付後の流れは第2編をご参照ください) [製作者注:ステップ3については、参考情報なし。注、終わり] [表 終わり] (参照:マニュアル<実践編>6.2.1/6.4.1「相談の受付」) 【5ページ】 ### 障害者差別解消法における窓口の役割  障害者差別についての相談を実施するに当たっては、建設的対話を促進することが求められます。(建設的対話の具体例は、マニュアル10ページのコラムをご参照ください)  相談窓口は、障害を理由とする差別の解消を促進する機関として、以下の業務を行うことが求められます。 [表 開始] [製作者注:表内の業務内容記載個所は、青で網掛けされている。注、終わり] 業務内容/説明 @法令に関する理解促進/障害者と行政機関等・事業者双方の法令に対する理解を促進すること A相談事案への対応/相談事案について、法令に基づき個々の事案の事実関係を踏まえて適切な判断を行うこと B障害者差別の是正/障害を理由とする不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供が発生していると考えられる場合にはその是正を図り、今後の円滑な対応につながる助言等を行うこと C紛争の予防/障害者差別に関する紛争を未然に防ぐために行うべき取組について、障害者と行政機関等・事業者に周知・説明すること  一方で、以下のような内容は、本法律では対象となりませんので、相談の早い段階で、相談者に理解していただくことが肝要です。 [表 開始] [製作者注:表内の相談内容記載個所は、青で網掛けされている。注、終わり] 相談内容/説明内容 雇用関係/障害者雇用促進法の定めるところにより(マニュアルQ&A 問1-3より)対応できる窓口をご案内します(第3編p.22参照) 一般私人の行為や言論、誹謗中傷/事業者でない一般私人の行為や言論については、対象としていません(マニュアルQ&A 問1-4より) [表 終わり] [破線の囲み 開始] 参考:個人情報を取り扱う上での基本 国及び地方公共団体職員は、国家公務員法第100条及び地方公務員法第34条において、守秘義務が課せられています。また、地方公共団体から相談窓口業務を委託された事業者の職員においても、各地方公共団体の個人情報保護条例等において、受注者にその義務が課せられている場合があります。 [破線の囲み 終わり] (参照:マニュアル<実践編>5「相談体制の構築」) (参照:マニュアル<参考資料>3「相談体制の構築」) 【6ページ】 ### 障害者差別解消法における差別判断 #### 基本用語の定義 [表 開始] [製作者注:表内の基本用語の記載個所は、青で網掛けされている。注、終わり] 基本用語/説明 不当な差別的取扱い/障害者に対し、正当な理由なく、障害を理由として、障害者でない者には提供している財・サービスや各種機会の提供を拒否する、又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対しては付さない条件を付けるなどの取扱い 合理的配慮/その実施に伴う負担が過重でない場合に、特定の障害者に対して、個別の状況に応じて講じられる措置 環境の整備/不特定多数の障害者を主な対象として行われる「事前的改善措置」 (施設や設備のバリアフリー化、意思表示やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者等の人的支援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティ向上など) [表 終わり] (参照:マニュアル<法令編>1.2「主な条文及び解説」(第七・八条解説)) (参照:マニュアル<法令編>3.2「障害者差別解消法Q&A 各論(条文別)」問3-1) [破線の囲み 開始] 「環境の整備」と「合理的配慮の提供」の関係は、以下の図のとおり表せます。 [製作者注:「環境の整備」と「合理的配慮の提供」について、図の説明。注、終わり] 環境の整備は不特定多数への事前の措置であり、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんへの異なる合理的配慮の土台となる。 合理的配慮を的確に行うための環境の整備の上に、個々の場面での、個別への事後の措置である合理的配慮がある。 [製作者注:「環境の整備」と「合理的配慮の提供」についての説明はここまで。注、終わり] [破線の囲み 終わり] (参照:<法令編>1.2「主な条文及び解説」(第五条解説)) 【7ページ】 #### 差別判断  各事例が、「不当な差別的取扱い」「合理的配慮の提供」それぞれに該当するのか、法的な判断をする上での検討プロセスフローを、次ページに示しますので、参照してください。   障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号): 「不当な差別的取扱い」 (行政機関等における障害を理由とする差別の禁止) 第七条 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と  不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。 (事業者における障害を理由とする差別の禁止) 第八条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的  取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。 