資料4 通信・放送分野におけるアクセシビリティ推進に関する取組 令和4年12月 総務省 情報流通行政局 情報活用支援室・地上放送課 p1 通信・放送分野における情報バリアフリー促進支援事業 デジタル・ディバイドを解消し、障害者や高齢者を含む、誰もがICTによる恩恵を享受できる情報バリアフリー環境を実現するため、以下の助成を実施。 1 デジタル・ディバイド解消に向けた技術等研究開発 本省 高齢者・障害者の利便の増進に資する通信・放送サービスの充実に向けた、新たなICT機器・サービスの研究開発を行う者に対し、経費の2分の1(最大3000万円)を上限として助成金を交付。 2 情報バリアフリー通信・放送役務提供・開発推進助成金 NICT 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)を通じ、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送役務の提供を行う者に対し、経費の2分の1を上限として助成金を交付。 (参考)助成事例 駅構内を想定した視覚障害者の歩行誘導サービス(shikAI) 地下鉄の駅構内に設置したORコードからの情報とメガネ型ウェアラブルデバイスから得た情報をスマートフォンで統合し、クラウドサービスを利用しながら、道案内、駅構内情報、危険回避、さらには広告の定時などを実現 モバイル型情報保障サービス(e-ミミ) 聴覚障害者の学びを支援するため、高等学校・大学及び講習会・セミナーへの、遠隔地からのパソコン文字通訳(要約筆記)による文字情報の配信提供。 1 スマートフォンを通して送られた会場内の音声を文字へ変換。 2 インターネットを使って、会場内の利用者が持っているスマートフォンやタブレット端末に字幕として表示。 p2 成果事例(視覚障害者ナビゲーションシステム「shikAI」) 2021年1月27日より、視覚障害者ナビゲーションシステム「shikAI」アプリを公開。 視覚障害者の利用が多い副都心線西早稲田駅など東京メトロの計9駅(※有楽町線:新木場駅、辰巳駅、東池袋駅、護国寺駅、豊洲駅/銀座線:外苑前駅/副都心線:北参道駅、西早稲田駅/千代田線:明治神宮前駅(2022年11月現在))で利用可能。 開発企業:リンクス株式会社 企業概要:デジタル製品・サービスの企画・開発や企業向けロボット導入支援等を展開 所在地 :東京 (助成期間)平成29年度〜令和元年度 「shikAI」は、駅構内の点字ブロックにQRコードを設置し、スマホのカメラで読み取ることで、現在地から目的地までの駅構内の移動ルートを導き出し、音声で目的地までご案内するシステム p3 成果事例(情報保障サービス「e-ミミ」) 聴覚障害者へパソコンやスマートフォン・タブレット端末を介して、遠隔地からの文字情報による通訳を実施することにより、今までサポートが難しかったシーンでの情報保障を行うサービス。 開発企業:株式会社アイセック・ジャパン 企業概要: 障害者向けICTサービスの提供 所在地 : 沖縄 (助成期間)平成24年度〜平成29年度 ※利活用シーン 講演会やセミナーでの文字情報配信 会議における情報保障 一般高校及び大学における聴覚障害をもつ生徒・学生への情報配信 1.会場からe-ミミセンターへ電話 2.スマートフォンを通して会場内の音声がe-ミミセンターへ届けられる。  聞こえてきた音声を文字通訳者が文字に変換し、2人で打った文字を専用のソフトを使って一つの文に生成。 3.インターネットを使って、会場内の利用者が持っているスマートフォンやタブレット端末に字幕として表示。 p4 字幕番組、解説番組、手話番組等の制作促進 テレビジョン放送における情報アクセス機会の均等化を実現するため、字幕番組、解説番組、手話番組等の制作費や生放送番組への字幕付与設備の整備費に対する助成を実施し、視聴覚障害者向けテレビジョン放送の普及を促進する。 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が次の助成金を交付(注釈1・身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律(平成5年法律第54号)第4条第1号に基づき実施。)するために必要な経費を、同機構に対し交付 1 字幕番組、解説番組、手話番組等の制作費を対象とした支援(平成9年度〜) 字幕番組、解説番組、手話番組等(注釈2・特に普及が遅れている手話番組については、日常生活用具給付等事業(障害者総合支援法第77条第1項第6号)により給付されている「聴覚障害者用情報受信装置」で受信する放送番組の手話翻訳映像を制作・提供する者に対しても同様に助成。)を制作する者に対し、その制作費(放送番組に字幕等を付与するための追加経費)の2分の1(注釈3・在京キー5局の字幕番組は生放送番組に限る。在阪準キー4局の字幕番組(生放送番組を除く。)については6分の1を上限とする。)を上限として助成金を交付する。 2 生放送番組に対する字幕付与設備の整備費を対象とした支援(令和2年度〜) 大規模災害時における緊急生放送番組等に字幕を付与する設備の整備を行う者に対して、その費用の2分の1を上限として助成金を交付する。 (予算額グラフ) 平成29年 予算額 3億円 平成30年 予算額 4億円 令和元年 予算額 4億円 令和2年 予算額 4.3億円 令和3年 予算額 5億円 令和4年 予算額 5.6億円 (助成イメージ) 国庫補助金(国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT))より公募→字幕番組・解説番組・手話番組の制作等(放送事業者等)より申請→国庫補助金より、放送事業者等に対し2分の1を上限に助成 p5 (参考)放送分野における情報アクセシビリティに関する指針(2018年2月7日策定) 本指針は、放送法第4条第2項等を踏まえ、放送分野における情報アクセシビリティの向上を図るため、字幕放送、解説放送及び手話放送の普及目標を定めるものである。 本指針の運用に当たっては、障害者の権利に関する条約、障害者基本法、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律等に鑑み、視聴覚障害者等の議論への参画の重要性を踏まえつつ新技術の積極的活用等により、視聴覚障害者等の情報アクセス機会の一層の確保を図ることとする。 