資料6 情報アクセシビリティ・コミュニケーション推進における取組について 令和4年12月21日 経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室 p1 1.情報通信機器等に係る取組 (1)国内標準化 家電メーカーや通信機器メーカーにおいては、障害のある人・高齢者に配慮した家電製品の開発・製造に努めているところ、経済産業省では、事業者が主体となったアクセシビリティの確保・向上を目的にした各種規格の策定の活動を支援し、情報アクセシビリティに関する日本産業規格(JIS)として、「高齢者・障害者等配慮設計指針―情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス」が制定された。これは、1「基本規格」、2「共通規格」、3「個別規格」の3層で構成され、それぞれ、1は、規格を作成する際の基本指針、2は、ソフトウェア及びサービスを利用するときの情報アクセシビリティを確保・向上させるための共通の考え方や技術的要件等を示したもの、情報通信機器や情報通信技術の利用時の情報アクセシビリティを確保・向上させるための機器・技術の企画・開発・設計するときの指針である。 3の個別規格は、2013年度までにJISX8341-2からJISX8341-7までが制定されており、対応国際規格が改訂されたことを受け高齢者・障害者等に対する事務機器の配慮設計に関するJISX8341-5を2022年に改正した。 (表)アクセシビリティに関する規格体系 基本規格 JISZ8071:2003 規格におけるアクセシビリティ配慮のための指針 分野別共通規格 JISX8341-1 高齢者・障害者等配慮設計指針 -情報通信機器、ソフトウェア及びサービス- 第1部 共通指針 個別規格 JISX8341-2 第2部 パーソナルコンピュータ(パーソナルコンピュータのハードウェアの企画、開発、設計及び流通を行う際のアクセシビリティに対する要求事項及び推奨事項を規定) p2 JISX8341-3 第3部 ウェブコンテンツ(全ての利用者が、使用している端末、ウェブブラウザ、支援技術などに関係なく利用することができるように、ウェブコンテンツが確保すべきアクセシビリティの基準について規定) JISX8341-4 第4部 電気通信機器(電気通信機器を企画、開発、設計、保持及び運営するときに配慮すべき事項について規定) JISX8341-5 第5部 事務機器(事務機器に関して企画・開発・設計するときの指針として配慮すべき事項について規定) JISX8341-6 第6部 対話ソフトウェア(ソフトウェアをアクセシブルに設計するための人間工学上の手引き及び明細事項について規定) JISX8341-7 第7部 アクセシビリティ設定(アクセシビリティ設定のユーザーインターフェースをアクセシブルにするための推奨事項及び要求事項について規定) また、印刷された書籍が読めない人でも読むことのできる電子書籍のアクセシビリティを評価するJISX23761を2022年に制定した。 (2)国際標準化 国内の規格開発と並行し、国際的な情報アクセシビリティのガイドライン共通化を図るため、JISX8341シリーズのうち、「共通指針」、「パーソナルコンピュータ」及び「事務機器」について国際標準化機構(ISO)等へ国際標準化提案を行い、2012年までに、それぞれ国際規格が制定された。また、このうちJTC1(ISOと国際電気標準会議(IEC)の合同技術委員会)/SC28(オフィス機器)において日本が議長国及び幹事国を務めている。 アクセシブルなユーザーインターフェースに関する国際標準ISO/IEC24786:2009(現ISO/IEC20071-5)は制定から10年以上が経過しており、制定後に普及した最新技術(タブレット、スマートフォン、タッチパネルなど)に対応するための改訂を日本が提案し、2022年5月に発行された。 2.製品のアクセシブルデザインに係る取組 障害のある人等、日常生活に何らかの不便さを感じている人々にも、使いやすい製品を設計するためのアクセシブルデザインに関するJISが存在。このJIS開発を支援し、2021年度までに、「規格におけるアクセシビリティ配慮のための指針(JISZ8071)」を始め、43規格を制定した。 p3 また、国際標準化機構(ISO)の福祉用具技術委員会(ISO/TC173)のうち、アクセシブルデザインを取り扱うTC173/SC7(感覚機能障害者のための福祉用具)において日本が議長国及び幹事国を務めている。 3.障害者を包摂したサステナブルビジネス推進セミナーの開催 アクセシブルデザインの企業の取組事例などの情報発信やセミナーの開催を予定している。 以上