「合理的配慮の提供」 (行政機関等における障害を理由とする差別の禁止) 第七条 (略) 2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。 (事業者における障害を理由とする差別の禁止) 第八条 (略) 2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。 [破線の囲み 開始] (参考)事業者等から、環境の整備に関する相談を受けた場合の対応  環境の整備は努力義務であることを説明した上で、以下についても併せて説明を行ってください。 →合理的配慮の提供を円滑に行うためにも環境の整備をすることは、中長期的に見て事業者にとってメリットとなりうること →環境の整備を実施することは障害者だけではなく、高齢者や子連れ利用者等にとっても利便性が高くなるものであること →環境の整備(バリアフリー)に関する補助等の具体的な相談窓口(所在地の地方公共団体においてバリアフリー施策を担当する課室等) [破線の囲み 終わり] (参照:<法令編>3.2「障害者差別解消法Q&A 各論(条文別)」問5-3) 【8ページ】 [製作者注: 「不当な差別的取扱い」法的判断の検討プロセスフローについて、図の説明。注、終わり] # 「不当な差別的取扱い」法的判断の検討プロセス フロー Q1 行政機関等又は事業者の対応は、事務・事業(財・サービスや各種機会の提供等)を行うに当たり行ったものですか? 「Yes:事務・事業を行うに当たり行ったもの」である場合、Q2に続く。 「No:事務・事業での対応に関係ない」場合、行政機関等又は事業者の対応は「不当な差別的取扱い」に該当しない。「合理的配慮の提供」を検討 Q2 行政機関等又は事業者の対応には、障害を理由とする、障害者でない者と比べた異なる取扱いがありますか? 「Yes:ある」場合、Q3に続く。 「No:ない」場合、行政機関等又は事業者の対応は「不当な差別的取扱い」に該当しない。「合理的配慮の提供」を検討 Q3 行政機関等又は事業者の対応は、障害者、事業者、第三者の権利利益等の観点から、正当な理由によるものと判断できるでしょうか? 正当な理由の判断の視点 (以下の@とA両方を満たせば「正当な理由あり」) @障害者でない者と比べた異なる取扱いは、客観的に見て正当な目的の下に行われたものか ・障害者、事業者、第三者の権利利益の観点から検討  (例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止 等) ・行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持 等の観点から検討 A その目的に照らしてやむを得ないといえるか ・@の目的のために必要な範囲のものとなっているか? ・必要な範囲を超え不必要な制限を課すものとなっていないか? 「No:正当な理由なし」の場合、行政機関等又は事業者の対応は「不当な差別的取扱い」に該当。「合理的配慮の提供」を検討 「Yes:正当な理由あり」の場合、行政機関等又は事業者の対応は「不当な差別的取扱い」に該当しない。「合理的配慮の提供」を検討 [製作者注:図の説明はここまで。注、終わり] 【9ページ】 [製作者注:「合理的配慮の提供」法的判断の検討プロセスフローについて、図の説明。注、終わり] # 「合理的配慮の提供」法的判断の検討プロセス フロー Q1障害者から行政機関又は事業者に対し、事務・事業(財・サービスや各種機会の提供等)を行うに当たり、社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示がありましたか? 「Yes:ある(本人からの求め、家族や支援者・介助者等からの求め(本人からの意思表明が困難な場合))」の場合、Q2に続く。 「No:ない」場合、フロー終了。 Q2.求められている配慮は、社会的障壁の除去について、「必要かつ合理的な配慮」に該当しますか? 必要かつ合理的な配慮とは (以下の3つ全てを満たす必要がある) 行政機関等又は事業者の事務・事業の目的・内容・機能に照らし、 @必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること A障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること B事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないこと 「Yes:該当する(@〜B全てを満たす)」場合、Q3に続く。 「No:該当しない(@〜Bを満たさない)」場合、Q4に続くことがある。 Q3求められている配慮は、「過重な負担」に該当しますか? 過重な負担の判断の要素等 ・事務・事業への影響の程度 ・実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約) ・費用・負担の程度 ・事務・事業規模 ・財政・財務状況 「Yes:該当する」場合、Q4に続く。 「No:該当しない」場合、合理的配慮を提供へ Q4建設的対話により、どのような代替案が考えられますか? 代替案について、Q2に戻って検討することがあります。 合理的配慮を提供へ [テキストデータ製作者注:図の説明はここまで。注、終わり] 【10ページ】 # 第2編相談窓口担当者の実施事項チェックリスト  相談窓口担当者が、相談対応の各ステップで実施することが望ましい事項を一覧化しました。相談対応の各プロセスで何をすればよいのか、確認する際にお使いください。  なお、実際に相談対応にあたる際には、まずは相談者との信頼関係を構築することが重要です。 