また、本指針で示す目標達成年度をできる限り早期に達成するよう努めるとともに、毎年度実績をとりまとめて公表を行う等フォローアップを行う。 なお、本指針は、技術動向等を踏まえて、5年後を目途に見直しを行う。 (以下表) 字幕放送(字幕放送には、データ放送やオープンキャプションにより番組の大部分を説明している場合を含む) 注・字幕放送普及目標の対象のうち、放送時間及び放送番組にはそれぞれ以下の注釈が付いている。   放送時間・大規模災害等が発生した場合は、この時間帯に関わらず、できる限り速やかに対応   放送番組・「字幕付与可能な放送番組」とは、次に掲げる放送番組を除く全ての放送番組 1 技術的に字幕を付すことができない放送番組(例:現在のところ複数人が同時に会話を行う生放送番組) 2 外国語の番組 3 大部分が器楽演奏の音楽番組 4 権利処理上の理由等により字幕を付すことができない放送番組 放送局 NHK 普及目標の対象(放送時間) 6時から25時までのうち連続した18時間 普及目標の対象(放送番組) 字幕付与可能な全ての放送番組 目標 対象の放送番組の全てに字幕付与(7時から24時以外の1時間については、2022年度までに対象の放送番組の全てに字幕付与) 備考 教育放送及びBS1については、できる限り目標に近づくよう字幕付与 BSプレミアムについては、対象の放送番組の全てに字幕付与(7時から24時以外の1時間については、2022年度までに対象の放送番組の全てに字幕付与) 放送局 地上系民間放送(県域局以外) 普及目標の対象(放送時間) 6時から25時までのうち連続した18時間 普及目標の対象(放送番組) 字幕付与可能な全ての放送番組 目標 対象の放送番組の全てに字幕付与(7時から24時以外の1時間については、2022年度までに対象の放送番組の全てに字幕付与) 備考 なし 放送局 地上系民間放送(県域局) 普及目標の対象(放送時間) 6時から25時までのうち連続した18時間 普及目標の対象(放送番組) 字幕付与可能な全ての放送番組 目標 2027年度までに対象の放送番組の80%以上に字幕付与。できる限り、対象の全てに字幕付与 備考 独立U局については、できる限り多くの番組に字幕付与 放送局 放送衛星による放送(NHKの放送を除く) 普及目標の対象(放送時間) 6時から25時までのうち連続した18時間 普及目標の対象(放送番組) 字幕付与可能な全ての放送番組 目標 2027年度までに対象の放送番組の50%以上に字幕付与。できる限り、対象の全てに字幕付与 備考 2000年度に放送を開始した総合放送を行う事業者以外の放送事業者については、2027年度までに、できる限り対象の全てに字幕付与 放送局 通信衛星による放送・有線テレビジョン放送 普及目標の対象(放送時間) 6時から25時までのうち連続した18時間 普及目標の対象(放送番組) 字幕付与可能な全ての放送番組 目標 当面は、できる限り多くの放送番組に字幕付与 備考 なし (表ここまで) p6 (以下表) 解説放送(大規模災害時等にチャイム音とともに緊急・臨時に文字スーパーを送出する場合、できる限り読み上げる等により音声で伝えるよう努めるものとする) 注・解説放送普及目標の対象のうち、放送番組には以下の注釈が付いている。   「権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組」とは次に掲げる放送番組 1 権利処理上の理由により解説を付すことができない放送番組 2 2か国語放送や副音声など2以上の音声を使用している放送番組 3 5.1chサラウンド放送番組 4 主音声に付与する隙間のない放送番組 放送局 NHK 普及目標の対象(放送時間) 7時から24時 普及目標の対象(放送番組) 権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標 2027年度までに対象の放送番組の15%以上(2022年度までに対象の放送番組の13.5%以上に解説付与)に解説付与 備考 教育放送については、2027年度までに対象の放送番組の20%以上(2022年度までに対象の放送番組の19%以上に解説付与)に解説付与 放送衛星による放送については、できる限り目標に近づくよう解説付与 放送局 地上系民間放送(県域局以外) 普及目標の対象(放送時間) 7時から24時 普及目標の対象(放送番組) 権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標 2027年度までに対象の放送番組の15%以上(2022年度までに対象の放送番組の13.5%以上に解説付与)に解説付与 備考 なし 放送局 地上系民間放送(県域局) 普及目標の対象(放送時間) 7時から24時 普及目標の対象(放送番組) 権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標 2027年度までに対象の放送番組の10%以上に解説付与に努める 備考 独立U局については、できる限り多くの番組に解説付与 放送局 放送衛星による放送(NHKの放送を除く) 普及目標の対象(放送時間) 7時から24時 普及目標の対象(放送番組) 権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標 2027年度までに対象の放送番組の5%以上に解説付与に努める 備考 2000年度に放送を開始した総合放送を行う事業者以外の放送事業者については、できる限り目標に近づくよう解説付与 放送局 通信衛星による放送・有線テレビジョン放送 普及目標の対象(放送時間) 7時から24時 普及目標の対象(放送番組) 権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標 当面は、できる限り多くの放送番組に解説付与 備考 なし (表ここまで) 手話放送 NHK(放送衛星による放送を除く)及び地上系民間放送(県域局を除く)については、 2027年度までに平均15分/週以上に手話付与