目次| 相談者対応フロー p.11 チェックリスト p.12〜18 【11ページ】 ## 相談者対応フロー [製作者注:事業者からの相談の場合について、図の説明。注、終わり] 「相談の受付」は、障害者・事業者から直接相談を受付ける場合と、他の部局・自治体、国の相談窓口等からの取次により相談を受付ける場合がある。「相談の受付」を行った後、関係者間での検討が不要でその場で完結できる場合は「事案の終結」となる。関係者間の検討が必要な場合は「関係者での情報共有・対応方針検討」へ進む。 「関係者での情報共有・対応方針検討」を行った際、相談者が窓口からの助言のみを希望する場合等は、「事案の終結」となる。相談者が相手方との調整や相手方への事情等の説明・指導を希望する場合等は、「事実確認」へ進む。 「事実確認」を行った後、「関係者間での情報共有・事案の評価分析・対応方針の検討」へ進む。 「関係者間での情報共有・事案の評価分析・対応方針の検討」を行った後、「具体的な対応の実施」へ進む。 「具体的な対応の実施」の例には相手方への説明、相談者と相手方との調整の場の設定等、がある。「具体的な対応の実施」を行った後、「事案の終結」へ進む。 なお、事案対応の中で、新たな事実がわかった場合等は、「事実確認」から「具体的な対応の実施」までを複数回繰り返す可能性がある。 (事業者からの相談の場合について、図の説明はここまで)  相談の受付に至るまでのルートとして、事業者から直接相談を受ける場合のほか、他の部局や、都道府県・国等で設置する相談窓口等から取り次がれる可能性があります。 [製作者注:図の説明ここまで。注、終わり] 【12ページ】 ## チェックリスト ### 相談の受付 #### 相談者から収集する情報 【このステップで行うこと】 @以下のチェックリストで示す項目について、相談者から聴取しましょう。 A聴取が完了したら相談内容が「障害者差別解消に関するもの」である(またはその可能性がある)か、判断しましょう。 【留意点】 相談者が積極的に開示したがらない場合は、無理に聞き出す必要はありません。 ただしその場合、状況のすべてが把握できないため、対応できることが限られる旨を伝え、理解いただくようにしてください。 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 相談者の基本情報(障害者からの相談) 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談者の氏名・所属/p.33/- 相談者が障害者本人かどうか(本人ではない場合、本人との関係)/p.33/- (相談者が障害者本人の場合)相談者の障害等に関する基本的な状況 ⇒例:障害の種類や程度、症状、コミュニケーションの方法、介助者の有無、その他相談内容に関連すると思われる相談者の状況/p.35/- ##### 相談者の基本情報(事業者からの相談) 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談者の氏名・事業所名・事業種別・所在地・役職・立場/-/p.50 事業内容・事業規模/-/p.51 人的体制・設備の状況/-/p.51 相手方が求めている又は事業者として対応を検討している事項の実現可能性や事務・事業への影響の程度/-/p.51 その他相談内容に関連すると思われる相談者の状況/-/p.51 ##### 差別を受けた(行った)とされる者の基本情報 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 差別を受けたとされる者の氏名・障害種別・性別・年代/p.33/p.50 差別を行ったと思われる者の氏名又は事業者名・所在地・事業種別/p.33/p.50 ##### 相談の内容・状況 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談者の主訴・相談内容(日時・状況・経緯・どういう事案が起きたのか等) ⇒障害者に対する虐待が疑われる事案の場合には、速やかに各地方公共団体の障害者虐待防止センターにつないでください 参照:場面別のポイントまとめ「虐待が背景にあると思われる相談の場合」/p.33/p.50 すでにどこかに相談しているかどうか/p.33/p.50 窓口に対してどのような対応(情報提供、事実確認、事案解消等)を求めているか/p.33/p.50 ##### 個人情報の取扱いに関する希望 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 個人情報の共有範囲/p.24,35/p.50 相談内容の共有方法(匿名か・概略化の必要性の確認)/p.24,33/p.50 ##### 事業者の従業員向けマニュアルの状況 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談内容と関係する従業員向けマニュアルの有無及びその内容/-/p.50 [製作者注:表の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] 【13ページ】 #### 相談者に伝える内容 【このステップで行うこと】 @ 聴取が一通り終了したら、「お話を整理させていただくと…との内容で理解していますが、その認識でよいでしょうか」というように相談者の認識している事実、主張、要望等について整理しましょう。 A聴取が完了したら、「個人情報や相談内容の取扱い」「今後の進め方」について、説明しましょう。 【留意点】 ・相談者が積極的に開示したがらない場合は、無理に聞き出す必要はありません。ただしその場合、状況のすべてが把握できないため、対応できることが限られる旨を伝え、理解いただくようにしてください。 ・相談者である事業者から相手方の障害者に関する個人情報(電話、住所等)について提供があった場合には、相談者に対し、相手方が窓口に対しての情報提供に同意しているかの確認を行い、同意を得ていない場合にはその個人情報を使用した相談対応は控える必要があります。 ・対応に必要となる情報以外の記録は残さないようにすることで、重大な情報漏えいを防ぐことができます。 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 個人情報や相談内容の取扱い 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 情報共有の目的や必要性/p.24,35/p.52 情報共有する相談内容や個人情報の範囲/p.24,35/p.52 情報共有する部署/p.24,35/p.52 情報共有した後の対応や支援の方法/p.24,35/p.52 情報共有した結果や内容のフィードバックの方法/p.24,35/p.52 ##### 今後の進め方(相談内容が「障害者差別解消に関するもの」である(またはその可能性がある))場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 今後、相手方への事実確認、関係者での検討を行うこと/p.24,35/p.52 (相談受付時点で差別に該当するかどうかの判断を求められた場合)判断には相手方への事実確認が必要であり、この相談だけでは判断しかねること ⇒適宜、不当な差別取扱いや合理的配慮の概要の説明 ⇒(事業者からの相談の場合)情報提供:事例の共有や業務を行う上で避けるべき言葉・従業員全体の障害者差別解消法に対する理解醸成が必要である旨・周知啓発研修の案内・建設的対話の重要性等/p.24,35/p.52,53,92 ##### 今後の進め方(環境の整備に関する相談の場合) 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 環境の整備は努力義務であること/p.53 合理的配慮の提供を円滑に行うためにも環境の整備をすることは、中長期的に見て事業者にとってメリットとなりうること/p.53 環境の整備を実施することは、障害者だけではなく、高齢者や子連れ利用者等にとっても利便性が高くなるものであること/p.53 環境の整備(バリアフリー)に関する補助等の具体的な相談窓口/p.53 適宜、不当な差別的取扱いや合理的配慮の提供の法的判断の検討プロセスの説明/p.53,89,90 ##### 今後の進め方(相談内容が障害者差別解消に関する相談ではない場合) 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談者の主張が障害者差別解消法に関するものではないと考えられる理由の説明/p.36/p.53,54 関連する相談窓口の紹介/p.36,37/p.53,54 [製作者注:表の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] 【14ページ】 ### 関係者(関係部局等)での情報共有、対応方針の検討 #### 関係者との情報共有 【このステップで行うこと】 @相談窓口担当課室内で不当な差別的取扱い、合理的配慮の提供のいずれに該当する事案と考えられるか(両方に関わる事案もあります)や、相手方に対しどのような事実確認が必要か等について検討を行いましょう。 A担当課内での対応が困難な場合等には、他部署や他機関と連携しましょう。 B広域の相談等については、他の地方公共団体や国と連携しましょう。 C相談者と相手方と両者の建設的対話を促すという趣旨で、相談者が納得できる対応方針を検討しましょう。 【留意点】 障害者差別解消法に関する相談についての対応主体 ●相談者の居住する地方公共団体と相手方の所在する地方公共団体が同じ場合は、相談者の居住する地方公共団体が対応します。 ●相談者の居住する地方公共団体と相手方の所在する地方公共団体が異なる場合には、相談を受けた地方公共団体だけでなく、相手方所在の他の地方公共団体とも連携して対応することが望まれます。 参照:場面別のポイントまとめ「他自治体が関与する相談を受けた場合」 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 相談窓口担当課室のみでは検討が困難な場合・連携して対応を行うことが円滑な対応に資する場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談事案の内容に応じた連携依頼 ⇒(例)福祉関係部局、相手方の事業所を所管する関係部局、教育関係部局、配偶者暴力相談支援センター/p.39/p.39 ##### 広域的な対応が必要な相談の場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 他の地方公共団体・国との連携の検討/p.39/p.39 [製作者注:表の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] 【15ページ】 #### 対応方針の検討 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 相談者が相手方への伝達や調整を望まない場合・相談者が相談窓口の職員に話を聞いてほしい場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談内容の傾聴 ⇒※なお、虐待が疑われる案件の場合には、「話を聞いてほしい」という主訴の場合であっても、市町村障害者虐待相談センター等と連携し対応を行う必要あり/p.40/- ##### 相談者から障害者差別解消法に関する事案について助言をしてほしいと求められた場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 法令の解釈や説明/-/p.54,55 情報提供や助言 ※事業毎に個別具体的に検討する必要があると伝える/-/p.54,55 ##### 相談者が相手方への伝達を望むが調整は望まない場合・障害者に事業者の状況等を説明してほしい場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談者への確認事項:個人情報の提供の可否/p.40/p.55 相手方への伝達事項:差別事案+障害者差別解消法の説明/p.40/p.55 相談者に対して相手方とのやりとりのフィードバックの実施/p.40/p.55 ##### 相談者が相手方への伝達及び調整を望む場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 事実確認へ進む/p.40,41/p.55,56 [製作者注:表の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] (参考)情報提供や助言の際、活用できる資料は以下のとおりです。 →各府省庁の対応指針 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/taioshishin.html →障害者差別解消に関する事例データベース https://jireidb.shougaisha-sabetukaishou.go.jp/ →合理的配慮等具体的データ集 合理的配慮リサーチ https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/index.html →障害を理由とする差別の解消の推進 相談対応ケーススタディ集 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/case-study.html 【16ページ】 ### 事実確認 【このステップで行うこと】 @相談者から収集した情報について、相手方に対して相談窓口に相談が寄せられたことを伝えてください。 A相談内容について事実確認を行いましょう 【留意点】 相手方と接触する際には以下の3点に気を付けて事実確認をしましょう。 ・相談窓口の役割・立場(公正中立)を確認してもらう。 ・相手方の障害者差別解消法に関する理解状況を把握し、適宜法の説明をする。 ・相手方には「まずは事実確認をしたい」、「障害者と事業者相互理解の醸成に向けて検討したい」旨を伝え、「協力を求めている」姿勢で接する。 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 予備的情報の収集 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相手方の客観的情報(ホームページ等)/p.41/p.56 相手方の事業に関係する法律や制度、主務大臣の定める対応方針/p.41/p.56 関係部局や関係機関への確認/-/p.56 ##### 事実確認を行う内容 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 起こったことについての相談者が主張する内容と相手方が主張する内容の突合/p.41/p.55,56 該当の取扱いを行った理由・求められた配慮の要望に応じなかった理由/p.41/- [製作者注:「該当の取扱いを行った理由」「求められた配慮の要望に応じなかった理由」の間の・は、原本では/を使用していたが、項目を区切る/と混同するため、・に置き換えた。注、終わり] 相手方が現時点で可能と考えている対応/p.41/- 相手方が行政機関等・事業者である場合は、当該行為が、行為を行った個人の考えによるものか、行政機関等・事業者として整備しているマニュアル等によるものかどうか/p.41/- 相手方が求める対応及び理由/-/p.57 [製作者注:表の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] 【17ページ】 ### 関係者での情報共有・事案の評価分析・対応方針の検討 【このステップで行うこと】 @関係部局等と事実確認の情報を共有し、事案を評価・分析し、今後の対応を検討してください。 A相談者と相手方に対応方針を説明しましょう。 【留意点】 ・客観的事実等を基に、相談者と相手方の事実認識を一致させるよう努めましょう。 ・今後どうすればお互いが納得して解決できるかという視点を持って話し合うように意識してください。 ・対応が困難である場合等は、地域協議会で事案解決のための検討を行うことも有効です。 ・原則・個別に連絡を行いながら調整しましょう。 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 関係部局等での情報共有 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 事実確認での相談者及び相手方から収集した情報の整理/p.43/p.58 連携先等との情報共有/p.43/p.58 ##### 事案の評価分析・対応方針の検討 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 不当な差別的取扱い又は合理的配慮の不提供に該当するかどうかの評価/p.43/p.58 ##### 不当な差別的取扱い・合理的配慮の不提供に該当すると考えられると判断した場合⇒具体的な対応の実施へ 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相手方に障害者差別解消法違反に該当すると考えられ是正が必要だと要請/p.43,44,45/p.59,60 相手方と対応案の確認 ⇒不当な差別的取扱い:障害者でない者との不当な異なる取扱いの是正方法 ⇒合理的配慮の提供:障害者からの求めに対する、障害者にとっての社会的障壁の除去のための必要かつ現実的な合理的配慮の提供方法 /p.43,44,45/- 相談者、相手方との間に立ち対応案を調整/p.43,44,45/p.59,60 ##### 不当な差別的取扱い・合理的配慮の不提供に該当しないと考えられると判断した場合⇒ここで対応終了 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 相談者へ障害者差別解消法違反に該当しないと考えられる旨の伝達/p.45/p.60 事業者へ今後の発生予防のための改善案や環境の整備等の参考情報の提供/p.45/p.60 相手方へ障害者差別解消法違反に該当しないと考えられる旨の伝達/p.45/p.60 相手方に相談者への参考情報の提供結果を共有/p.45/p.60 ##### 相談者と相手方で意見が食い違う場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 障害者側への確認事項:相手方に求める最低限の要望やその理由/p.44,45/p.59,60 行政機関等・事業者側:合理的配慮として提供可能・不可の対応のラインやその理由 /p.44,45/p.59,60 [製作者注:「合理的配慮として提供可能」「不可の対応のラインやその理由」の間の・は、原本では/を使用していたが、項目を区切る/と混同するため、・に置き換えた。注、終わり] 相談者、相手方への障害者差別解消法の説明/p.44,45/p.59,60 [テキストデータ製作者注:図の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] 【18ページ】 ### 具体的な対応の実施 【このステップで行うこと】 「関係者での情報共有・事案の評価分析・対応方針の検討」の対応方針に基づく対応を実施しましょう。 【留意点】 ・事案終結後の状況についてモニタリングを実施することも検討してください。 ・障害者差別解消法では相互理解と建設的対話が重要であるため、相手方の主張の内容や事案処理の進捗状況によっては、障害者差別解消法に基づきできること、できないことをはっきりと相談者や相手方に示し、事案の終結を視野に入れることも必要になります。 ※障害者差別に関する紛争も、他の当事者間の具体的な紛争と同様、最終的には裁判所で判断されます。 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 再発防止に向けた取組 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ (当該行為が個人の考えによる場合)事業者内における周知啓発/-/p.60,61 (当該の行為が事業者のマニュアルによる場合)マニュアルの改正/-/p.60,61 ##### 事業展開を進める上での配慮 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 事実確認の相談者及び相手方から収集した情報の整理/-/p.61 連携先等との情報共有/-/p.61 [製作者注:図の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] ### 相手方(事業者)が対応を拒否する場合 【このステップで行うこと】 @相談解決に向け、建設的対話を促進し、相互理解を実現するよう、お互いが相手の状況を理解し納得できる改善・対応方法を考えることを粘り強く説明してください。 A障害者差別解消法第12条に基づく措置、事務の実施可否を検討してください。 【留意点】 ・自治体の条例による独自の権限が定められている地方公共団体では、権限の行使の検討も考えられます。 ・事業者が改善に応じない場合、事業者団体に相談して事業者団体から事業者に働きかけてもらうという方法も考えられます。 [表 開始] [製作者注:以下、相談者から収集する情報についてのチェックリストである。項目毎に「障害者からの相談」「事業者からの相談」として、それぞれに該当するマニュアル本文ページを表の右側に記載している。該当するページがない(ページ記載個所が空欄になっている)場合は、本テキスト上では‐で示している。注、終わり] ##### 相手方が対応の拒否を繰り返す等自主的な改善を期待することが困難な場合 内容/障害者からの相談についてのマニュアル本文ページ/事業者からの相談についてのマニュアル本文ページ 障害者差別解消法第12条に基づく措置の実施のため、当該事業者の事業分野の主務大臣(具体的には事業分野ごとの相談窓口)に事案の概要・経緯を報告/p.46.47/- [製作者注:表の説明はここまで。注、終わり] [表 終わり] 【19ページ】 # 第3編場面別のポイントまとめ 相談窓口担当者がよく直面する場面で留意すべきポイントをまとめました。 目次| 他自治体が関与する相談を受けた場合 p.20〜21 他の相談窓口を案内することが適切と考えられる場合 p.22〜23 虐待が背景にあると思われる相談を受けた場合 p.24 相談対応に難航する場合 p.25 【20ページ】 ## 他自治体が関与する相談を受けた場合  相談対応にあたり、内容によっては、都道府県や国(地方支分部局を含む。以下同じ。)等の外部機関と連携するケースがあります。広域的な相談の場合は、以下の図のように、関係する自治体と情報共有を行い、連携するようにしましょう。  また、障害者からの相談内容は多岐にわたることから、他部署の所掌業務が関係するケース等においては、連携して一体的に対応を行いましょう。  情報共有にとどまり、十分連携できずに対応が宙に浮いてしまうこともありうるので、事案の終結まで対応しましょう。 [テキストデータ製作者注:以下、広域的な相談について、図の説明。注、終わり] 障害者からの相談の場合 @居住地方公共団体内にある事業所からの差別的取扱い等に関する相談の場合 A市在住の相談者がA市窓口へ相談する、というように、相談者居住地の市区町村が対応する。 A居住地方公共団体外にある事業所からの差別的取扱い等に関する相談の場合 パターンA:相談者の居住地と、関係する事業所の所在地が「同一」都道府県の場合 X県内のA市在住の相談者がX県内のB市の事業所からの差別的取扱いに関して相談する際には、相談者居住地の市区町村であるA市窓口が対応する。また、A市窓口は事業所所在の市区町村であるB市窓口と調整を行う。 ※関係する事業所がX県内の3自治体以上にわたる場合には、A市窓口が一時的に受け付けるが、適宜X県窓口に協力を要請する。 パターンB:相談者の居住地と、関係する事業所の所在地が「別の」都道府県の場合 X県A市在住の相談者がY県内のC市の事業所からの差別的取扱いに関して相談する際には、相談者居住地の市区町村としてA市窓口が対応する。また、事業所所在の市区町村であるC市窓口と調整を行う。A市窓口は必要に応じX県窓口に適宜協力要請し、X県窓口はY県窓口に適宜協力要請する。Y県窓口とY県C市窓口は、調整を行う。 [製作者注:図の説明はここまで。注、終わり] [図 終わり] 【21ページ】 [製作者注:以下、広域的な相談について、図の説明。注、終わり] 事業者からの相談の場合 @関係する事業所が1か所のみの場合 A市に所在する事業所がA市窓口へ相談する、というように、関係する事業所所在地の市区町村が対応する。 A関係する事業所が1つの都道府県のうち、2つ以上の市区町村にまたがる場合 X県A市とB市に所在する事業所がX県窓口に相談する、というように、関係する事業所所在の都道府県が対応する。 B関係する事業所が2つの都道府県にまたがる場合 X県とY県に所在する事業所が、X県窓口とY県窓口へ相談する、というように、関係する事業所所在の都道府県同士が対応する。X県窓口とY県窓口は調整を行う。 C関係する事業所が3つ以上の都道府県にまたがる場合 X県に所在する事業所、Y県に所在する事業所、X県に所在する事業所、の3つの事業所が、所管省庁窓口へ相談する、というように、関係する事業所の所管省庁が対応をする。 [製作者注:図の説明はここまで。注、終わり] [製作者注:図 終わり] (参照:<実践編>3「関係部局・関係機関との連携・協力体制の構築」) 【22ページ】 ## 他の相談窓口を案内することが適切と考えられる場合 ### 障害者差別解消法以外の相談を受けた場合  障害者差別解消法以外の対応窓口を適宜ご案内ください。 [表 開始] 項目/対応窓口の連絡先・HP等/内容 雇用関係/民間企業等の一般就労、A型就労継続支援施設⇒ハローワーク B型就労継続支援施設⇒自治体の福祉部局/民間企業等の一般就労の障害者差別や合理的配慮については、障害者雇用促進法による対応となるため、最寄りのハローワークを紹介します。就労支援施設については、雇用契約に応じて該当する法律が異なります。 人権相談/法務省HP  https://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html/障害者差別解消法では、行政機関等及び事業者に対して差別の禁止等を求めているものであり、事業者以外の私人に対しては義務を課していません。当該私人間における人権相談については、法務局の人権相談において相談を受けています。 消費者トラブル/消費者ホットライン 188(局番なし) 消費者庁HP  https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ 独立行政法人国民生活センターHP https://www.kokusen.go.jp/map 補助犬に関する苦情/各地方公共団体(都道府県・指定都市・中核市)/補助犬の同伴又は使用に関する苦情については、身体障害者補助犬法において、都道府県知事及び指定都市または中核市の長において必要な助言、指導等を行うものとされていますので、各地方公共団体を紹介します。 命に関わる相談/「まもろうよこころ」HP https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro//「死にたい」等といった命に関わる相談(自殺予防相談)の場合、電話やSNSでの相談窓口をまとめたサイト「まもろうよこころ」を紹介します。 [表 終わり] 【23ページ】 [表 開始] 項目/対応窓口等 学校における障害者差別以外のトラブル(いじめや学校職員の対応)に関する相談/事案があった学校を所管する教育委員会等 生活保護・生活支援に関する相談/居住市区町村の福祉担当課等 虐待が背景にあると思われる相談/次ページを参照 配偶者やパートナーからの暴力(DV)が疑われる場合/居住地に設置されている「配偶者暴力相談支援センター」等 性暴力が疑われる相談/居住地の都道府県に設置されている「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」 [表 終わり] ### 他の相談窓口で効果的な解決が期待できる場合 [表 開始] 項目/対応窓口等/内容(記載がある場合) 行政機関の職員からの障害を理由とする差別/事案発生自治体の人事担当課、総務省の行政相談/行政機関の職員から障害者差別を受けた場合、行政機関ごとに職員の対応要領を作成していることから、事案発生自治体の人事担当課を紹介します。 もしくは、総務省の行政相談(0570‐090110)を紹介します。 旅館、ホテル等における障害者の宿泊拒否/地方公共団体の旅館業法所管部局と連携の上対応 参考:厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188046_00007.html [表 終わり] [破線の囲み 開始] 参考:関係府省庁所管事業分野の担当課室  関係府省庁所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針では、各府省庁が所管する事業分野に係る相談窓口(担当課室)を一覧で掲載しておりますので、御参照ください。 関係府省庁URLまとめ(内閣府HP) https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/taioshishin.html [破線の囲み 終わり] (参照:マニュアル<参考資料>3.「障害者差別解消法以外の対応窓口」) 【24ページ】 ## 虐待が背景にあると思われる相談の場合  相談内容から、障害者に対する虐待が背景にあると思われる場合には、速やかに専門機関等に相談することを勧めます。具体的には、以下の通りです。 [表 開始] ケース/対応 家庭内や障害者福祉施設等での虐待が疑われる場合/居住地又は事案発生地の市区町村に設置されている「障害者虐待防止センター」又は市区町村の障害福祉担当課等に相談することを勧めます。 障害者を雇用する事業所での虐待が背景にあると思われる場合/市区町村または都道府県の障害福祉担当課、市区町村または都道府県の障害者権利擁護センター、地方労働局等へ相談することを勧めます。 障害児に対する家庭内での虐待が背景にあると思われる場合/市区町村または都道府県の福祉事務所、もしくは児童相談所に相談することを勧めます。  虐待が疑われる案件の場合、主訴が「話を聞いてほしい」というだけでも、市区町村障害者虐待防止センター等と連携し対応することが重要です。こうした状況では、関係部局と情報共有を行い、対応方針を検討します。  また、虐待が明らかである場合には、相談者の同意の有無に関わらず、相談窓口の職員が市区町村障害者虐待防止センターへ相談概要を伝達します。これにより、迅速かつ適切な対応が可能となります。家庭内や福祉施設、職場での虐待が疑われる際には、適切な機関への連絡を行い、関係者間での情報共有を徹底することで、虐待の早期発見と対策が図られます。 (参照:<実践編>6.2.1「相談の受付」) (参照:<実践編>6.2.2 「関係者(関係部局等)での情報共有、対応方針の検討」) (参照:<参考資料>3.9「虐待が疑われる相談」) 【25ページ】 ## 相談対応に難航する場合  相談対応にあたっては、相談対応担当者が相談者と信頼関係を築き、必要があれば相手方との建設的な対話を通じて、具体的な対応を行うことが期待されます。一方で、実際には、相談者との信頼関係の構築が難航したり、事案の終結に苦慮したりと、困難なケースへの対応が求められることもあります。 ### 相談者との信頼関係の構築が難航する場合  相談者が興奮している際には、いつも以上に冷静に対応することを心掛けましょう。まずは、相談者との信頼関係を意識することが重要ですが、以下の場合などは、慎重に言葉やタイミングを選んだ上で、その日の相談対応は中断し、後日改めて実施するなど組織としての対応も考えられます。また、障害者側に寄り添って相談対応を行える支援者や機関を紹介することも有効です。 ・社会通念から逸脱する主張・要求(内容及び態様)を止めようとしない場合 ・相談時間の目安を大幅に超えて、長時間の対応を求められる場合 ・障害者差別とは全く関係のない相談となった場合 (参照:コラム7「興奮している相談者への対応」) ### 事案の終結に苦慮する場合  障害者差別解消法においては相互理解と建設的対話が重要であり、どちらか一方の主張が通るまで事案終結とならないというものではありません。そのため、一方が謝罪や改善を要求したとしても、その要求が必ずしも通るとは限りません。  相手方の主張の内容や事案処理の進捗状況等によっては、障害者差別解消法に基づきできること・できないことを改めてはっきりと相談者や相手方に示し、事案の終結を視野に入れることも必要となることに留意してください。  障害者差別に関する紛争も、他の当事者間の具体的な紛争と同様、最終的には裁判所において判断されることとなります。 (参照:<実践編>6.2.5/6.4.5「具体的な対応の実施」) [製作者注:25ページに続く2ページはページ番号なし。うち1ページ目は空白のページである。注、終わり]